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これから人生の伴侶を決める娘さんたちへ 自分の人生の傍観者とならない生き方をするために。 [家事]

必要があって、C・モルガン著「人間のしるし」(岩波叢書絶版)
について書かれた評論を読んだ。

ストーリーは、
フランスのレジスタント運動を話の舞台とし、
ジャンが妻クレールとの関係で葛藤をするお話し。

ジャンは、身柄拘束をされている時ジャックに出会う。
抵抗運動に身を捧げようとするクレールを
何の屈託もなく応援し、運動に当たって心の交流を持つジャックに嫉妬する。
ジャックはほどなく死に、ジャンは解放される。
帰宅してクレールとの生活が再開されるが、
クレールは、ジャンの想定を超えて
抵抗運動や高い精神世界に羽ばたこうとしていた
ジャンはそれまで自分がクレールを
所有愛の対象としか見られなかったと悔み
より広い愛で妻クレールを理解しようとする。
ジャンは再び投獄されて釈放されるが
その時クレールは既に身柄拘束された後だった。

評論は、
女性の作者の学生時代の友人たちとの生活ぶりを紹介し、
この本が議論の的であったこと
自分は当時、ジャックのような夫こそ理想だと考えていたが、
ジャンの愛こそ人間的な愛ではないかと
今は感想が変化しているとのことであった。

評論自体はただ読んでいても楽しいものであったし、
その主張には感銘を受けるとともに理解ができるものであった。

しかし、離婚事件を多く扱う弁護士としては、
現代の女性は、その先にある生き方を考えなければならないと
筆者に対しては少し意地悪にうつるだろう感想を抱いた。

少し揚げ足取りであることは自覚しているが
わかりやすい題材なので利用させていただく。

「ジャンとジャックのどちらの夫が好ましいか。」
こういう問題提起では、現代の女性は幸せにならない
ということである。

これでは、女性は夫次第で幸せにも不幸になってしまう。
夫のもともと持っている属性で、
女性の運命が変わってしまうということが
その論理の出発点だということになってしまう。

欠落している視点とは、
自分が主体的に自分たち夫婦の関係をデザインしていく
という視点である。

そしてそのためには、
相手とよく話し合い、相手に働きかけるということだ。
自分たちの幸せは自分たちで決めて、勝ち取っていく
こういう視点が、実務的には必要だと感じている。

そうでなく、どちらの性格、行動パターンが好ましいか
今いる人がダメなら別の人
ということでは、
結局、他者に依存しているだけの人間になってしまう。

相手は自分の思い通りにはならない。
いつまでたっても相手を評価しているだけでは、
自分が思い描く現実は決して訪れない。
 
ただ、だからと言って、
自分の思い通りに相手を変えていこうとすると
相手はそれを負担と感じ、
夫婦というユニットが成り立たなくなる。
相手があなたの言いなりになるならば、
相手はあなたを評価し続け、
やがてあなたのもとを去る可能性もある。

話し合うことができる関係が必要だ。
その際、自分はこうありたいという考えを持つことは良いとして
それを相手に押し付けるということをお互いにしないことだ。

他方で、自分が何を望んでいるか相手に言わなければ
相手が自分の希望に気が付いてくれるまで待つか
気づいてくれないから別れると言って見限るかであり
やっぱりそれは相手に対する従属的関係でしかない。

そもそも、自分の考えや相手の考えが
完璧だということはなく、
押し付けるべき理想的な考えなど存在しないと思う。
より良い関係を作るために
話し合って自分たちで自分たちのことを決める関係こそ
好ましい関係のような気がする。

少しロマンチックな関係とは離れるかもしれないが
これこそ実務的には、夫婦の要だと考えている。

もちろん四六時中話し合うのではなく、
必要なときの話し合いということである。

いざと言うときに話し合いができず
自説を曲げようとしない相手は
自分を仲間として尊重していない相手だ。
時間をかけて、こちらの気持ちに配慮しながら
なぜ自分が違う意見を主張するのか
納得のいくように説明しようとする相手こそ
あなたを尊重する相手だと思う。

そして話し合いの時に大切なことは
特に夫婦の間の話し合いに大切なことは
論理や合理性だけを大切にしてはならないということだ。
相手の感情、あるいは自分の子どもたちの心情の状態を
推察して、汲み取り、配慮できる人間が最も好ましい。
論理とともに、相手の気持ちを結論を出すための
重要な要素としてくれることがインテリジェンスなのだと思う。

もちろん最初からこのようにできる若者は少ない。
しかし、それを提案して、こちらを尊重してくれたら感謝する
そうやって相手に働きかけていき、
その働きかけを受け入れて
一緒に成長してくれる相手を見抜かなければならない。
そういう相手こそ伴侶としてほしい相手であると思う。

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王島将春

はじめまして。福井市在住の王島将春(おうしままさはる)と言います。聖書に書かれている預言を伝える活動をしております。

間もなく、エゼキエル書38章に書かれている通り、ロシア・トルコ・イランがイスラエルを攻撃します。そして、マタイの福音書24章に書かれている通り、世界中からクリスチャンが消えます。その前に、キリストに悔い改めてください。

労災がない社会の実現のために、これからも頑張ってくださいませ。労災の加害者も被害者も、イエス・キリストが与えてくださる癒しと救いが必要です。彼らが癒しと救いを受け取りますように。
by 王島将春 (2019-10-08 04:41) 

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