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会社に行こうとすると吐きたくなる貴方へ。「退職する」という選択肢がきちんと頭に入っていますか。その上で考えるべきこと。 [労災事件]



仕事柄、これまで過重労働やパワハラが原因で亡くなった方々の、亡くなる直前の様子を何件も調査をしてきました。自死で亡くなった多くの方が、生前、通勤をしようとすると吐き気を催したり、実際に毎朝のようにコンビニのトイレで吐いていたりということがわかっています。

現在、結構多くの方が、このような朝を過ごしていると聞きました。これはかなり危険な兆候です。あなたが対策を立てないままだと、うつ病になったり、自死を決行したりする危険があります。大変心配をしています。

もしかするとあなたは「自分は大丈夫だ。」と思われているかもしれません。しかし、うつ病になることも自死することも、あなたが理性で考えて選択することではないのです。あなたの意思とかかわりなく病気になるわけですし、実は死ぬというはっきりした決断を持たないまま自死は実行されるものだと考えた方が実践的だと思います。
だから、今あなたが大丈夫と思っているそのあなたではなくなる、別のあなたがあなたの身体生命を危険に陥れるのだということを考えてみてください。

職場が原因でのうつ病の重症度を表す指標があります。それは、「いざとなったらこんな会社辞めてやる。」と思えているかどうかというものです。退職すると考えているうちは良いのですが、うつ病や適応障害などの精神障害が発症してしまった後は、「退職する。」という選択肢が無くなるようなのです。健全な精神状態のときは、「苦しいから、苦しみ続けるよりは会社を退職する。」という選択肢があるのです。しかし、一度病気になってしまうと、「苦しみ続けることから解放されるためには、死ぬしかない。」という精神状態になる場合があるようです。

だから、わたしは、「退職する」という選択肢をきちんと持ち続けていますかとあなたに問いかけているのです。

人間はどうやら、精神的に弱ってしまうと、継続的に顔を合わせている他人に対して助けを求めてしまうという習性があるようなのです(詳しくは前回の記事なので省略)。その人が自分を苦しめているのに、その人から見放されたくなくなるようです。これが不健全な精神状態の本質ということなのでしょう。

現実は退職するという選択肢を持ちにくい環境だということはよくわかります。

家族がいれば退職できないという考えは当然だと思います。お子さんがいれば、将来的な教育費まで考えることもあるでしょう。仕事をやめれば、収入がなくなる。転職と言ってもそう転職口もないし、あっても今よりも条件がさらに悪くなるかもしれません。

逆説的な話ですが、それでも退職するという選択肢が無くなったあなたは真剣に退職と転職をシミュレーションする時期なのだと思います。
但し、本当に退職をするかどうかはまた別の話でよいのです。退職するという逃げ道があると自覚することで、心に余裕を持っていただきたいのです。そうすると見えてくることもあるわけです。

退職という選択肢を奪うのは、一つにはあなた自身やあなたの周囲の正義感です。「被害者であるあなたが会社を辞めて加害者である上司が会社に居続けるのは不合理だ」という声を聴くこともあります。
この発想は間違いです。正義と心中するなんて愚かなことです。

最も大事なことはあなたが生きているということです。

親の義務、夫の義務なんてものは、本来最低ラインがあるわけではありません。何円を家庭に入れなければならないというのは、そのご家庭の状況によって全く違います。仕事柄厳密な物言いをして申し訳ないのですが、仮に養育費をいくら払うという審判を受けたからと言って、払えないなら金額を減額をする手続きがありますし、減額しなければなりません。

なぜならばあなたが無理をすると、死んでしまう危険があるからです。お子さん方に消えない罪悪感を植え付けることが、あなたが親として回避するべきことです。つまり、親の義務の最低ラインがあるとすれば、生き続けること、正確に言えば生きようとすること、死ぬ危険を可能な限り排除することです。

自死を決行するときは、既に理性が効かない段階になっています。自分は死ななければならないのだと強固に思い込んでしまっている状態であることがほとんどです。そうならないようにするということが、今理性がある段階で準備することです。

具体的には、退職するという選択肢を持ち続けることです。

退職という選択肢を持った後で考えるべきことがあります。

それは
・ 自分自身の行動も、自分を苦しめる原因になっているかもしれない。
・ 自分のふるまいも修正する余地があるのではないか。
という考えをめぐらすことです。

人間の精神を決定的に破壊するのは、
「自分が悪くないのに、助けのない状態で苦しまされている。」
という絶望のようです。

うつ病の近づくと、二者択一的思考、悲観的思考が猛威を振るうようになりますから、その嫌な上司は敵であり、自分には味方がいないと感じるようになります。そして何をやってもうまくいかないという気持ちになってしまいます。

そうなる前に、自分の何かが間違っていたのかもしれないと考えることはとても有益なことです。

貴方を周囲から暖かく扱われない原因があなたの正義感であり、責任感であり真面目さであるならば、あなたは「自分が正しいはずなのに」という迷路から抜け出せなくなります。せっかく退職という選択肢をポケットに入れたならば、あとは、あなたの責任感、正義感、まじめさを捨ててみましょう。

最初は、上から目線で仕方がないと思います。「上司や経営陣は、自分のレベルまで到達していないから自分が正当に評価されない。」と思うということです。その後は徐々に、「人間関係を良好に保つことにも一つの価値があるし、これによらなければ恒常的な生産性の向上は不可能だ。」という考え方に変わっていくはずです。

つまり、あなたが先ず行うべきことは、周囲を許すという作業を行うということになるのかもしれません。

いずれにしても大切なことは、あなたが家族というものを大切にするならば、会社というのは取り換えのきく人間関係であり、そんな人間関係のためにあなたの正常な思考が破壊されるのは一番つまらないことだということをしっかり意識することです。

そういう人間関係であることを意識することによって、あるいはいつでもおさらばできる人間関係だということを意識することによって、上司そのものを上から見られるようにするという戦略です。
人間は継続的に時間を共に過ごし、報酬を分け合う人間関係は、唯一絶対の最上の忠誠を誓う人間関係だと無意識に勘違いする生き物だということをしっかり自覚しましょう。あなたを苦しめる会社は、そんな価値のない人間関係なのだと思います。

自由になって、自分を失うことを阻止しましょう。

関連したことを述べた過去の記事を参考までにあげておきます。ご興味とお時間があるときご参照してみてください。

相手に合わせて自分の行動を変えられない人は、自分が深刻に傷つく結果になりやすい。「自分が悪くなくても行動を変える」という発想が人生を快適にできるということについて考えてみた。特に夫婦問題における大人の発想とは。♯対人関係的危険。
https://doihouritu.blog.ss-blog.jp/2022-05-27

あなたが組織・会社で浮いている理由は、まじめすぎる、責任感がありすぎるからかもしれないという、じゃあどうすればよいのという問題 
https://doihouritu.blog.ss-blog.jp/2022-07-08


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