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特攻隊員を賛美するか否定するかという議論の立て方自体が平和ボケ。3.11の公務員こそ賛美されるべき。 [労災事件]


今日は、終戦の日です。
高峰秀子さんのお話で、
終戦の日の後、
特攻隊員が、
敵もいないのに大量に飛び立っていったと
目撃談を語られていました。
特攻機は帰られないようにできているので、
終戦の後、死ぬために飛びだった
多くの若者たちがいたということになります。

特攻隊を賛美するのか、
否定するのか
という議論があるようです。

前に言いましたが、
この議論の立て方自体が
平和ボケとしか言いようのない
ばかげたものであると思います。

大戦末期、
多くの若者が、
自分の命を捨てることでしか
自分の家族や、国を守ろうとする手段がないとまで
追い込まれたということが問題なのです。

もちろん、特攻隊員は、
特高のために生まれてきたわけではありません。
しかし、自分の将来や
目標を持つことすら許されない時代に、
自分が、家族や社会のためにできることとしては
特攻隊員になることしか思い浮かばなかった時代なのです。

当時の若者と対話をしたことがある人なら、
普通の男性がどのように考えていたか
よくわかることだと思います。
特攻隊員になるということは
決して特別のことではないことがわかると思います。

普通の若者が、
そのように、狭い選択肢に追い込まれたこと自体が
問題なのです。

否定されるべき心情ではないことも当然でありますが、
賛美することも滑稽なことです。

その当時の支配的な考え方を理解しない、
現代の世の中での、他人事の評価にしかなりません。
こういうことを平和ボケというべきだと思います。

どうしてそのような心情になったのかについて理解し、
共感し、同情し、
このような時代にしてはいけないということこそ
特攻隊員にささげるべき誠だと思います。

ところで、それでも特攻隊を賛美したり、
「戦争が嫌だ」ということを利己的だと非難するのもいます。
平和ボケもいいところです。

現在、まさに選択肢が多様にあるところ、
どの選択肢が国を発展させるものか、
国民の安全を維持するものかを
真剣に考えるべき時期であることは間違いないでしょう。

戦前、滅私奉公によって、国にストップがかからなくなり、
国を滅ぼしかけたことを
100年もたたないで忘れてしまうのは
日本という国、国民を冒涜するものです。

戦争だけは嫌だということは、
きわめて有力な選択肢となってしかるべきです。
少なくとも、非難したり嘲笑したりすることではない。


さて、それでも特攻隊員を賛美する人たちは、
冒頭申し上げた、
終戦後に海に向かって死にに行った若者たちを
賛美するのでしょうか。
否定するのでしょうか。

私のスタンスでは、
敵艦に向かって行った特攻隊員も
途中で失敗した特攻隊員も
終戦後出発した特攻隊員も
すべて共感と同情をするべきだと考えます。
そのように追い込まれたことについては
全く変わりがないからです。

もう一つ、
3・11の大津波の中、
自分が死ぬことを分かっていながら、
住民たちの避難誘導のために
持ち場を離れなかった公務員について
どのような意思表示をしているのでしょう。

宮城県南三陸町の職員は、
全く無防備な海岸線からほど近い防災対策庁舎で
津波に襲われる直前まで、
交代して避難誘導を呼びかけていました。

仙台市若林区の職員は
地震発生後30分してから
海辺の集落まで、住民たちの避難誘導のために
安全な区役所から自動車で出かけました。

海辺の街で、津波にもひるまずに
警察官の方々が
流されるまで避難誘導を続けました。

「庁舎が流されたらごめんなさい」
と家族にメールを出していた職員もいます。

前々日の大地震の時に
津波が来たら帰れないかもしれない、
そうなったら言えないから
今、ありがとうといっておくね
と母に言い遺していた職員もいます。

警察官は、同僚の殉死に対して
「家族には言えないけれど、
彼は本望だったと思う。
警察官ならみんなそういう気持ちなんですよ。」
と教えていただきました。

それでも、
地方公務員災害補償基金は、
死をかけて職務を全うした公務員たちに
当初は、「善意で死んだんだ」ということで
殉職であることを認めなかったのです。

特高を賛美する人たちは、
どうして、特殊公務災害でなくなった
公務員の人たちこそ賛美しないのでしょう。
武器を持っていないからでしょうか。

地方公務員災害補償基金に対して
意見表明しないのでしょう。
全く聞いたことがありません。

さらに
死なないまでも、
1か月以上
自分の健康や家族のことを顧みないで
住民のために不眠不休で働いた
地方公務員をどうして絶賛しないのでしょう。


私は絶賛する。
彼らは、逃げようと思えば逃げられたのです。
しかし
自分が死ぬことを分かっていても
その場にとどまったのです。

3.11で殉職した公務員
その後の被災者の対応をし続けた公務員
この方々を絶賛しないで
特攻隊員ばかりを賛美する人たちは
純粋に賛美しているのではなく
何か、特別の意図があるとしか
考えることはできません。


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