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日本を不況にする倒産ビジネスその1 [中小企業]

分類が難しいのですが。一応民事・消費者かなあ。
昨年法律相談の中で出てきた事例です。

前提として、破産したり、返済できない場合、
その会社の不動産(土地、建物)が競売にかけられることになります。
競売になると、時価の3分の1以下で売られることになります。
タイムリーな表現をすると70%オフです。
そして、抵当権も消えます。

例えば1億円を銀行から融資を受け、
レジャー会館を担保に入れたとします。
仮にレジャー会館は普通に売れば1億円で売れるのに
競売になれば3000万円以下でしか売れなくなり、
銀行は7000万円の損をすることとなります。

レジャー会館を買う側とすれば、
普通に買えば1億円するレジャー会館を
3000万円で買えるので、
7000万円儲かることとなります。

レジャー会館が倒産して損をするのは銀行だけでなく、
例えばレジャー会館を改装していたような場合、
改装費が2000万円だとします。
レジャー会館が倒産してしまうと、
2000万円は丸損となり、
改装会社は連鎖倒産の危険が生じるわけです。

レジャー会館を買った業者は、
この2000万円を支払わないですむことになります。

問題は、これが意図的になされた場合です。

はじめから、レジャー会館(A社)を倒産させることにする。
X社がレジャー会館を買い取り、
Y社に転売なり賃貸なりすると言う計画をたてる。
もともとA社の経営は苦しいから、
社長に数百万円を握らせて(ここには脱税の可能性)、
A社の破産手続きをさせる。

これを実際破産する1年位前から計画し、
築30年のレジャー会館の改装を発注する。
総工費2000万円。短期に支払いをすることを匂わせる。

固い業者であれば、何で今頃改装するんだと請け負いませんが、
他県のいわゆるブローカー業者は、経営が苦しく、
ギャンブル的に引き受けて、下請けに回す。

下請けも同様に苦しい状況で、元受とは仕事をしているので、
元請けを信頼して、孫請けや労働者を臨時雇用する。
もちろん、A社はお金がないから元請けに代金を支払わない
元請は、下請けにお金を払わない。
下請けは孫請けにいくらか払うか払わないか。

改装が概ね終了するころ、
実はA社は経営難に陥っているので代金は一切払われない
と告げるわけです。
このときはもう後の祭りです。

X社は、1億円の建物を3000万円で買い、
裏金の数百万円を支出しても、
改装済みのレジャー会館を
改装費2000万円も支払わないで
入手することができるわけです。

元請、下請、孫請け、労働者は、
ただ働きを数ヶ月しているわけです。
元請、下請けは、もともと経営難だったので、
引き金になって、事実上倒産となるわけです。
労働者もサラ金の支払いができなくなり
自己破産する。

X社は、例えばレストランチェーン店に
このレジャー会館を賃貸し利益を得る。

他人を犠牲にして(倒産、破産を増やして)、
利益を得るビジネス
こういうのを倒産ビジネスと名づけましょう。

証拠がないので、意図的に行ったとして
実名を出して問題にすることができないのですが、
どうも、このような倒産ビジネスが
日本の不況を作っているような話をよく聞くのです。



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