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弁護士と医学 交通事故紛争処理センター(頭部外傷と高次脳機能障害) [交通事故]

交通事故紛争処理センターでは、
嘱託の弁護士が、医療セミナーを受講します。
専門のお医者さんに、3時間以上にわたりお話ししていただきます。
必ずしも、現在扱っている事件には関係しなくても、
そのうち、必要となる知識です。
得難い機会で、勉強をさせてもらっているというのが実感です。

考えてみれば、私も6年目ですから、
このセミナーもずいぶん受講したことになります。

今回は頭部外傷の諸問題と
特に高次脳機能障害でした。
お医者さんの語り口が、妙に上手で、
色々な意味で、長時間にもかかわらず、
飽きないで受講できました。

これまで、断片的に、その事件ごとに集めた知識が、
一堂に会し、整理しなおされたので、
はじめて正確に理解できました。

特に興味深かったのは、
びまん性軸索損傷といって、
特に外傷が無くても、
脳内の神経がまばらに切断されてしまい、
致命的な症状になるということでした。

生存に必要な神経が絶たれてしまう
とのことでした。

自動車やバイクの安全装置が発達し、
頭蓋骨内の出血が減り、
その分、このような傷害が増えているようです。

そして、高次脳機能障害も、
現在では、fMRI等で、脳の活動の低下が
画像診断できるとのことで、
科学は進歩しているなあと感心しました。

実際に、高次脳機能障害の方の交通事故の
示談斡旋を担当したのですが、
不意に、些細なきっかけで、
制御不能という形で激昂され、
とまらなくなってしまったのです。

びっくりしてみていたら、
また急に我に返られて、静かになったのですが、
お気の毒なことに、
その発作的なご自分の状態をきちんとわかっていらっしゃるのです。
我に返った時に、
ご自分の態度を恥ずかしがるというか、
ショックを受けられたというか、
一番つらく思われているのです。

当時、高次脳機能障害という言葉も、
トピックになってきたばかりで、
保険会社も必ずしも理解があったわけではなかったのですが、
私もそうでしたが、
目の前のエピソードで、
強く納得させられました。

コンピューターなどを屈指した
知的創造をするお仕事をする方でしたが、
交通事故による高次脳機能障害のため、
記憶力が無くなったり、注意力が無くなったり、
感情的になりやすくなってしまったので、
集団的行動ができなくなってしまい、
仕事がかなり制限されてしまったようです。

そのような病気、症状があるということが
先ず、あっせんをする方になければ、
正しい被害救済ができないので、
医療セミナーで勉強させてもらうことは、
必要不可欠なことなのです。


この歳になると、勉強はなんでも楽しいけど
きちんとセッティングされて、的を得たテーマの話を聞けるので、
ありがたいです。
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