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仙台中一自殺「転校」事件を理由に教師に新たな書類作成を命じることは、むしろいじめ自死の容認だと警告します。 [自死(自殺)・不明死、葛藤]

昨年、仙台市立中学校一年生が自死した件で、
8月22日土曜日臨時校長会が開催されたようです。
これに対して、大変危惧しています。
いじめ自死を防げなかった理由が何で、
どのような対応をとるのか不明だからです。

組織的対応を等ということが言われていたようですが、
百も承知の組織的対応が
なぜできなかったのかまで分析できていたのでしょうか。

私は、教師の多忙が根本的には問題であり、
いじめの過酷や、自死に至る影響の深刻化を防ぐためには、
具体的に教師の仕事を減らすしかないと
指摘させていただきました。

http://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2015-08-22

もし、そこまで分析できずに
「組織的対応をすること」としか決められないとすると
現場に戻った校長が、
新たな報告書を教師に作成させる支持をするのではないかと
大変心配なのです。
それでは、新たな多忙が積み重なるだけで、
ますます多くのいじめが見過ごされるということになります。

教師が忙しいのは、
既に社会常識になっています。
忙しい学校現場は、
学校平均の教師の時間外労働が
月80時間を超えているところもあるようです。

一人の先生ではなく
学校全体でそうだというのです。
特に忙しい先生は100時間を優に超えているのでしょう。

原因は、雑用と部活動のようです。
雑用の中で特に指摘されているのが、
市町村議会に対する報告のための資料や報告書のようです。
これが結構膨大にあるようです。
現場の実情を無視して報告が求められていると思いだます。

その他は部活動です。
夜遅くまで部活動を行い、
それから、雑用(集金だったり、配布物の整理だったり
出席簿だったり)をこなし
ようやく帰途につくわけです。

教師の子どもは、
どうやって夕食を済ませているか
想像していただければ幸いです。

また、土曜日も日曜日も部活動があるところはあります。
数年前、私と同い歳の教師から事情を聞いたら、
家族での旅行は、進行旅行ともう一回しかなかった
と話していました。

もちろん中学は、すべての授業時間授業があるわけではありませんが、
クラス担任があれば、
生活指導もあり、
保護者との連絡も取りあっているわけです。
これに生徒会の顧問なんてあったら
目が回って不思議ではありません。

当然、綿密な授業の準備なんて
毎回できるわけではないのです。

100時間働くということはどういうこと
http://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2014-11-10

教師は追い込まれていることになります。
報告書を作成しなければならない
計画書を作成しなければならない
集金をしなければならない
学級だよりをと
やることが多くなれば、
やらなくても叱責されないことはしなくなります。
数字に反映しないことはやらなくなります。

面倒なことはなかったことにしたくなります。
これは人間の生理から当然のことなのです。

この結果
生徒間で問題が起きても
大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせるしかできなくなるでしょう
他の学級の援助なんてとんでもないことです。
一人一人の生徒の人格的向上なんて
いつまでも終わりのないことに取り組めなくて当然です。

忙しくなければ
それをやらないことを非難しても良いかもしれませんが、
人間ができることではありません。

だから、冷酷なからかい、いじめがあっても
コミュニケーションであってほしいという願望から
そうだと思いこんで問題が生じないことを祈るだけです。

いじめの芽が摘み取られるなんてことを期待するのは
ムシのいい話です。

生徒は、
このような教師の働き方を見て、
過重労働を体験し、抵抗力をなくしていきます。
過労死の予備軍を育てているようなものです。
集団的自衛権が行使されなくても
教え子は過労死するのです。

また、それは、家族が一緒にいる時間が少なく、
家族旅行に言った話も聞けなければ、
結婚後の家庭像なんてものも聞く機会もなくなるでしょう。
先生のお宅にお邪魔したりなんてことは
今の世の中気がくるっているとしか言われないでしょう。

http://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2014-06-18

いじめを調査していた専門員会は、
教師の多忙をきちんと指摘しています。

しかし、指摘していながら
再発防止策について
教師の多忙の解消に言及していません。

今、教師は、また、新たな報告書の作成を命じられ
ますます子どもから遠ざけられるのではないかと
心配しているわけです。

教師は、本件の話が話題に出るだけで、
自分が責められるのだろうという対応をします。
追い詰められているので不安を感じやすくなっています。

仕事を減らすことを提案していこうといっても
そのための書類作成が念頭におかれているようです。
悪く悪く考えているようです。

良心ややる気を持っているために
できないことに罪悪感を感じていらっしゃるようです。
すべての対策を絵に描いた餅と受け止め
きれいごとといって検討もできないようです。

少しずつ改善するという発想に立てず、
すぐに結果が出るようなマニュアルを求めています。

すべては追い詰められている人の
当然の心理状態です。

でも、
少しずつでも前を向かなければ
子どもたちは過労死し、
人間を大事にしないことが当たり前になり、
家族が崩壊していき
日本は荒廃していきます。

まず、学校の先生方の実態を
現場からも
市民に向けて発信していただきたい。

教職員組合におかれては、
自分たちだけで集会をするのではなく、
弁護士会や医師会、司法書士会など
こころある団体との共催で
市民に向けて情報発信をするよう
ぜひお願いしたい。

市民に、現状を伝えていただきたい。

校長先生や教育委員会におかれては
これ以上、現場の教師に負担を指示しないでほしい。
解決能力のない議会の介入はきっぱり断り、
あるいはご自分で報告書を作成していただきたい。

市議会は、現場に負担をかける調査を要求せず、
他人任せにしていないで
実際に自分で学校に赴いて、
一日先生を観察してほしい。
つまらないことで迷惑をかけないでほしい。

部活動は、土日は禁止にするべきです。
水曜日など平日も一日休みにするべきです。
個人練習を重視するなど工夫をするべきです。

そしてマスコミに強く言いたい
学校を責める前に、人間ができることを要求していただきたい。

また、先生を責めたところで
なにも、子どもたちの状況が良くならないということ、
互いに責めあうことは、
一番解決から遠ざかります。

学校と父兄、市民が
子どもの健全な成長という共通の目的のために
助け合い、協力し合って
良い方法を見つけなければならないのです。

あおるようなことはぜひやめていただきたい。

冷酷ないじめを無くし、
子どもの学業を向上させ、
さらに、将来過労死する要素を排除し、
家庭円満のサンプルを獲得する。
そのためには、
教師の仕事少なくするということです。

本件を理由に報告書の作成など
新たな義務を、ただ重ねることは
何が何でもやめていただきたい。
切実にそう思いますし、
もし、新たな報告書の作成を
他の職務免除なしに敢行し、
そのあとでいじめや自死があった場合には、

教師の多忙を増加させたことと
いじめ、自死との間には因果関係があり、
予見可能性あったことになるでしょう。
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