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夫が怒るポイント なぜ妻はそれを分からないというのか [家事]



離婚調停などで、妻側から、夫が怒るポイントがわからないで、いつ怒られるかびくびくして暮らしている。もうそんな生活は嫌だから離婚したいという話しを聞くことがあります。

こういう主張を何も予備知識なく聞くと、夫はわけのわからないタイミングで怒りだす瞬間湯沸かし器みたいな人で、さぞご苦労していたのだろうと思ってしまいます。

しかし、もうちょっとだけ詳しく事情を聞くと、「それは怒るわな。」と納得したり、「どうしてそんなことを平気で言ってしまうのだろう」と思ったりすることが最近ではほとんどです。あまりにも無防備で、余りにも傍若無人な発言をしていることが実際はあるようです。

そこで、怒るポイントと、怒りの程度が激しくなるポイントについて、実際の事例を参考にいくつか挙げてみることにしました。書いていて思ったのですが、これは男性、女性に性差が無い問題のような気がします。

1 怒るポイント
  夫が怒るポイントは、妻が夫の尊厳を侵害したと夫が感じたときがほとんどです。もう少しひらったく言うと、夫の人間性を否定した時です。尊厳が侵害されると防衛行動を起こすことは人類にすべて共通していて、尊厳が侵害された時は怒ったり委縮したりするのであり、国際紛争の原因になったりまでするそうです。
  あまり抽象的に言っても仕方がないので列挙してみます。
・ 役に立たない人間だという意味の発言
文字通り「役立たず」、「生きる価値無し」、
・ 努力を否定する発言
「家のことを何もしない」、「それで頑張っているつもり?」
・ 過去の失敗を繰り返し言う。
「こんなことをしているからあの時も失敗した」、「一事が万事」
・ 育った地域、親。兄弟のこと等を悪く言う
「親が親なら子も子だ。」、「育て方を失敗したな」
・ 大事にしていることを否定する発言
「そんなことにこだわっているからうだつが上がらないんだ。」
・ むやみに疑う発言
「あなたは否定しているけれど、あなたがやった以外には考えられない」
・ 根拠のない不合理な否定
「だからあなたといると、雨が降るんだ。」
とりあえず、こんなところでしょうか。夫婦はお互いの弱点を知り尽くしているので、的確に相手が嫌なポイントをついてきています。感心さえしてしまうほど的確です。「いやそれで怒るポイントが分からないというのはどうなの?」という感想を持つことがしばしばです。

2 怒りが激しくなる事情 解決方法が見つからない場合
  怒りが激しくなるのは、尊厳を侵害されて早く解放されたいと思うけれど手段が無い場合です。尊厳が侵害されると、とても不快な気持ちになります。とても不快な気持ちになると、早く不快な気持ちを終わらせたいという気持ちになります。不快な気持ちを終わらせる方法が無いと、ますます不快な気持ちが高まります。益々解消要求も高まります。それでも解消手段が無いと、ほとんど思考が停止している状態になり、ただただ相手を黙らせようと大声を出したり、物に当たったりするわけです。さすがに暴力までする人は令和には少なくなりましたし、暴力には警察通報をする人が驚くほど多くなりました。実際の離婚手続きの多くには夫から妻への暴力というのはあまり記憶が無いです。
 解決方法が見つからないのも事情があります。相手が執拗に尊厳を侵害する発言を繰り返し行う場合が典型です。取り付く島が無いというか。その他反論が見つからない場合、言葉にできない場合等もあります。
 つまり追い込んでしまったので、窮鼠猫を嚙むじゃないですが、イチかバチかみたいな思考停止で行動をしてしまう時が怒りが激しくなっている時です。

3 どうして怒りのポイントが分からないのか

冷静な第三者から見ると「あなた相手を怒らせているよね。」と思う事例が多いのですが、本人はどうやら本当に自分が相手を怒らせている自覚が無いようです。どうしてでしょう。
私なりの印象を列挙しておきます。
① そもそも、最初の発言者も思考停止状態になっており、それを言うと相手が怒るということも考えられない。④⑤も基本はこれ。
② 自分は正当なことを言っている。相手の感情よりも正当性が優先であるから悪くない。怒る方が悪い。
③ 自分の本心は相手を攻撃しているつもりはないので、相手が怒るのが不思議だ。この現象は自分のこれからの発言を自分では予想しているし、本心が別だということも知っているので、それほど打撃力が無い発言だという感覚なのです。ところが、言われている方は、そんなことは知らずただ発言された言葉だけで評価しますので、ストレートにダメージを受けているということです。自分で自分をくすぐってもくすぐったくない事情と同じです。
④ 発言者の人格が一時的に変わっている。精神疾患だけでなく、内科疾患や婦人科疾患でも、一時的に不安が高まってしまい(一種の発作)、不安を解消するためにやみくもに攻撃をするという現象があるようです。こういう場合は、自分の行動の記憶も曖昧になることが多いです。
⑤ 様々な事情で不安が優位になっていると、相手が怒っていないのに、「こんなことを言ったら相手に怒られてしまうかもしれない」ということが、「怒られた」という記憶に変容してしまうことがあります。また、自分が想定する反応よりも厳しい反応であった時、それほど怒っていないのに激しく怒られたという印象になることもあるようです。
⑥ 怒られたくない、仲良くしたいという気持ちが強すぎて、⑤と同じように、怒っていないのに、怒っていると感じることがあるようです。

4 相手が怒っていると感じたら
  まあ、率直にごめんなさいと言っておけばよいように思われるのですが、「怒った?」と繰り返し聞くことが、怒ってもいない場合は、何かからかわれているというか、信用されていないように感じられて怒りがわいてくるということもあるようですから難しいです。

話をはぐらかすというか、何事もないように話題を変えて話し始めるということも案外有効のような気がします。

不安が優位であることを自覚しているなら、相手に打ち明けて相談するということも良いかもしれません。そのときは、「気遣ってほしい」、「こういう風に言ってほしい」、「聞き流してほしい」など、相手にどうしてほしいかを提起することが、相手の負担を減らす方法のような気がします。

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