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100:0対0:100の過失割合の主張事案が、なぜ示談成立したのか 物損事故 [交通事故]

交通事故紛争処理センターのあっせん委員をやると、
毎月3日、1日3件ずつ交通事故の示談を行うので、
月に9件の交通事故を扱うことになります。

毎回、事件が終わるとそのままということですが、
経験を文字にまとめなければもったいないかな
と思うところがありまして、
特に、物件事故は、過失割合の争いが多く、
時分には責任は無い。相手が100%悪いと
双方が言い合うことも珍しくありません。

中には、未熟な運転をする私をよけないのが悪い
としか聞こえない主張もあったりするのですが。

物件事故は、双方が同意をしないと示談は成立しません。
人身事故であれば、保険会社に対して、
最終的には裁決をして、支払ってもらえるのですが、
物件事故は、そういう制度は原則としてありません。

100%相手が悪いという案件でも示談が成立することは、
珍しくなく、
その要素を振り返ってみます。

その事案は、双方に保険会社の方が付添われた事案でした。
そして、ご本人も出席していました。
保険会社の方も、示談の成立に向けてご努力いただきました。
この点は、示談がまとまる不可欠な要素に思います。
(本人出席、保険会社の協力)

次に、根拠を明確にして、示談案を提示しました。
(あっせん委員の示談案提示)

いわゆる判例タイムス別冊の過失割合の類型を使い、
数字の根拠を明確にしました。
(明確な基準、根拠)

それだけでなく、
なぜ判例タイムスの基準ができたのかについて、
できるだけ丁寧に説明しました。
(基準の説明と、類似事案の処理の説明)

ここまでは、どなたもやるし、
これで、成立しないから、苦労するわけです。

今回は、交通事故紛争処理センターの示談は、
今日で終わりであることを説明しました。
あとは、裁判等で解決するしかない
ということを説明しました。
(示談の機会喪失、今後の解決に向けてのコスト)
(示談をしないことのデメリットと、示談のデメリットの比較)

実は、このことを説明する前に、
保険会社さんだけ双方よんで、
示談は今日で終わりで、この案で解決しなければ、
示談不成立ということになりますけれどよろしいですね
という進行についての確認がありました。
(これがよかったと思うのですが、なにがよかったのか?
代理人間の信頼関係ができたことかもしれません。)

ところで、解決の最大の決め手になったのは、
示談案の提示の根拠に、
警察の実況見分調書がありました。
そこに、警察官が当事者から聴取した言葉が
記録されていました。

その言葉は、これまで、当事者が言っていたことと、
結果的には矛盾することでした。
しかし、あっせん委員は矛盾を突いてはいけません。

ここにこう記載している以上、裁判でも証拠になってしまう
という表現を使うべきです。

また、よくよく聞いていくと、矛盾しているのではなく、
意味を取り違えているだけのことが多いです。
一度言ったことを隠して嘘をつくという人は
めったにいないと考えていいでしょう。

そして、自分はその場にいなかったし、
裁判官のように事実認定をするわけではないので、
もし裁判になればという話で、見通しを述べる
という姿勢がよいと思います。

そうすることによって、説得しようとする相手と
対立することなく、
その人の立場に立ってデメリットを提示することが
できるようになります。

共感、支持の姿勢をできるだけ崩すべきではないと思います。

そうしてしまうと、一方当事者だけに肩入れすることにならないか
という問題が出てきますが、
あまり気にしなくてよいと思います。

相手方にも同様の姿勢で、肩入れすればよいと思うのです。

その間に矛盾しないのは、
双方の共感できる部分にだけ共感すればよいからです。

示談がこじれてしまった多くは、
相互不信があります。
相手が嘘を言っているという不信と
自分が嘘を言っていると思われているのではないかという不信。

双方嘘を言っているのではないという立場に立って、
双方の言葉を再構成してみるという作業、
あなたは嘘を言っていないという態度、
相手の問題点と自分の問題点を説明することが、
案外、心を落ち着かせ、
もうこれい所争ってもめんどくさいし、
経済的にもいいことは無いという、
頭では分かっていたことに基づいての
結論を出すきっかけになると思います。

だから、当事者の方に、どうして、示談したか尋ねれば、
もう面倒だから、早く終わりにしたかったからという
答えだけが出てくると思われます。

それは、さいしょからわかっていたでしょう。
どうして今までそういう結論に立たなくて、
その日にそういう結論に立ったのと
鋭い質問をしたところで、
おそらく、あれ、どうしてだろうねえとなると思われます。

この辺のディスカッションを
保険会社とあっせん委員で
行うのも面白いかもしれません。


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