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従業員のモチベーションをあげる方法 パワハラ型労務管理から学ぶ [進化心理学、生理学、対人関係学]

前々回お約束していたお題です。

案外簡単だけれど、
現在の企業の常識に反するため
なかなか実行しようという気が起きない盲点かもしれません。

ブラック企業やパワハラ現場では
どんどん士気が下がり、
従業員は叱責を恐れて言われたことしかしなくなります。
あれもこれも叱責ならば
度の叱責を選ぶことが一番つらくないかという発想になり、
ごまかすこと、こっそり手を抜くことが上手になり、
他人の足を引っ張って自分を守るなんてことにも
抵抗がなくるわけです。

1+1が2に達しない状態ですから、
当然生産性は落ちていきます。
それを補うために労働は過重になって行くという
典型的な悪循環が生まれているわけです。

このような職場は、
従業員には、いつまでも一緒に仕事をする仲間だとは見ていません。
消耗したら交換しようという行動になっているわけです。
当然従業員達も、
自分が仲間として尊重されていない
ということに気が付いています。


会社は、自分を守らないとわかっているのだから
会社のために頑張ろうという気持ちなど
どこからも出てくるわけがありません。
これは理性的な結論ではなく、
人間の本能による思考、行動傾向ですから
どんなに利益誘導しても失敗する確率が高くなります。

また、
会社が自分を守らないという観念は
居心地が悪くなります。
会社にいることに不安を感じてきます。
危険を感じているのです。

野犬のいると知らされたエリアをさまよっているようなもので、
危険に敏感になり、
常に逃げる準備をしています。
交感神経が活性化されて生理的な反応が生じている上
複雑な思考ができなくなります。

複雑な思考とは
少し離れた将来の予測
因果関係の把握
数字に寄らない形而上学的な思考
他人の感情の推測です。
単純ミスも起きやすくなりますので、
およそ仕事にはなりません。

マニュアルをこなしたり、
言われたことを忠実にやったり
つまり機転が利かなくなりますから
およそ仕事にはならないでしょう。

これが1+1が2以下になる原因にもなっています。

これの逆をすれば従業員のモチベーションは上がり、
会社のために
という発想が生まれてくるわけです。

つまり、
会社は自分の所属するべき群れだ、
「私たち」と自然に考えることができる状態にすることです。

従業員を尊重すること
仲間として扱うこと
これをすればよいわけです。
どうすればよいか。

人間は、他の動物と違って、
群れに帰属しようとする本能があります。
自分が所属していると思っている群れのなかで
所属に障害を感じると不安になります。
これが、居心地の悪くなる危険の正体です。

帰属に不安がある場合は
群れに協調しようという圧がかかります。
同じ服を着たり、似たような髪型をしたりと
個性を殺そうとします。
実際は、人間は人間であると同時に動物ですから
個性を殺すことに苦しさがあります。
自分のことは自分で決めたいというところが動物としての基本です。

ここからの結論として、
居心地の良い職場というのは、
自分の帰属が承認されている職場ということになるでしょう。

帰属の障害事由であると考えてしまう事由があっても
帰属の障害にならないという経験の積み重ねが
帰属の承認につながるわけです。

先ず個性、つまり他人との違いがあっても
帰属の障害事由にならないということを感じさせることです。
個性を承認すること、一人一人として尊重することです。

最低限名前を覚える
様々な職務遂行上必要な属性を把握する
ここで障害になるのが個人情報ですが、
履歴書などで提供された情報は把握しましょう
また、上司でなければわからない情報は
他の同僚の前では決して口外しないという姿勢を明らかにしましょう。

経験スキルを把握し、適切な人員配置をする
苦手だけど必要なスキルアップは慎重に求める
結果を求めるならば、結果に至る道筋を提案すること

スキルアップが必須でないのならば
特異の分野をやらせて、活かし、
苦手はカバーすることが良いわけです。

個性以外の帰属の障害事由が
欠点、不十分点、失敗です。
これが出て来たらモチベーションアップのチャンスです。

決して感情的にならない
失敗に対しては、対策を細部まで構築する
失敗の大きさを示す方法は
叱責ではなく、
対策の徹底です。
対策をたてなければならない、真剣に立てなければならない
程重大な失敗だということで示すわけです。

そしてその失敗を個人責任としないで
上司の徹底的な指導という形で
連帯責任とする。

指導の上で、主体の能力修正が図られれば
挽回のチャンスを与える。

例えば行為方法で仲間として尊重されている職場
ということが実感できるわけです。

また、特定の個人だけそういうことをするのではなく、
誰かが失敗しても尊重されていることを見るだけでも
自分の職場という誇りを持つようになります。

失敗を恐れなくなるし、
マニュアルの内容ではなく
なぜそういう行動をするべきかということまで
考えが及ぶのですから
機転も効くようになるわけです。

叱責されている人がいる職場から
助け合い、皆で一体となって仕事に当たっている職場に
転換することはそんなに難しいことではありません。





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