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10代前半の少女が身内に強姦されたと嘘を言う理由 それが片親疎外だ [家事]


今日(31年1月8日)、大阪地方裁判所で、
無実にもかかわらず、
娘を強姦したという汚名を着せられ
懲役12年の刑を宣告され、
実際に3年半刑務所に入れられ
平成27年に無罪判決を得た男性が
検察官や裁判官を訴えた国家賠償請求訴訟で
男性側の請求が棄却された。

詳細が分からないので、この裁判については様子を見る。

私が言いたいのは地裁、高裁、最高裁の誤審が
なぜ起きたのかということについてである。

男性は当時65歳
被害を訴えた女性は14歳。
男性は母親の再婚相手である。

裁判所は、ほとんどこれだけの理由で
男性を強姦犯人と認定した。

判決中に、理由として
「実際に起きてもいないのに
14歳の少女が強姦されたというわけがない」
という趣旨のことが記載されていたそうである。

しかし、実際は、10代前半の少女は、
されてもいない性的虐待を
されたという理由があり、
この事件だけではなく嘘をついている。

私が担当した事件でも
長期間にわたって実の父親が性的虐待をしていた
という主張を母親がして、
父親は別件で逮捕勾留されたにもかかわらず、
報道ではさも実の娘に性的虐待をしていたかのような
印象を受ける記事が流された。
実名報道だったので、
少女も転校を余儀なくされた。
また父親の職場の建物までテレビで流された。

さらには民事系の裁判まで起こされた

幸いにして、逮捕の前日に
夫婦の問題で相談に見えられていたので、
直ちに弁護活動に入ることができたため
性犯罪は立件さえされなかった。

母親の裁判上の請求も棄却された。
つまり性的虐待は存在しなかったと
裁判所では判断された。

内部記録を見ると
どうやら少女は、警察の段階では
一度は性的虐待があったと言ったようである。
立件さえされなかったので、
記録を見ることはできなかったが、
間接的にうかがい知ることができた。

つまり、少女は嘘をついたのである。

なぜ少女は嘘をついたのか。

裁判の決定書では、
性的虐待は母親の妄想だとした。

なぜ母親は自分の娘が夫におかされていると
妄想を抱いたのか
そしてそれを娘に語らせたのか
これが問題である。

私の担当した例は、
母親が精神的に問題を抱えていた。

母親の作成した文書からは
母親が娘の第二次成長期に対して
憎悪を抱いていたことが読み取れた。
背景としては、
自分の漠然とした不安の原因を夫に求めて
夫を攻撃することで不安を解消する傾向があった。

不安とは対人関係的不安である。
自分が仲間から外されるのではないか
ということを無意識に感じていたのだと思う。

娘の成長という現実と
漠然とした不安の原因が夫にあるという決めつけ
そして自分が孤立するのではないか
つまり、夫と娘が、自分を排除するのではないかという無意識が
夫が娘を女性として扱っているという妄想を引き起こしたのだろう。
とてもわかりやすいと思う。

母親が妄想を抱いて
それを娘に語らせようとすることは説明がつくとして、
ではなぜ、娘が
ありもしない性的被害を語るのか。
ここが問題である。

私は、端的に言えば片親疎外の極端な例であると考えている。

片親疎外については
片親疎外の原理と面会交流ないし共同養育の論理 離婚後も「両親」というユニットであることの意味
https://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2018-07-25

今回の事件の再審無罪判決でも
元少女は
母親から何度も「やられたやろう」と問い詰められ、虚偽の強姦被害を告白したと説明したことが信用性があるとされている。

今回の事件の母親が、
意図的に少女に偽証させたのか
精神的問題から妄想を抱き、結果として押し付けたのか
それは不明である。

しかし、まだ母親に精神的にも生活面でも依存しなければならない
10代前半の子どもたちは、
母親から何度も言われてしまえば、
それを言わないことはできないことがある。

実の母親が、苦しみを絞り出すように
あるいは自分に対して憎悪に満ちて
これこれこういうことをされたのだなということを
繰り返し繰り返し言われると、
それを否定することができなくなる。

母親を救わなければならないという意識や
母親から嫌われたくないという意識、
嫌われてはいけないという無意識が
母親がこういうことがあったと言ってほしいのだ
という意識を形成してしまい
母親の期待を裏切ることができなくなってしまうようだ。

この時、
目の前に父親がいないことが
幼い子どもにとっては
父親に対する裏切りを意識させない大きな理由になるようだ。

母親に迎合することで精一杯であり、
父親に対する配慮をする精神的余裕がないのである。

かくして少女は、嘘を言う理由、必然性をもって
ありもしない性的虐待を語りだす。

但し、ここで一番傷ついているのは
嘘を言って父親や家族を
無実の罪に陥れた少女自身である。

今回の事件では、
母親と離別したこともあり、
自分がうその証言をしたと
少女自らが捜査機関などに告げたらしい。

無実の人を刑務所に入れた
取り返しのつかないことをした
という葛藤が続いていたものと思われる。
それは大変恐ろしい日々だったと思う。

私の担当した事件では、
一度警察で話をした後では
一切虚偽事実を言おうとしなかった。

母親こそが
実の父親のありもしない性的虐待を
子どもに言わせたという
精神的虐待を与えていたのである。
これは性的虐待でもある。

子どもは大変苦しんだろうと思う。
その後、裁判などで
母親から再び証言をするように迫られたのだと思うが、
少女はこれを拒否したのだろうと思う。

いずれにしても父親を陥れても
母親の思いを実現してしまう
これが片親疎外のメカニズムであり、
片親疎外を受けた子供の苦しみである。
二人の少女は、片親疎外から脱却することができた。

もし、片親疎外から脱却できない場合は、

少女はその後も父親からの性的虐待を主張し、
記憶もいずれ性的虐待があったように改変される可能性がある。
そうすると、
自分は性的倒錯や虐待をする父親の子どもであるという
取り返しのつかない意識が固定されてしまう。

アイデンティティが確立する15歳ころは
いわゆる思春期であり、性的な芽生えが起きる時期である。
母親の妄想が真実だという意識が継続していれば、
性は醜く汚らわしい、おぞましいものになってしまう。

取り返しのつかないことになるだろう。

今回の国賠は、この議論を
改めて行う機会を与えてくれた。

そして、片親疎外に
司法が加担したことを鮮明にしてくれた。

実際には、片親疎外や妄想、記憶の改変について知識がないならば
司法、行政、NPOで
このような悲惨な子どもたちを生み出していることになる。

これらの機関が
母親の妄想に寄り添うことが
私の関わりの中でも数多く見られている。

今回裁判所は国賠請求を棄却した。
その詳細な論理は不明であるが、
また同じことが起きて、また同じ間違いをしても
司法は責任をもたないという宣言ならば
法秩序はほころび始めるだろう。

子どもたちの健全な成長という視点から
この事件を注目するべきであると考える。



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コメント 2

ちさと

「男性は当時65歳
被害を訴えた女性は14歳。
男性は母親の再婚相手である。」
*これは義理など家族関係が複雑なので、無理もないですが、勘違いされています。

【男性が家族にHな事をしなければ、何も起きなかった】
あまりにも簡略な新聞記事のため、事情があって偽証をしてしまった孫娘さんに非難の嵐が起きています。すでに無罪判決が出て刑事補償2800万円受領済みのはずなのに、こんな事情で賠償まで要求って・・??。

---本件の関係者)祖父(被告人),祖母,母(祖母の連れ子:実際の被害者),孫娘(痴漢の被害者だが、強姦については偽証だった)。
「争いのない事実」(双方納得済みの事実)祖父はひんぱんに孫娘の尻を触っていた。
祖父は,かつて母を犯していた(時効)。
祖母は,これらを放置,かつ祖父に抗議した実娘(母)を叱責.
再審の判決【大阪地方裁判所平成26年(た)第22号
平成27年10月16日第1刑事部判決】
理由によれば,孫娘が大叔母に、祖父が頻繁にお尻を触ると相談したところ,母に伝わり「こういうこともされたのでは?」と強く問われ,勢いに押されて肯定してしまった。これで母が激怒して訴えた。法廷で代弁的に過剰な証言。
←このような経緯で偽証:孫娘が成長後に告白し無罪となった---
■以上は公判記録でもわかりますが、私はたまたま、この件に詳しい法曹関係者の文章を読みました。
■「祖父は母を犯していた」←これは『争いのない事実である』
新聞記事が誤解の元ですが、家庭内の揉め事です。
母の件は時効だったが、小学校5年〜高1まで被害にあい、強姦だった(母の姉の証言)。
誤解に基づく考察は、告白した孫娘さんに気の毒で、彼女や母の人生に同情します。国家に賠償請求して、再び孫に辛い思いをさせる爺さんの気持ちが、私には理解できない。

なぜ孫と義祖父が同居していたかは、母が一旦結婚して男女二人の子が出来たが、DVから逃れるために離婚して、旅館の住み込みの仕事についたため、実家に兄弟を預けた。後日再婚して迎えに行ったが、男性が、成人するまで、うちで育てると言って渡さなかった(養子縁組をしたために、義祖父(祖母の婚姻による)でもあり、義父(養子縁組)でもある)。

「naverまとめ」https://matome.naver.jp/odai/2154792085668926501

*公判記録をまとめた弁護士事務所のブログ
http://milight-partners-law.hatenablog.com/.../01/06/092747
by ちさと (2019-07-09 17:09) 

ちさと

すみません補足です。
母親は、なぜそんな男性(義父)に娘を預けたかですが、義父が親族の前で自分に対する性行為を土下座して謝っていた事と、預けた初期は偽証した女性が幼なかったために、生活の必要上、実家に預けたのだと思います。
by ちさと (2019-07-09 17:20) 

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