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国は、金融機関に住宅ローンの損金処理を認めて、積極的に債権放棄を誘導してほしい [民事・消費者]

昨日も午後いっぱい、仙台弁護士会の
無料電話相談を担当しました。

住宅ローンの相談が増えてきました。
津波で汚泥が入ってきて
使いものにならなくなったり、
地盤沈下で使用禁止になっている。
また、津波で流されたとか。

それでも住宅ローンだけは残るわけです。

新たな家を建てる場合は、
新たな家の住宅ローンと
前の全壊した家の住宅ローンと
二重に払っていかなければなりません。
家を二件建てたようなものです。

アパートに入る場合も
住宅ローンと賃料を払わなければなりません。

地元の仙台弁護士会の弁護士だと、
今まだ考えなくてよいのではないか、
今払わないからといってすぐにどうこうなりません。
もう少し落ち着いてから考えましょうと
アドバイスをすることが多いようです。

被災者は、避難所や身を寄せている親戚の家で
今、ぎりぎりの生活をしているのに、
借金のことで、不安が倍増してしまうようです。

心配なのは、
これからすむアパートの家賃を払わないで、
なくなった住宅の住宅ローンを払ってしまい、
家を追い出されるというようなことです。

一言で言って、
生活最優先です。
非常事態、有事の現在なのです。
生活を確立することを最優先でよいと思います。

このあたり、地元の弁護士は、
法律相談の要諦を押さえています。
特にみんなで打ち合わせをしたわけではありませんが、
多かれ少なかれ、他人事ではないからなのでしょう。

津波で住宅ローン残っている家が全壊した場合、
銀行など金融会社に、損金処理の選択肢を
国は認めるべきです。

即ち、津波での全壊が認められ、
銀行など金融機関の調査で、
合理的に考えて、
支払いの継続が困難だと認められた場合、
金融機関の判断で、貸し倒れ処理をすることを認め、
税金の軽減ができるという選択肢です。

現状では、債務者が破産して免責決定がでたり、
裁判をして執行して、執行不能とならなければ
貸し倒れ処理ができにくい状況です。
金融機関は、貸し倒れ処理ができないと、
いつまでも請求をし続けなければなりませんし、
無駄な裁判をしなければなりません。
時間とお金が膨大にかかり、
税金処理ができない期間が延々と続くわけです。

金融機関にとっても
どうせ住宅ローンを回収できないのに、
破産をしなければ損金処理できないことが
大変苦痛です。
大変費用がかかってしまいます。
損金処理をしたい場合も実際は多いのです。

東日本大震災で、家が全壊、大規模半壊した場合、
金融機関の判断で貸し倒れ処理ができるようになれば、
金融機関は貸付時に調査していますから、
倍の金額の返済が不可能であるか否か
容易に判断ができます。

あ、これは、債権があっても名前だけになるなと
実際は、請求の人件費、管理費、税金に見合う回収は
到底不可能だと判断した場合、
貸し倒れ処理をすることができる。
その処理をするためには、債権放棄が必要となる。

こうして金融機関にとっても、合理的な
債権放棄が可能になるわけです。

不正融資事件で
このような損金処理の道が立たれたわけですが、
東日本大震災に限って何とかならないでしょうかね。

実は、貸し倒れ処理による債権放棄は
借主だけでなく
貸主の利益にもなるのです。

新たに制度を創設するのではなく、
不正融資事件の前の処理を
東日本大震災の例に限って復活させるだけなので、
やろうと思えば、簡単な話だと思うのですけれどねえ


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