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心の対策にどこまで証明は必要か。「うつ病の早期発見早期治療」が自死予防につながったというデータはあるのか。 [自死(自殺)・不明死、葛藤]

対人関係学にはエビデンスと呼ばれるものが乏しいのです。
それは認めます。
客観的に知識を習得しようというだけの人が聞けば、
客観性に乏しいのではないかと
批判を受けることも頷ける話です。

負け惜しみになりますが、
対人関係の問題をなんとかしようと思っている当事者
当事者を支援したいと思っている現場の人たちには、
わかりやすいとお褒めをいただくこともあるのです。

おそらくその方々に、
講演などで、統計的なエビデンスを提示して
私の言っていることは正しいでしょうという時間をとることは
無駄なことだと思います。

それでも、立場の違う方々に
考え直していただくような場合は
何らかの裏付けは必要になるだろうなということは
重々承知もしております。

対人関係学は、ひとつの重要な目的が自死予防です。
一つの大きな提案として、
現代増加している自死の要因は、
職場、学校、家庭など対人関係における
心理的圧迫にある。

人が人を追い込む対人関係から
人と人が助け合い気遣い合う対人関係への転換を
主張させていただいています。

人と人とが助け合い、気遣いあったら
自死は減少するのか、そのようなデータはあるのか
と尋ねられると困ってしまうわけです。

でも
では、現在の主流になっている
うつ病の早期発見早期治療という日本の自死予防政策が
自死予防に有効だというデータは日本にあるのでしょうか。

この政策の先行実施地域である
富士市、長崎市がモデルとされていました。
2週間の睡眠不足で投薬治療を受けましょうというものでした。

富士市、長崎市の自死統計はどうなっているのでしょう。
「早期発見早期治療」の政策が転換されたという話は聞きません。
であるならば、
富士市、長崎市の自死統計を発表して
これだけ効果があるのだから
どんどんやりましょうという宣伝がされるはずですが
それもありません。

かえって
第106回日本精神神経学会総会シンポジウムの中で
「産業医からみて精神科医療の疫学的検討と処方箋」
櫻澤博文先生は、富士モデルが
自死者数をむしろ増加させていると指摘しています。

国は、これに対して、徹底的に反論しなければなりません。
自死予防を目的に、「うつ病の早期発見早期治療」を政策として
実行していて、
かえって自死者数が増加しているならば
直ちに中断するか、問題点を修正する必要があるわけです。

対人関係学は、
客観的な裏付けがないかもしれませんが
副作用はないのです。
むしろ、予期せぬプラス効果もあるはずです。

早期発見早期治療をこのままの状態で継続することは
副作用どころか逆効果があるのです。

また、統計的な裏付けといっても
結構怪しいものもあります。
一般人向けに、難しい統計学の知識を要する統計資料を見せて
「ね。そうでしょう。」といっても
思考停止になってしまい、ああそうなんだなと
よく統計の中身も見ないで
全く異なる結論を誘導されることもあります。

出席者が、話に感動することと
話によって何らかの効果が出ることは話が別なのに
アンケート調査を示して
主観と客観をすり替えたり、

前提事実が異なるのに
似たような用語が使われれていることを利用したり、
統計があれば良いってものでもありません。

調査されるべき調査が行われていないだけなのに
調査結果がないから、そういうことは起きないという論評もあります。

数字ではなく、とりあえず、副作用がないならば
多くの人たちの議論にあげて
そうやって心の底から納得のゆく
心の政策を決めてもらいたいと思っています。



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