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家族の機能⑦ 具体的な家族の機能の作り方 [進化心理学、生理学、対人関係学]



また壮大なテーマを掲げてしまったと後悔しています。
これはちょいちょいこのブログで特集をしているところです。夫婦のチップスシリーズや千字式等シリーズ化してご提案しているところです。

家族の機能①のテーマに戻って、「機能不全家族」を手掛かりに総論的なことを考えてみたいと思います。

やはり、家族は、相互に、安心を与えることこそ、現代日本の家族に求められているあり方だと思われます。少なくとも「家族の中に入れば安心だ。」と思えることが必要です。

この場合の「安心」とは、暴力などの身体的攻撃が無いということよりも、人格、人間性が尊重されるということに力点を置いて考えるべきだと思います。つまり、「自分や自分にまつわることが否定されないこと」が安心の第一歩です。

先ずやみくもに、家族を否定したり、非難することはしないことです。そのためには外部ストレスを家庭に持ち込まないというが大切です。中には、「いや」とか、「でも」とか、相手を否定する言葉をまず発することが口癖になっている人がいます。この発言は神経に触ります。また、そこから話し始めると肯定する流れにはならないことになりがちです。

否定されなければ、本音を話しても大丈夫という意識が生まれやすくなります。家族の不具合をいち早く察するためには、話をすることが楽しくなることが有効だと思います。

次に、家族中では自分にとってどうでも良いことを増やし、どうでも良いことは相手の意見に従うということが有効だと思います。会社でのやり方、他人同士を規律する道徳などを過剰に家族に持ち込まないということです。また、自分の親のやり方を踏襲しようとしないことです。親のやり方を踏襲すれば安心できることがあることはよくわかります。しかし、本当にそれでなくてはならないかということは真剣に考えた方が良いです。相手は育った環境も違うし、時代も変化しています。家族は一つ一つ独立国家だと思って、新しいルールを作るという考えの方が良いと思います。

安心のためのやり方はなかなか捨てられませんが、相手の感情を優先してどうでも良いことを増やしましょう。

3番目は、それでも否定しなくてはならない時にどうするかということです。例えば、子どもがうっかり薬物に手を出しそうになっていたら、止めなければならないことは当たり前のことです。その際も、まず最初に肯定できるところは肯定してから、肝心なところを否定することが、禁止の実効性の観点からも有効です。その心情や経緯など、肯定できる部分を必死になって探すという作業をすることが、危険から家族を守る最大の方法だと私は思います。「当たり前のこと」は人によって、その人の環境によって異なります。また、逆上してしまうと、思考力が低下し、言葉による説得の能力が落ちてしまいます。相手の共感できる部分を探し出すことで、冷静になり思考力も回復していくと思います。これはしかし、なかなか難しいかもしれません。

4番目は、家族の誰かの不具合を自分個人の利害とリンクさせないということです。これはなかなか説明が難しいのですが、要するに、誰かの不具合はその誰かだけの不具合ではなく、家族全体の不具合としてみるということです。常に主語を「私たちは」と「たち」をつけて考えるということです。家族の誰かの我慢によって自分の快適さを実現しようと考えているわけではないのですが、私たちという主語が出ないと意図せずに自分の利益だけを考えてしまいがちです。

5番目は家族に過剰なストレスを与えないということです。何かを成し遂げることは大切ですが、本当にそれが必要なことか点検する必要がありますし、相手の能力も冷徹に見極める必要があります。常に要求され続け、要求を充たし続けようとすることはかなりのストレスになります。とても安心することができません。いろいろ兼ね合いが必要ですが、ストレスを過剰に与えない方法で目的を達成する方法を工夫することが必要なのかもしれません。

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