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医療のように、対人関係の修復を行う、実務的研究分野を開拓したい。 [事務所生活]

先日、スーパードクターというテレビ番組を観ました。
それを観てぼんやりと考えたのですが、
身体、生命の危険に対して、
人は、お金を出して、対処をするわけですが、
そのために、医学という学問を発達させてきました。

しかし、
対人関係の危険に対しては、
それをどう修復したり、予防したりするか
ということについての
学問を発達させてこなかったのではないかと
感じました。

医学や治療は、
それがなければ、死んでしまったり、
痛みや苦しみが続くので、
優先されて当然だという
ご意見は予想されるところです。

それはそうかもしれません。

しかし、対人関係の問題は、
痛みや苦しみが続かないというものでしょうか。

例えば離婚についての影響は、
30年たっても葛藤が鎮まらなかったり
子どもたちに対して負の影響が与えられるということは、
ウォーラースタインの30年の追跡調査でも
ほぼ例外がありませんでしたし、
私自身20年前の離婚で生活に影響が出ている人を
目の当たりにした経験があります。

学校のいじめの問題で
30年たっても、社会生活を送れない人たちもいます。

職場の過重労働でも
職場を離脱して何年にもなるのに、
いまだに上司からのメールが来るのではないかと
おびえている人たちがいます。

そして、多くの人たちが
自死の危険に直面しています。

苦しみや辛さ、命の危険もあることは
むしろ身体生命の危険以上の場合もあるでしょう。

「それはそうかもしれないけれど、
 精神医学や心理学があるのではないか」
というご指摘も予想されます。

しかし、これらの学問は、
本人の精神や、思考に働きかけて
物事を解決しようとするアプローチです。
中には、優れた方もいらっしゃるでしょうが、
医学として、会社の仕組みだったり、
上司と部下の人間関係だったり、
そういうことを理解しようとしているのか、
私には、不勉強でわかりません。

いきおい、本人が苦しむのは本人に原因がある
(人格の未熟さだ)とか
本人の人格障害だ、統合失調症だと
診断名を付ける事例をよく見ています。

逆に、相手方を呼びつけて、
本人の話を元に説教して、
相手方を傷つけて、本人との仲が悪くなり、
ますます混迷を深めている事例も見ています。

中には、心理学の中で家族療法のアプローチから、
家族ということの在り方を改善していく方法があり
注目しているところです。
この研究グループの
心理士さんは、職場の問題も改善された実績があり、
目が離せないところがあります。

専門的に、意識的に
対人関係の在り方を研究する
ということは、なかなか無いようです。

弁護士や法律も、
予防法務という観点が浸透しておらず、
事後的に相手を攻撃するという手法が
近年ますます増加しているような危惧もあります。

法律や裁判所は、無いにこしたことがない
使わないに越したことがない
という意識は薄れてきているようです。

身体の治療と同じように、
「対人関係の不具合を改善する」
対人関係調整、ないし修復
という観点から、
新しい実務的な研究分野を
開拓していくことが
求められていると私は思います。

病気にならなければよいというものではないように、
死ななければ良いというものでもないように、

前向きに、生きてきてよかったと思えるための
実務的研究を行いたいと考えている次第です。


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