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あなたの妻にとっての結婚生活は、不機嫌な横綱と隣り合わせに座った気持ちかもしれない [家事]

1から100まで妻から嫌われないために

秀逸な(自分で言うか)たとえ話を思いついてしまいました。


あなたが小料理屋で偶然大相撲の横綱と遭遇したとします。
実は、あなたと横綱は、同じ町内に住んでいて、
こちらはそれをもちろん知っていました。
なんと横綱も、ちょくちょく、あなたが
奥さんやお子さんと近所を歩いているところを見ていたそうです。

横綱は気さくなお人柄で、話が盛り上がり、
これから帰るところならば、自分の車で送ると言ってくれました。

最初は、もちろんあなたは遠慮します。
横綱は、ここから電車でターミナル駅まで行って、
電車を乗り換えて帰るくらいなら、
車でまっすぐ南下する方が早い
ということまで言ってくれるではないですか。
あなたはあまり遠慮しすぎるのも悪いかなと思い、
近所づきあいも大切だという言い訳も心の中でつぶやきながら、
横綱の車に同乗させていただくこととしました。

車は高級外車で、専用の運転手もついています。
室内も広く快適です。
もっとも、さすがに横綱なので、
後部座席のかなりの面積を占めます。
窮屈というほどではありませんが、
隣に横綱の大きなお腹が見えることはそれだけで迫力を感じます。
助手席には付き人も乗り込んで、車は出発しました。

最初は、和やかに話が弾んでいます。
あなたも、横綱と話ができることで少し舞い上がっていました。

ただ、だいぶ夜遅いということで、横綱もあくびをするようになってきました。
その都度横綱は、「失礼」と言ってくれるので、
「気にしないで休んでください。」とあなたは言いました。


ちょうどその時、横綱のスマートフォンが鳴りました。
なにやら外国語でお話されています。
助手席に座っていた付き人も同じ国の人のようで、
外国語で話が始まりました。
横綱の声も大きくなり、身振り手振りも大きくなりました。
何の話をしているのかまったくわかりません。
ただ、大きな車とはいえ、手の振りが大きくなると、
その太い腕が当たるかもしれません。
ぶつかったら脳震盪くらいは起こしそうです。

横綱が怒っているのかどうかはわかりませんが、
あなたはなんだか自分の言動が横綱にとって
不愉快だったのではないかという気持ちまでしてきました。
あくびの時は、こちらに気を使っていたのに、
今はこちらが横に座っていないかのような態度です。

とても居心地が悪いのですが、
ここで降りても住宅街なのでタクシーも来ませんし、
家まで歩くには遠すぎる距離です。
なによりも、横綱がますます逆上するのではないかという心配もあります。
横綱の車に同乗させてもらうなんてしなければ良かったなと、
戦々恐々としている時間が過ぎるばかりです。

********

先ず、女性と男性の体格差を表現すると、
一般男性と横綱くらいの違いがある、
というか、女性はそう感じていることがあるようです。

そして、横綱の車が、結婚をイメージしています。
最初は口説かれて、自分を幸せにすると
鼻息荒く意気込んでくれていたのに、
次第に自分に対する関心が薄れてきたような感じがしているでしょう。
もっとも、夫は、おそらく横綱と同じように、
それどころではない事情が起きてしまって
(例えば会社が忙しいとか)、
決して妻に対して攻撃的な気持ちはないのかもしれません。

しかし、あなたは横綱が自分に対する攻撃的意思を示さなくても、
横綱の無意識の腕の動きが自分に当たって、
脳震盪くらい起こすのではないかと危険を感じているでしょう。
危険であると脳が勝手に判断しているわけです。

逃げようとするのですが、逃げられない。
そういう風にあなたは追い込まれているかもしれません。

外国語を使っているので何を考えているのかよくわからないということも、
男の行動パターン、思考パターンと女性の思考パターンの違いを表しています。
メンツや秩序にこだわる男性の感情的になるツボと、
自分の気持ちを尊重してもらいたいという女性のツボは
少しずれがあるようです。

だから、奥さんは、
あなたがわけのわからない時に怒り出すと感じているかもしれません。
そうすると、どうすれば至近距離にいる人が機嫌悪くなるのか、
どうすれば幸せそうにしてくれるのか
まったくわからないということになります。

すると、もう自分の行動で相手を
コントロールできないということになりますから、
相手の顔色をうかがって生きていかなければならなくなるわけです。
大変窮屈な話ですね。
車の中で、いつ横綱の腕が自分の方に動くかを
心配して過ごしているようなものです。
会社に行っているときはいざ知らず、
あなたが近くにいる限り、奥さんはこういう精神状態なのかもしれません。

もう、破れかぶれで大声出して逃げ出そう。
窮鼠猫を噛むみたいなパニックにも似た精神状態になったとしても、
それは奥さんにだけに原因があるのではなく、
そういう精神状態に追い込まれているのかもしれません。


どうすればよかったのでしょうか。
横綱は、最初はあくびをしながら、「失礼」と一言ですが、
言葉を発していました。
この一言によって、あなたは、
横綱があくびをしても不快な気持ちになりませんでした。
飲み過ぎたのだろうなとか、
夜も遅いから眠くなったのかなという配慮までできています。

この一言の挨拶が、あなたに安心感を与え、
恐怖を感じさせない要因でした。
この一言によって、あなたと横綱は、
帰宅という共同プロジェクトのチームでした。
もし横綱が、スマホに出た後のどこかの時点で、
あなたに、「ちょっとごめんなさい。」とか、
手を合わせて謝るしぐさがあれば、
あなたは自分に対して怒っているわけではないと理解できたでしょう。
わけがわからないながら、応援したいという気持ちになったかもしれません。
同じチームのメンバーだからです。

どうやら、女性は、男性に対して、
無条件に脳が危険を感じる場合があるようです。
その中で、必死になって頑張っているということもあるようです。
男なら、到底そんな我慢や精神的な踏ん張りはできません。
女性の方が精神的にタフにできているようです。
それでも、「あなたに怒ってはいない。」、
自分のせいではないにしろ「快適にしないで申し訳ない。」と
いう態度があれば、ずいぶん違ったものとなったのでしょう。

あなたの妻が、精神的に並外れてタフであるとか、
他人のことを気にしないタイプの人でなければ、
耐えず、攻撃的な気持ちがないという
メッセージを発することは必要ではないでしょうか。
それは、そんなに難しいことではなく、
挨拶をすることがから始められそうです。

こちらからにこやかに話しかけるということも有効でしょう。
笑顔を向けるだけも有効でしょう。
何か言って来たら、「ああそれは良いね。」と
口癖のように言うこともそれほど労力が必要なことではないはずです。

こちらの気持ちはわかっているはずだということほど、
無責任な話はありません。
それは、不機嫌な横綱と車の中にいることをイメージすれば、
理解できることだと思います。

体が無条件で感じる危険の蓄積が
あなたと一緒にいることに生理的嫌悪を起こさせ、
同じ空気を吸いたくないとか
町で似たような人を見ただけで凍り付いてしまう
そういう現象を引き起こすのではないでしょうか。

この危険を感じさせないためには、
あなたの奥さんがあなたと同じチームの一員なんだ
という意識を持ってもらうことが有効なのだと思います。
そして、それは、そんなに難しいことではないと思います。