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【コロナ自殺対策への提言】 自死の危険が高まるのはむしろ経済回復期。独自の対策チームを作り今から始動させるべきこと。 [自死(自殺)・不明死、葛藤]



コロナに関する自死の懸念、自死予防の声が上がり始めています。
ネットニュースでも大きく取り上げていただいています。
大切なことだなと感じています。

ただ、その論調が、どうしても
経済的苦境からの自死、あるいは
経済的苦境と環境の変化からの「うつ」そして自死
という流れが強調されてしまっているという心配もあります。

その流れはそれで正しいことであり、大切なことです。
でも自死が起きるのはその流れだけではありません。
私が心配しているのは、
自死の危険が高まる時期は、
経済が回復しはじめた時期に集中するということで、
その時に実施されるべき対策が見落とされてしまわないかということです。

それは「なぜ人間は自死するのか」ということとかかわります。

一番の教訓は、
東日本大震災の時には被災地では自死が減っていたという現実です。
その後、復興期に入って居住環境の変化等によって
自死リスクが逆に高まってきたという事実です。

そこにあった自死リスクを高める要因は「孤立」だと思っています。

東日本大震災の時も、今回のコロナの問題も
自分だけでなく周囲も、自分と同じように苦しんでいます。
苦しいのは自分だけではないということを感じていると思います。

このみんな一緒という観点は厳密に考えると間違いで、
実は東日本大震災の時も
津波被害があった地域となかった地域
地震の被害が強かった地域とそれほどでもなかった地域
マンションにおいても高層階と中低層階というように
被害格差が心の火種になっていました。
それでも、同じ被災者としてみんな苦しんでいて
みんなで頑張ろうという声掛けもあり
格差は感じていたものの孤立はあまり感じなくて済んでいたようです。

孤立感が強くなったのは
みんなが順調に復興しているのに自分だけ立ち上がれない
復興住宅ができて引越ししたため、話ができる人がいなくなった
自分の被災の苦しみをもう誰も聞いてくれない、理解してくれない
という自分だけが取り残されたと感じる時だったわけです。

自死リスクは「孤立」という観点からも考えられるべきだと思うのです。
孤立解消の自死予防政策を考えるにあたっては
感じる格差に対する対応だという側面をはずしてはなりません。

もちろん、収入がない、食べていけないという問題は
自死リスクを高めます。
しかし、食料がないけれどみんなと一緒に我慢するという意識は
孤立感を弱め、何とか生きようとする気持ちを保たせる方向にも進みます。
(但し生物的に我慢が効かなくなるというよりも
自分の家族にひもじい思いをさせるということから
精神に破綻をきたすということもあるでしょう。)

しかし、非常事態宣言の時期にやることはそう変わりません。
食べられて、寝られて、将来の不安を感じさせないということを
やるしかないと思います。
そのすべてが自死予防になるわけです。

新型コロナウイルスの問題は
誰も経験したことの無い災害ですから
対症療法的な政策や政策の変更がある程度起きることは仕方がありません。
とにかく、人間の生活の営みを維持するという観点さえあれば
そう間違った政策は起きないでしょう。

問題は、新規感染者数が減少して
経済活動が再開される時期です。
コロナの影響を最小限で食い止めた人たちと
経済活動が再開されても生活が回復しない人たちが生まれてしまうと
格差が生まれて孤立感を強めてしまい
自死リスクが高まるということが
歴史の教訓だとされるべきだということを強調したいのです。

だから、回復期の政策こそ慎重に立案されるべきです。
回復期こそ、意識して、回復の格差を作らず
孤立感が生まれないような
政策をしていくことが必要なのです。

現在の対症療法的試行錯誤政策立案とは別に
専門的な自死の構造についての理解を前提とした
格差と孤立を解消するための
政策立案チームを作り、そして始動させる必要性があると思います。


現在、やるべきことの実験が既に行われています。

本当は、今回の新型コロナウイルス対策は、
人々のつながりが物理的に遮られているところですから
そういう意味では、元々孤立になりやすい状況にありました。

その中でも、
仕事をシェアしたり、無駄な一斉行動をやめにしたり、
情報を共有する方法を工夫したりと、
人間の知恵と工夫が既に始められています。

政府としては良い情報を収集し、蓄積し、
実践しやすいように再構築したり
費用の問題を解決したり、
あるいはそこから置いてきぼりにされている人たちについて
どういう人たちがいて、どういうふうに対処できるのか
早急に対策を立てなければならないと思っています。

例えば、SNSを使ったコミュニケーションは
仕事をしている年代の人たちには簡単にできることでも
高齢者にはなかなか手が出ません。
機材をそろえることさえ困難でしょう。
高齢者はどうやって孤立感を解消したらよいのか
等、難しい問題があります。
やはり人的資源を整備して活用するしかないのでしょう。

回復期は格差を強く感じ始める時期です。
置いてきぼりの人は追い詰められていると考えるべきでしょう。

別建てでチームを作り
今から対策を講じ始めるべきだと考えています。
間もなく回復期が始まります。
その時になってからでは遅いのです。


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