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甲状腺ノート(非医療関係者)9 あなたは変わってしまった 存在しないDVが存在すると思い込む生理的仕組みを米医師の文献から学ぶ 大切なことは夫への攻撃ではなく、患者の治療、癒し、家族再生だという医学的根拠 [進化心理学、生理学、対人関係学]



“The thyroid solution” by Ridha Alem 第9章のノート
()内は、それを読んでいるときの私のつぶやき
<通常の夫婦>
互いの言葉や行動、感情表現、解釈で、男女には根本的な違いがある。多くの夫婦は、自分達の本当の違いを認識するようになり、受け入れ、最終的にそれと折り合うことを学ぶ。ホルモンバランスの乱れが入り込むと、これらの違いが悪い方向に向かうことが起きる。
多くは配偶者の行動を歪んで認識する。残念なことに、相手はどうしてそのような変化が生じたかわからない。誤解や誤った期待、そして些細なことでの口喧嘩などを伴う混乱状態を招く。そして、多くの人にとってはその関係が重荷になる。(相手は重荷だと感じているだろうなというストレスが、もしかすると一番重い重荷かも)

甲状腺の病気によって引き起こされた精神的ストレスを配偶者が共有する過程
<第1期>甲状腺疾患が入り込んでくることから、診断まで。
この時期には、夫婦関係はしばしば悪化し、何が悪いのか、あるいは何が夫婦関係の問題の原因であるかがわからないことから関係に終止符が打たれてしまうことさえある。第2期は診断がついた後の時期のこと。
第1期では、ほとんどの例で、病気自体の程度は軽いにもかかわらず、罹患した人の性格は驚く程変る。その変化の原因が突き止められない限り(すなわち、甲状腺の病気がまだ診断されていない限り)、その夫婦は自分達の問題の元を突き止めることができない。夫婦関係はこの期間の長さに応じて悪影響を受けるが、それは何ヶ月あるいは何年も続くことがある。(まさに。永遠にわからない場合も多いかも。わかったときは家族というユニットにとっては、手遅れとか。)
患者は、自分の体や精神に異常なことが起こっていることを認識している
しかし、
・適切な対応ができない。それを理解したり、和らげたり、あるいは正確に言い表すことさえできない。
・自分自身や周囲に対する認識の歪み → 配偶者の行動を不適切だと見なすようになる。(ここが大事だね)甲状腺の病気の人は、(本当は病気の症状として、考え方が懐疑的になったり、理由なく不安になって、その結果相手にあたったり、相手から変に思われているのに)自分は変わっておらず相手の方が変ったのであり、自分達の感情的大混乱の原因であると本当に信じている。
(こういう場合、妻の不合理な攻撃に対して、正論で論理的な反論をして妻をやり込めてしまうことは、まったく逆効果になるわけですね。)
<配偶者や他の愛する人達>患者を咎める行動をとることが多い。(今述べたとおりです。いついかなる時も合理的で、正しくなければならないという考えが逆効果になるということですね。)
<甲状腺疾患患者> そのような食い違いが原因での不安やストレス、怒り、そしてうつ病がさらに増悪し、そのために罪悪感を抱くことがある。口論のストレスにうまく対処できないため、不仲になることは避けられない。
(いや全くその通り。きわめて、離婚事件でよく見るパターン。)
甲状腺疾患があなたの性格や人間関係を変える10通りの道筋
1 甲状腺疾患患者はしばしば短気で、いらいらしやすくなり、時に過剰な理由のない怒りを見せることがあります。
甲状腺ホルモンバランスの乱れにより、
周囲の人に過度に批判的になり、すぐにけんかを始め、かみつくようになることがある。甲状腺ホルモンバランスの乱れのある人が直接、他の人に向ける非難や怒りの底には不安や心配が潜んでいることがよくある。(ここでも、対人関係学の理論を裏付けてもらっている。)甲状腺の病気のある人は自分に対する非難にはうまく対処できない。(その時は、夫は自分が攻撃されているのだから、反射的に自分を守ろうとして反論してしまうのは当然と言うしかないですね。でも、後でも良いから、反論されて途方に暮れている妻がかわいそうだと思うかどうかがポイントのような気がします。)
不安な時に頼りにする必要のある、まさにその人達に向かって非難をあびせざるを得ないと感じている。要するに、彼らの行動は病気に支配されている。(これがまさに思い込みDVの構図ですね。)
「家では始終わめいたり、口論したりしていました。私はたびたび怒り狂っていました。私は主人に対して無礼な態度を取りました。そして請求書や私達の経済状態のことで腹を立てていたので、彼が何か尋ねるとがみがみと怒鳴りました。彼が何をしたって私は満足しなかったでしょう」(絶対、良い評価をしないということが特徴ですが、それは病気のせいかもしれないということ)
甲状腺機能亢進症の人の脳が早いペースで働くことから、他の人は皆のろまであると見るようになり、それが自分達のいらいらや怒りを正当化する。
2 甲状腺の病気のある人は配偶者や家族に非現実的な要求をすることがあります。
他の人に何かしてくれるよう頼むことがよくある(頼まれた人は指図と受け取って、不愉快になることがみられる。)、また他の人にやり方も指図する。「私は主人に私がいて欲しい時に家にいたためしがないと言っておりました。彼は学生でしたし、1日中学校にいるわけではなかったのです。ですから、彼が家にいて家事を手伝ってくれないことで私は腹を立てていました。でも、実際はできる限りのことをしてくれていたんです。それでも私は満足していませんでした」(この満足しない状態を真に受けて、さらに夫が家事を増やしていくと、極端なケースでは体力的にアウトになる場合もあるわけです)
患者が如何に自分達の関係を理性的に見ることができないかということがわかる。状況をはっきり理解できず、非現実的な期待で相手を怒らせてしまうことさえある。(でも、こうやって振り替えられるようになるなら救われるよね。現実は治療を受けることはあっても、精神的なアドバイスをすることがないから、ゆがんだ見方がのちに修正されることがない場合がある。)
3 甲状腺疾患患者、特に甲状腺機能低下症の患者は静けさを望みます。
活動や騒音から逃れる必要があると感じている。音に対する耐性が低くなっている。「私は家が静かであって欲しかったんです。そうでなければ、私は子ども達や主人に向かってわめき始めました。大きな音を出したり、動いたりするものは何であれ、私をいらいらさせたのです。テレビは私にとっては邪魔物でした。私は見ることができませんでした。子ども達の騒がしさはいらいらのもとでした」
4 患者は友達付き合いをしなくなり、人と話したり、出かけたりしたがらなくなることがあります。
配偶者と一緒に何かすることに一切の興味をなくすということがあります。「私の望みはただ一つ、寝ることでした。私は十分な休息をとっているようには思えませんでした。何一つとして私が嬉しく思うものはありませんでした。テッドは私と外食したかったのですが、私は行きたくありませんでした。彼は映画を見に行きたいのに、私はいつも嫌だと言っていました。彼が映画のビデオを借りてくると、私は眠ってしまいました。セックスもしたくなかったし、料理や掃除もしたくありませんでした。それから彼はいらいらするようになり、私は本当に感情的になって荒れ狂うようになりました。彼は私の方がもっと疲れているということが理解できませんでした。」「彼は私と話しをしようとしました。そして「テッド、お願いだから黙っててくれない」などとはとても言いにくかったのです。彼はただその日、自分がしたことを話し、私がしたことを聞きたかっただけなのです。質問、質問、質問、話、話、話─そして私はとてもいらいらしました。最初、私は彼が黙っていてくれたらと思いましたが、それなのに本当は黙って欲しくなかったのでした。」
甲状腺機能低下症の患者はほっておいてもらいたいと思っている。ただ眠りたくて、回りの人とは接したくないのです。中には、周囲の人ができる限りのことをしてくれているということに気付いている人もいるが、それでも一人でいたい。
5 甲状腺の病気のある人は配偶者にもっとかまってもらいたがり、十分にかまってもらっていないと思うことがよくあります。
配偶者が元気付けようと何をしてくれても十分とは思えないのです。(これは、強く感じる。)
愛する人に側にいて欲しいのですが、それは自分がそうして欲しい時だけ。「私は彼にただそこにいて、私の手を取り、私の話すことを聞いて貰いたいのですが、何も言わないで欲しいのです。彼が何か言ったら、私はいらいらして、怒り出します」
「この間に私が考えていたのは唯一、主人が私が必要としている手助けをしてくれないということでした。私は人前で主人の顔を殴るところまでいきました。私は自分が大事にされていると思いたかったんです。私はとても魅力があるなんて考えられなくなっていました。子どもを産んだ後はあなただってそうでしょう。私はものすごく打ちのめされ、疲れ過ぎていました」
6 甲状腺の病気がある人は何か家のことをしようとか、家族のために何かしようという意欲がなくなります。
何かするように頼まれることを嫌ったり、頼まれると怒り出すこともあります。いさかいの原因で多いのは、甲状腺機能低下症の人が家のことをあまりしたがらなくなること。これは疲労のためにちょっとした家事もなかなかこなせなくなるから。ちょっと店に行くだけのことでも、到底できないような仕事になることがある。(片づけられないというのもこれなのでしょうか)
7 甲状腺疾患患者は説明できない嫌悪感を配偶者や親族、友人に示しますが、矛盾したことにすぐさま気持ちを変えてしまうことがあります。
自分の人間関係が変ったことに気付くが、そのことについて何かするには無力だと感じる。物事が以前のようではないということがわかっていたが、物事を適切に見通すことができなかった。その嫌悪感は避けられないものであり、変えることができないものだった。
「私の主人に対する感情は行ったり来たりしていました。時には私は彼の側にいるのが好きでしたが、そうでない時もありました」
8 甲状腺の病気に罹っている人は、感情的変化や健康がどれほど仕事をしたり、生計を立てる能力に悪影響を与えるのかということをひどく心配するようになることがあります。
仕事に関連した不安が家庭に持ち込まれた時、それがしばしば口論や怒りの爆発、そしていらいらを募らせるということにつながる。
甲状腺機能亢進症または低下症のために仕事の成績が思わしくなかったり、あるいは甲状腺機能亢進症が思考や理性に及ぼす有害な作用のため失業することさえあり、さらに自尊心を失う。経済的安定や経済的な責任の問題が生じてくることが多く、それが関係を維持する上でより一層の重荷になる。多くの患者は職を失うまいとして、自分の注意力と残っているエネルギーのほとんどを業績を維持するために注ぎ込みます。これは脳に対する大変な重荷となり、患者が感情的にも身体的にも私生活の責任を果たせなくなるために、家庭で怒りを爆発させるという形で現れることになる。それが配偶者や家族に影響。
9 非常な怒りやいらいらが暴力を招くことがあります。
「自分の感情との絶え間ない内面の闘いが起きていました。私には寛容さも忍耐力もありませんでした。自分のもともとの性質が気前がよく、世話好きで、親切、そして寛容で、基本的におおらかだったのに、それがまったく反対の性格になってしまったら、うまく対応することなんてなかなかできることではありません。私は意地悪で、嫌な人間になりました。そして何で自分が不幸せなのかわかりませんでした。私は発作的に癇癪を起こし、暴力をふるいました。本当に誰かを殺していたかもしれません。」(高葛藤の妻の場合、妻の暴力は良く出てきます。離婚事件などで、暴力の回数はどちらかといえば妻が暴力をふるう回数のほうが夫が妻や子に暴力をふるう回数よりも多いような気がします。けがをするのは女性のほうが多い。これは、女性の力が弱いということが理由だけではなくて、男性のほうが他人の自分に向けた暴力に適切に対応しているからということに理由があるようです。女性は力が弱くても、刃物などの武器を使うため、危険度においてはあまり変わりはありません。男性は、怒りをためてというよりも衝動的な暴力が多いですね。これに対して女性は、男性が無防備な状態、酒飲んで寝ているとか、の時に押そうということがよく見られます。怒りの構造を表しています。つまり、怒りは危険に対する対応なのですが、「勝てる」と思わないと怒りの感情は持ちにくいようです。)
10 甲状腺機能亢進症のために、他の人が矛盾し、道理に合わないと思うような行動をとることがあります。
「何で彼はそんなにピリピリしてるんだろう。何で急いでいない時にも大急ぎでどこかへ行かなければならないんだろうね」彼女はこう言いました。「ハイウェーをまるで救急車のように飛ばすんですよ。まるで気が狂ったみたいに振る舞うし、何でもかんでも早くなくっちゃだめなんですよ」
ポール(患者)によれば、「自分の性格がほんとにすっかり変わってしまいました。まったくリラックスできないところまで行ったんです。家でだってそうです。ソファーに座っていることさえ我慢できず、何かせずにはいられませんでした。そうでなければ気分が揺れ動いて、ちょっとしたことでもかっとなるんです」ポールのケースは、精神錯乱と極端な性格の変化として一般的なもの。
配偶者にごく普通に見られる4つの反応
甲状腺ホルモンバランスの乱れがある人から配偶者が離れていくことがあります。
<患者の配偶者の典型的な反応> =遠ざかる= : 最初は問題を避けようという気持ちを反映している。(そうですね。争うことが怖くなるようですし、疲れてしまうようです。)
<遠ざかる配偶者の行動に対する患者の反応> : 思いやりや理解、および共感がないことだと認識し、配偶者が無関心だという言葉で言い表す。甲状腺ホルモンバランスの乱れにより生じた自尊心低下のため、患者はより一層の怒りを感じ、自分の問題の一部は相手のよそよそしい行動のせいだと思うことがある。(その背景には、自分が見捨てられるという不安が大きいと感じます。)
配偶者が甲状腺の病気に関係した性格の変化を受け入れようとせず、怒りと非難で反応する場合があります。
これは大抵、争いをエスカレートさせます。(でも通常こうですね。)配偶者が言ってはならないことまで言うことがあり(双方でしょうね)、それが患者の自尊心の低下をさらに悪い方に進める。患者はわざと口喧嘩の原因を作り出していると非難されることがある。この夫は自分の妻(患者)の感情の変化は甲状腺の病気のためであるということを知り、心理療法士のところに行くのを止めた。そして、彼は理解を示し、柔軟に思いやりを持って接するようになった。
配偶者が対応できず、落ち込んだり、不安になることがあります。
妻に甲状腺の病気があると、夫が不安になったり、何とか理解しようと努めたり、あるいは物事を徹底的に話し合おうとすることもある。カウンセリングを勧めることさえある。
時には、ごく基本的な意志の疎通さえ問題となることがある。
夫婦にあらかじめ問題が存在している場合、これらの問題が甲状腺ホルモンバランスの乱れが入り込んでくることで、さらに悪化することがある。
診断後の夫婦関係(第2期)
一旦、病気の診断 = 問題の原因が見付かったことで安心。
甲状腺ホルモンバランスの乱れの治療で、感情的ストレスや罪悪感、および精神的影響が徐々によくなっていく。しかし、診断後も、甲状腺の病気の複雑さやその治療によりますが、数ヶ月、あるいは何年もの間余波が残ることがある。
配偶者が知っておく必要があること
甲状腺疾患に罹っている多くの人が、診断がつき、治療を受け始めた後に配偶者から支えと理解を得ることの重要性を指摘。ある甲状腺機能低下症の女性はこう言いました。「私が医師の診察を受け、診断がついたら、それから夫が思いやりを見せ始め、支えてくれるようになりました。彼は私を寝かせてくれるし、息子を側に行かせないようにしてくれました。でも、診断がつく前はそうではありませんでした。これには本当に助かりました。おかげで治りが早くなりました。口論も止んでしまいました」
患者はまだ以前のようではないため、配偶者の支えと理解が回復には欠かせない。患者はまだ不安や気分の変動、怒り、またいらつきを適切にコントロールできない。
本記事は田尻クリニック様のホームページに掲載されているhttps://www.j-tajiri.or.jp/
「書籍の翻訳」の中の「甲状腺の悩みに答える本」の読書ノートです。
• 原題と著者は、[The thyroid solution] by Ridha Alemです。



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