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【宣伝・広告2】本日発売! 「イライラ多めの依頼者・相談者とのコミュニケーション術」(遠見書房) 家事紛争の中から生まれた一冊であるということ [家事]


本日(令和3年7月28日)私も関わった本が発売日を迎えました。
http://tomishobo.com/catalog/ca126.html
法律系の出版社の理解を得られなく、心理系の出版社である遠見書房様の英断で発売にこぎつけました。この本が出なければ、この問題がいつまでも取り残されると思うと、ご英断に感謝しきりです。せめて採算ラインまでは売り上げをもっていきたいということも、宣伝記事を載せる理由ではあります。

この本は、体裁としては、弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、税理士等の、法律家向けの本ではあります。しかし、あとがきで心理学研究者の東北大学教授若島孔文先生がお書きになったとおり、対人関係を職業とする皆さんに読んでいただきたい本です。特に、行政職、福祉職、お医者さん等医療関係者の皆さんに是非読んでいただきたいと思っています。
そのプロフェッショナルの方の気持ちが軽くなるとともに、クライアントの方々が理解されることによって、必要なサービスを気持ちよく受けることができるようになるのではないかなと思うからです。

宣伝はこのくらいにして(社長様すいません)、裏話をさっそく始めたいと思います。
実は、この本は、家族問題の研究がもとになってできた本ということもいえるのです。
第1部は、弁護士の実際の事件、相談会のリアルな断片を切り出して事例を作って示して、その解決方法を考えています。この最初の事例をわかりやすく書いていただいたのは、主として大久保先生です。私にはこういう才能が乏しいということがつくづくわかりました。先生は、家族問題や女性の権利に造詣が深いということもあって、紹介している事例の多くが実は離婚事件のケースです。次いで職場のパワハラ・セクハラがあり、相続問題、金銭問題、近隣問題が取り上げられています。まあ、弁護士の相談会でよくある事例です。誰でも経験している内容といえるでしょう。この事例の紹介の仕方が一味違う。私のような偏った考え方(本来あるべき考え方だと思うのですが)の弁護士ではなく、良識的な弁護士も離婚事件については疑問を抱くことが多々あるということが紹介されています。虚偽DVの問題や、父親への親権変更の事例等きちんと取り上げてくれいます。すばらしい。
私の紹介は、このブログの別の記事をいくつか読んでいただくとわかるので、特に家事関係ですが、省略します。
心理監修の若島孔文先生は、あらゆる心理学分野の理論と実践理論をマスターされていますが、家族療法という心理療法の日本における第1人者です。世界的にも著名な先生です。家族の在り方という問題を見つめ続けていらっしゃるわけです。
そうすると、この本は、弁護士など法律家と依頼者、相談者という人間関係の断面を切り取っているのですが、その人間関係の在り方についての知見は家族の在り方についての考察を基礎としているということになると思います。

だから、この本は、接客業という職業とクライアントという体裁をとっていますが、実は、家族同士の関係にこそ応用が利く内容が書かれているのです。但し、焦点の合わない本は出版できませんので、深く読みこなさないとそのことを理解することは難しいかもしれません。特に第2部を読みこなしていただきたいなと思います。

本当は、既婚者必携「イライラ多めの家族とのコミュニケーション術」という本を作れれば良いのでしょうが、そんなオファーが本当に来るとは思えませんので、申し訳ありません。弁護士がこういうことに取り組んでいるということはなかなかピント来ていただけないと思います。でももし来たら全力を挙げて執筆します。

ちょっと要約版を作ってみますね。
<楽しい夫婦であり続けるためのちょっとした工夫
そして紛争後の夫婦再生への挑戦>

第1部 楽しい夫婦であり続けるとは
 1章 妻が夫と同じ空気を吸いたくないというまでの道のり
    離婚したいと思うまでの葛藤とは、どういう心理状態か
    離婚したいと思うのは、自分が尊重されていないと感じるから
    尊重されていないと感じる事情はどういうものがある
      「暴力、暴言、物にあたる」だけではない
       本質は別にあるので、ここを否定しても心は動かない。
    味方ではなければ敵だと感じてしまう人間の脳。安心できない存在は不快な存在
 2章 円満な関係であり続けるちょっとした工夫
    尊重は相手に伝わらないと意味が無いが、「尊重している」と言っても伝わらない。
    話を聞いてうなずくということ
    相手に任せるということ
    その他のチップス
 3章 根本的な考え方は思い出の中にある。実はあなたが変わっただけ
    デート中のレストランを思い出そう
    価値基準をどこに置くか。
     正義や論理、合理性よりも相手の感情を行動原理とすること
    家内安全という普遍的な原理を見つめ直そう。
    本当はもっと必要とされているあなたという存在。
第2部 別居後の家族再生への挑戦
 1章 子連れ別居時の妻の心理 著しい高葛藤
    蓄積された「尊重されていない」という感覚
    事実は本人も自覚していない。しかし、今の感情は真実。
    原因はあなただけではないが、あなたの対応でずいぶん変わっていたはず。誰が良い悪いでは深淵に踏み出せない。相手に期待できない場合は自分が何とかするしかないということ。
 2章 修復のために何を獲得目標にするのか。
    「加害」をしないということでは足りない。
    反省ばかりでは重苦しい。
    明るく楽しい将来の約束。その裏付け。
 3章 相手に何をどう伝えるか
   どう伝えるか
    別居はしたけれど、連絡が取れる場合
    本人には連絡が取れないけれど、間に入ってくれる人がいる場合
    間に弁護士が入った場合や離婚調停を起こされた場合
   何を伝えるか
    安心を与えるということ
    先ず生活費の支払いをこちらから申し出ることが鉄則
第3部 家族再生のための離婚調停、離婚訴訟、保護命令
 1章 離婚訴訟の現実 
    どういう場合に離婚の結論になるか、どういう事情があると離婚請求が棄却されるか。一方の離婚の意思が固い場合。
    離婚訴訟の結果を考えるべき一番の要素は子どもであるということ。
 2章 保護命令手続きの現実
    法律要件と乖離する1審手続き
    初めから相手方は不利な構造の中での戦いだということ
 3章 調停
    すべては調停で完結するべきであるということ
 
第3部は別の本だね。



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