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超過復興のカギは、地元中小企業対策だと思うのだけれどメモ 参考兵庫県弁護士会の提言 [中小企業]

すいません、長文のツイッターです。

法律の世界では、
普通の人間のことを「自然人」と言い、
会社等を「法人」と言います。

自然人に関しても、
被災地において、健康で文化的な最低限度の生活
(憲法25条)を送ることができるか、
避難所や福島の状況を見ると、
国の責務が十分果たされているとは言えない状況ですが、
少しずつ、金銭の交付なども始まっています。

それに対して、手付かずだと思われるのが、
中小企業だと思うのです。
株式会社、有限会社等の法人もそうですが、
企業体としての個人事業主もそう思います。
(自然人としてではなくという意味です。)

要するに、貸付制度だけなんですよね。
利息なしなんて言うところもあるのですが、
相談に来られた事業主のお話しを聞くと、
個人的借り入れがある場合は、
融資してもらえないこともあるようなんです。

そんなこと言ったって、
普通の中小企業は、
借り入れがあるところが圧倒的に多いわけです。

日本政策金融公庫や地元の地銀ならまだいい方です。
個人的にサラ金で借りたり、
いわゆる商工ローンに手を出したりと
普通な感じです。

別に業績が悪くて借りているのではないのです。
業績が悪ければ、銀行や公庫は貸しません。

例えば工場を大きくしようとか、
いう時の資金を借り入れる
事業拡大型。
これは順調に行けばよいのですが、
何かアクシデントがあった場合、丸丸借金が増えるだけ。

多いのは、建設土木関連の公共事業型です。

すぐ報酬が入ればよいのですが、
半年待たされた挙句、
請求書や報告書の書き方が悪いと言われて、
お預けを食う。

下請や従業員の給料、
新たな現場の資材を購入しなければならないので、
結局手形を切ったり、短期借り入れを行う。

手形だって、簡単に落ちない、
高い割引料を取られる業者じゃなければ、
待たされてしまう。

利息の低いところは審査に時間がかかり、
1カ月以上審査されていることだって少なからずある。
簡単に貸すところは利息が高い。

この割引料の損失や
利息の支払いで、
徐々に黒字が減って行き、

なんか焦げ付きでもあれば、
さらに債務が増大していく。

なんか、中小企業は、
借金をさせられる仕組みができてしまっているのです。

これ以上借金できますよって言ったって、
返すあてもないわけです。

なんかいい制度ができないと
中小企業が復活できず、
従業員だった人の勤め先が無く、
銀行や金融も資金回収できず、
取引しようにも取引先もない。

八方ふさがりの状態になってしまいます。

なんか、革命的な
中小企業対策を立てるべきで、
震災の直接被害の大小に関わらない
一律な手立てと
特別な手立ての二本立ての必要が
あるように思われるのです。

残念ながら、全く思い浮かばない。

と、思っていたら、兵庫県弁護士会が
提言をまとめたとのニュースが入ってきました。

長文ですが引用しておきます。
大きなヒントになるように感じました。


(以下引用)

災害救助制度の改正及び運用改善に関する緊急提言

            兵庫県弁護士会 会 長  笹 野  哲 郎


第1 提言の趣旨

1 被災自治体が被災者に対する救助措置を積極的に行えるよう,災害救助
法第36条第3号に定める国庫の負担割合を「百分の百」と改正し,東日本
大震災に遡及適用すべきである。

2 同法第23条1項7号に基づき、生業再開に向けた現金・現物の支給を
行うべきである。

3 災害救助法の所管を,厚生労働省から内閣府に移し,運用基準の抜本的
見直しを早急に行い,東日本大震災に遡及適用すべきである。


第2 提言の理由

1 被災地の実情と災害救助法
 当会は,東日本大震災の避難所等に会員を派遣し,被災者に対する法律相
談を実施し、被災者が直面する数々の問題について生の声を聞いた。震災発
生後約1か月余が経過した現時点を,当会が経験した阪神淡路大震災におけ
る同時期と比較してみても,被災者のおかれている状況は極めて深刻である
と言わなければならない。例えば,津波被災地に広がる瓦礫の山が片付く目
途は立っておらず,避難所の生活環境は劣悪であり,震災発生後の関連死が
続き,被災者の健康障害も深刻化し,未だに応急仮設住宅をはじめとする生
活安定の見通しも立っていない。
 こうした瓦礫撤去,被災者の健康管理,避難所,応急仮設住宅といった災
害直後の応急措置は災害救助法に基づいて行われている。東日本大震災の被
害があまりに広域かつ甚大で,原発事故による複合被害も深刻である上,被
災者の救助の最前線に立つ基礎自治体(市区町村)自体が大きなダメージを
被り行政能力が低下していること等から,被災地自治体の現地対応に原因を
求めることはあまりにも酷であろう。むしろ,問題の本質は,災害救助法に
関する制度の仕組みそのもの、あるいは国による、その硬直的な運用にある
と言うべきである。被災者の生命健康は危機に瀕しており,避難所の改善と
応急仮設住宅等の提供は一刻の猶予もならない。
 そこで,当会は,早急な災害救助法の改正及び運用の改善を求めるべく,
この緊急提言に及んだ。

2 国庫負担率の引き上げ
 災害救助法は,被災者を救助の方法を広く定めるとともに(災害救助法第
23条1項各号 ,同施行令第8条 ),地方自治体に広範な権限を与え,本
来,被災地の現場に即して弾力的に運用することが可能な仕組みとなってお
り,被災者は同法によって手厚く保護されることとされている。同法が,有
効に活用されるならば,多くの生命が救われ,被災者の不安も相当改善され
るはずである。
 ところが,被災地の自治体は,厚生労働省が定めた災害救助法の運用基準
の範囲内で救助し,それを超える救助に躊躇する傾向が顕著であった。
 そもそも,厚生労働省の定めた基準は,国庫財政負担基準に過ぎず,救助
の必要があれば実施は可能である。にもかかわらず,災害現場で積極的な救
助に踏み切れずにいる原因は,災害救助法第36条 において国庫の負担基準
が定められ,一定の範囲を超えたときの負担率が[国:都道府県=9:1]
とされているところ,被災地の自治体がこの1割の負担に耐えられるかどう
かを懸念している点にある。国は,災害救助法の弾力的運用を求めているも
のの,自治体の財政負担についての手当がないことから,被災地現場におけ
る実施状況は改善しないのである。
 そこで,災害救助法第36条第3号に定める国庫の負担割合を端的に「百
分の百」と改正し,東日本大震災に遡及適用すべきである。

3 生業を持つ事業者への現金・現物の給付
 被災地で聞かれた悲痛な叫びとして,生業に対する支援が全くないという
声が多かった。高齢ないし経済的基盤が脆弱な事業者(農漁業者,その関連
事業者など)は,新たな借入れをする気力も体力も失われており,生業の再
興にあたって,最も有効で最優先で必要なのは,生業再開に向けた現金・現
物の支給である。
 この点,災害救助法第23条1項7号は「生業に必要な資金,器具又は資
料の給与又は貸与」を救助の一種としている。また,同2項は「救助は,都
道府県知事が必要があると認めた場合においては,前項の規定にかかわらず,
救助を要する者(略)に対し,金銭を支給してこれをなすことができる。」
としている。しかるに,これらの規定は,各種貸付制度が充実していること
等を理由に,適用が停止されている。
 被災地の実情を直視し,被災者の生の声に耳を傾ければ,これら規定の適
用は必然と言うべきであり,直ちに同条項に基づき,生業の再起に向けた現
金・現物の支給を行うべきである。

4 所管の変更
 災害救助法は,厚生労働省の所管とされている。この所管は,救助の種類
に,生活必需品等の供給,医療・助産等が含まれていること等から,一定の
合理性があるとされてきた。
 しかし,�救助の内容は,仮設住宅の供与や住宅の応急修理,被災者の救
出,がれき撤去など,本来厚生労働省の所管になじまない事項も多いこと,
�災害対応の中核部分については内閣府が一元的に所管していること,�救
助から復旧・復興までの一連の流れは連続性があるため,基本的に所管も一
貫させるのが合理的であること,�災害直後の緊急対応については柔軟な現
場対応が必須であるところ災害救助の実務上一般基準を超える特別基準につ
いては厚生労働大臣との協議を必要とするなど救助の現場に即しない運用が
なされていること,�住宅の応急修理等に収入制限が設けられるなど救貧措
置との混同と見受ける不合理な運用があること,�通知,通達による運用基
準が相当数あるが,現状に即していないものが多いため,基準を迅速に改め
るには,所管替えをして、これを一から見直した方が迅速であること,�省
庁横断的な調整が必要であり,それに適した省庁である内閣府が所管すべき
であること,�内閣府が所管する被災者生活再建支援制度との連携が必要で
あること,などの事情があり,厚生労働省が所管するのは必ずしも適当とは
言えない。
 そこで,災害救助法の所管を,厚生労働省から内閣府に移し,これまでの
運用基準の抜本的見直しを早急に行い,東日本大震災に遡及適用すべきであ
る。
                      以     上



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