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人を尊重しなくなってしまうタイミングについて 「時間がない」 過労死防止の周辺検討 [労災事件]

ブラック企業みたいなところだけが過労死職場ではありません。
悪意がなかったとしても、人は傷ついて、疲労することがあります。

では、どういう場合、
つい、相手を尊重しないということになるのでしょう。

自分でも気をつけなければならないなと思うのは、
時間がない場合、急いでいる場合です。

その人が悪いわけではないのに、
時間がないので、イライラすることがありますね。
普通の仕草、作業なのに、
なんでてきぱきやらないのだろうと
わざとゆっくりやっているのではないかと
疑心暗鬼になってしまいます。

例えばこんなことがありました。

裁判の始まる時間が迫っているのに、
エレベーターがなかなか来ない。
やっと来たと思ったら、
ほとんど各階にとまる。
ドアが開いたのになかなか入ってこない。
入りかけて、また出て上りか下りか確認したりしている。
つい、開のボタンをおしてあげたり、
上りですよと言ってあげる心の余裕がなく、
その人はドアに挟まれる。
挟まれた人から、「申し訳ありません」
なっていわれると、
ああ俺は何やってんだろうなんて落ち込んでしまう。

時間がないので、急いで飲み物だけでも買おうと思って
コンビニに入る。
前の人が、商品をしまい、お金をしまいしているのを
イライラ見ている。
次の人が、荷物を預けようと伝票の記載が始まると
もう爆発寸前になる。

私だけかもしれないけれど、
時間がないと、相手に対する
思いやりの気持ちがなくなるような気がします。
だから、時間があるときに
人に親切にできると嬉しくなります。

もっと時間に余裕を持って行動できれば良いのですが、
必ずしも、心がけだけではうまくいかないことがあります。
誰かから、突然用事が舞い込んできたり、
そもそもやるべきことが多すぎたり、
時間がなくなることはあるものです。

慢性的に人員不足の職場では、
日常的に、こういう状態なのでしょう。

仕事の納期や決算期を気にしている上司は、
部下の仕事ぶりが、いつもと同じでも
いつもよりものろのろやっているように
見えてしまうのかもしれません。

営業の担当者は、
取引先から用事を言われて、
無理な納期を指定されて焦って、
他の部署の同僚に、
早く仕事を仕上げるように急かしたり、
段取りを狂わせても
自分の取引先を優先するように
無理を言うでしょう。

まだまだいろいろあると思います。

ただ、この時間がないから焦るというのは
本来は個人差があるようで、
裁判に平気で遅れてくる弁護士もいますし、
会議や飲み会に、時間を過ぎてからでなければ来ない人もいます。
先に始めていると怒ったりして・・・。
やるべきことがあっても、
時間だからといって帰る人もいます。

そうすると、性格的に損をする人が、
自分がやらなければならないと言って、
その人の分まで働いたりしてしまいます。
ところが、評価は先に帰った人と一緒
なんていう不合理もあります。
過労死を起こしやすいひとつのパターンです。

でも、現代では、
そんな性格の違いも無視されるようになってきたみたいです。
みんながみんな、時間に追い立てられているような
そんな気がします。
無理に損な性格に育てられているというのでしょうか。

でもちょっと待ってください。

その時間は、本当に守らなければならないのでしょうか。

その突然の用事は、本当に受けなければならないのでしょうか。


本当に、自分や家族の時間を犠牲にして、
やらなければならないことなのでしょうか。


時間がなければ、同僚や関わる人をないがしろにするだけでなく、
仕事の質も低下します。

管理職は、尻をたたいて粗製濫造を要求するのではなく、
部下の必要な時間を確保して、
クオリティの高い仕事をさせる
という重大な職務があるのではないでしょうか。

出来ない仕事は断る。
無理を続けない。
だめなものはだめとさらに上の上司や、他のセクション、
取引先に毅然と言い放つことが重要な仕事ではないでしょうか。

会社経営者は、
そのように管理職を指導するべきです。
会社の理念を伝達するということです。

時間が余ってサボっていることを憂うのではなく、
時間が足りなくて、商品やサービスの
質が低下することを恐れるべきです。
時間が足りなくなって、同僚や部下を
人間扱いできなくなることを恐るべきです。

おそらく、ウエルチの労務管理に毒されている人たちは
そんな甘いことを言ったら仕事にならないというでしょう。

ここで問題にしているのはウェルチそのものではなく、
ウェルチ流の労務管理をするコンサルタントの妄言です。

彼らは、仕事の成果を、比較的短期的に示すために、
長期的に企業を存続させるという視野をあえて捨てて、
基準日までに成果を上げることを第一に考えます。
時間、期限を、人為的に設定するのです。
それは、御社の長期的な発展ではなく、
彼らの成果を示すためです。

数字で成果が上がらないと
その労務管理、経営方針の善し悪しがわからない
経営に不向きな経営者たちのためです。

そして、無理な時間管理がなされれば、
短期的に見て、業績が上がったように見えるわけです。

しかし、会社は、数年持てば良いというわけではありません。
無理は長続きしないのです。
機械でもそうなんですから
人間ならなおさらです。

もっとも、これは会社だけでなく、
取引相手も、
「やっぱ無理か、少し考えるわ」
と言わなければならない風潮を
社会で構築していかなければなりません。

「できないなら、取引打ち切る。よそにあたる。」
ということが、不道徳であり、やるべきではない
という社会通念を育てていく必要があるわけです。

まず、国や自治体が
無理な発注をしていないか点検するところから
はじめる必要がありますね。
労賃も3ヶ月先にならないと支払わない
なんて発注は改めなければなりません。

無駄な書類作成、書き直しを要求していないか
費用対効果の観点から検討していただきたいです。
書式にこだわるなら、その意味を説明するべきです。

国家や自治体も
ウェルチ流のコンサルタントに毒されて、
短期的な数字目標をたてていては、
過労死が蔓延してくのもむしろ当然かもしれません。











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