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現代の家族が不安定であることの根源的理由と、家事紛争予防、早期調整システムの必要性 [家事]

1 人間の心が家族に求めること

人間の心は、200万年前に形成されたとされています。
その当時の人間の群れの状態を反映しています。

自分の苦しみや不安を他者に理解してもらいたい
自分の失敗や欠点、不十分点にかかわらず
家族という群れに永続的に帰属したい。
これを脅かされる事情はたまらなく嫌だ。
自分を仲間として当たり前に扱ってほしい。
というようなものです。

かといって大人になれば、
自分を低く見てほしくない、
色々な出来事があっても
憐れむ対象ではなく、
いつもの通り接してほしい
ということになります。

もっと実践的に言えば
否定と指図だけをされるのは嫌だ
ということになるでしょう。

これは少し気を付ければ可能なことで
ささやかな要求だと思います。

2 ぶつかる尊重されない感覚

一般に結婚するときは、お互いを愛すること
つまり大切にすることを誓うのですが、
その誓いを貫くことはなかなか難しいようです。

つまり、
パートナーの気持ちを第一に考えて行動する
という発想が後退していくのです。

離婚事件から見た場合は、
それは、もう一方の価値観の押し付けと
それに基づく行動ができないことに対する否定的評価
ということになり、
否定と指図だけの生活という感覚を与えてしまうようです。

その押し付けてしまう価値観とは
効率であり、
正義であり、
常識であり、
あるいは衛生等と言うこともあります。

価値観自体が間違ってはいないことも多いのです。
しかし、働きかけ方がうまくないので、
プラスに働くことはなく、
家庭崩壊にだけ向かってしまうようです。

最低限のことができない場合、
それをするために工夫は、大変高度な働きかけが必要です。

本当は一緒にやるということしかありません。

また、家庭以外の職場や学校などの
抱えきれないストレスをつい発散してしまう
つまり自分がやられたように家族に働きかけてしまう
ということもよく見られることです。

そんな場合、相手の弱点が特に目につき
自分が馬鹿にされているような感覚を受けるようです。
自分が大切にされていない、尊重されていない
という感覚なのでしょうね。

このようにお互いにお互いから
尊重されていない感覚は、
相手の感情を感じ取って
どんどん大きくなってしまいます。

3 現代の夫婦の最大の問題環境とは

なかなか気が付きにくいことですが、
夫婦の安定性を害する最大の環境要因は、
家族の人数が少なすぎるということだと思います。

人間には適材適所があるのだから、
他にすることがなくても
どうしても片づけをすることが苦手だとか
捨てることが苦手だということはありうることです。

計算が苦手で、欲しいものを買ってしまう
という一瞬はけっこうあるものです。

それでも料理が得意だとか
子どもの教育が得意だとか
その逆のパターンとか
それぞれあるわけです。

さらに共稼ぎなどの事情があれば
十分な時間もないのですから、
益々苦手なことができなくなります。

人間の心の形成期は、
人間の家族は数十名いたそうです。
一人ぼっちにはなる心配はありませんでした。
必ずしも血のつながりのない人もいて、
一つの群れでお互いを支え合っていたようです。

そうだとすると
料理が得意な人は料理のリーダーになり、
子育てが得意な人は子育てのリーダーになり、
狩りが得意な人は仮のリーダーになり、
それぞれが協力し合って家族として生活していた
ということになります。

それぞれ仕事の分担もあり、
狩猟チームと、植物採取子育てチームと
別れていたようです。

他の群れの存在はよくわかりませんから
他の群れの人と、自分の群れの人の比較をすることもなく
ありのままの自分の姿で生活していたことでしょう。

ところが現代では、
子どもが小さければ、
外で稼いでくるのは男だけの仕事になりますし、
家で子どもを育てるのは母親だけの仕事になりがちです。
それぞれが、相手の領分に手を出していたら、
休む暇もないでしょう。

心は人での余裕のある時の状態を要求していますが、
とても十分にかなえられない環境と
なっていると思います。
損根本問題が、
人手が必要であるにもかかわらず
人でないないことです。

心のおもむくまま
相手に感情をぶつけることは、
本当は不可能を相手に強いることだということが
なかなか自覚されることはありません。


4 孤立婚の「人手」

このように本来数十人で暮らしているような感覚の人間が
夫婦二人だけで日常を回すのは
夫婦が孤立している状態だともいえるのではないでしょうか。

人手が足りない、
これは、一つには、文字通り作業をする人数が足りない
ということです。
同時に
知識が少ないということも意味します。

特に故事ことわざとか、おばあさんの知恵袋とか
なかなか活字にならない経験や伝承の蓄積が
若い夫婦には入ってこない。
このため、要領の悪いことを努力するとか
初めからやり直さなければならないことをするとか、
過剰に気にしすぎるとかいうことが起きているようです。

子育てに、それは集中しています。

5 相手に対する過度の依存

人間は群れを作る動物ですが、
本能的に誰かにつながっていたい、
誰かとの関係を永続させたいと思ってしまう本能があります。

これが若い夫婦二人の場合、
相手の自分に対する気分感情を絶対的なものに
思ってしまう要因になってしまいます。

相手の一挙手一投足に
過敏に反応してしまい、
傷ついたり、いかったりしているようです。

二人ではなく、ジジババがいたり
長老様がいたりすれば、

夫婦の些細なもめごとがあっても、
長老様がニコニコしていれば
自分がそれほど窮地に立っているわけではないと
感じることができ、
不安が軽減されるでしょう。

夫や妻から感情的な対応を取られても
群れから追放される心配はしなくてよい
ということになるからです。

現代の孤立した夫婦は
その緩衝材がありません。

6 感情のブレーキ役の第三者

家の中に長老がいて、
夫が妻にピリピリしていたら、
がみがみするなと一括できるでしょう。

妻が夫に対して不安な気持ちを持っていたら
なだめたり夫に意見を言ったりできるでしょう。

いさめ方の巧拙はあるでしょうが、
一人の感情に任せた言動に
ブレーキをかける人がいたわけです。

一緒に、あるいは、身近に暮らしているけれど、
利害関係にないので、
自分を守る意識なく、
家族全体のために判断できて、
意見を言っても自分の立場も悪くならない
そういう人がいることが
数十人の群れに適応した心に
適合した環境なのでしょう。

7 家事紛争の予防、早期解決事業モデル

このように現代の夫婦問題を再構成すると
解決のための方法は見えてきます。

ただ、今更集団で生活するということは
マンションという居住環境や
生活様式から難しいでしょう。

集団生活にならない
おいしい所だけを工夫する方が
現実的でしょう。

そうすると、
契約仲人集団みたいな事業があればよいのではないでしょうか、

以前提案した家事調整センター

もっと早期から
紛争が起きる前から利用するということです。

つまり、
結婚後、仲人センター(仮称ですよ)と契約して
1年1度あるいはもう少し多く、
何がなくても訪問して近況を話す。
センターの方は、特に問題が生じていなくても、
話の中からうかがえる
紛争になりそうな火種をみつけて、
一般論のように紛争が生じるレクチャーをする。

また二人が工夫しているところについては
特に意識しないでよくやっているところを
具体的に指摘して肯定する
という面談活動をする。

ここで何か問題が起きている場合は、
調整へと進むわけです。
早期に発見すれば
双方のプライドを傷つけることなく
解決することが容易だと思います。

出産が決まれば
利用できる制度を紹介するとか、
注意事項をレクチャーするとか、

出産すれば
手伝いを手配するとか
子どもを育てるに便利な資源を紹介するとか

子どもの教育をめぐって口論となれば
臨時に双方の意見を聞き
調整の選択肢を提案するとか
そういう活動ができればよいのではないでしょうか。

具体的な人手の手配、
おばあちゃんの知恵の敬称、
紛争の未然防止による不安の抑制、
早期介入による対立の激化の防止

そんなセンターが身近にあればよいのではないでしょうか。

問題は、それが事業として成り立つかどうかですが、
それは、誰かに考えてもらいましょう。

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