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「あなたは悪くない」という絶望の押し付けからの面会交流を通じての子連れ離婚母の回復とは [家事]

離婚をすると、子どもがいる場合、子どもは、
父親か母親かどちらかと同居し、
どちらかとは別居することになります。

子どもにとって離婚は、
健全な成長に悪影響を与えますが、
別居親と定期的に会うことによって
この悪影響が改善されるということが
様々な調査によって明らかになっています。

しかし、実は、面会交流は、子どもだけでなく
親にも良い効果が期待できます。
もちろん別居親に良い効果が期待できることは
想像がつくことですが、
同居親こそが、面会交流が必要だ
ということがわかりました。

特にこれが当てはまる典型なケースとして、
役所などの「支援」によって
子連れ別居をして離婚したお母さんにとっては
劇的に良い効果が現れます。

役所などの「支援」がどのように行われるかについては
以前書きました。

「後に裁判所でDVはなかったと認定された事例の
公文書に記されていた役所の「DV支援」、
家族引き離しの実態 女の敵は女 1 」
http://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09

先ず、役所は、女性に対して、
「このまま一緒にいると命の危険がある。」
「子どもを連れて逃げなければならない。」
と言うのです。

女性は、10年間一緒に暮らして子どもがいるにもかかわらず、
「自分はとても怖いところで長年暮らしていたんだ」
と思うようになります。

大体こういうお母さんは、
常日頃、不満をもっても、
自分が悪いからかもしれない
と思って過ごしているようです。

夫に改善を求めませんので、
夫は行動を修正しようという気は起きず
何もよくなることはありません。

悪く言えば物言わない批評家です。

だんだん嫌な思いを続けて、
嫌な部分だけを相談しますから、
役所や警察は、
「あなたは悪くない」
と「支援」をします。

そうして、逃げることを勧められます。
初めに居場所を隠します。
これは徹底していて、
共通の友人にも話してはいけない
という指導が入ります。

警察庁などの通達
https://www.npa.go.jp/pdc/notification/seian/seiki/seianki20131220.pdf
これの4頁から記載されています。

そうすると、妻は、
自分は、居場所を徹底的に隠さないと
命の危険があると
だんだん思っていくのかもしれませんね。

必死に逃げてゆきます。
やがて、一緒にディズニーランドや水族館に行ったこともすべて忘れて
嫌な気持ちになったその気持ちだけが思い出されるようになります。

逃げて行けば見つかるのが怖くなります。
かくれんぼというか、逃走中というか
見つかったからと言って何か悪いことがあるわけではないのに、
見つからないようにドキドキしてしまうのですが、
あれも逃げるから怖くなるのでしょう。

この気持ちは5年たっても、10年たっても変わりません。

街中に出ると見つかってしまうかもしれないと思い
地域に引きこもって暮らすお母さん、
街でよく似た背格好の人を見るだけでパニックを起こすお母さん
10年たっても手紙が届くと怖くて警察に駆け込むお母さん

とても幸せだとは思えません。

90%以上「支援」の問題だと思います。

支援は継続しません。
幸せになるための支援ではなく、
何件相談に乗った
何件離婚させた
何件逮捕した
という統計上の数字をあげるための支援
なのではないかと勘繰りたくなります。

離婚して少したつと
女性の支援者ほど、支援に飽きてしまうようです。
女性の支援者ほど、女性の曖昧な
煮え切らない態度を非難します。

この「支援」は、女性にどのような効果を
与えてしまうのでしょうか。

一言で言って絶望です。

自分が安心して生活していた家庭が
実は危険のるつぼであった

自分が息苦しさを感じていたのは、
夫が自分を虐待するからで、
夫が自分を虐待するのには
夫がそういう人間だからだ
理由は存在しない

「自分は理由なく攻撃を受けていた」
これが、人間にとって
最も有害な考えなのです。

この絶望を回避するために
人間は、色々合理化をしようとしますし
最終的には自分が悪いという自責の念を持ちます。

自責の念は持たない方が良いのですが、
絶望を感じることを回避するための
防御反応ですから、最後のよりどころです。

それなのに
「あなたが悪いわけではない」
という「支援」は、
この最終防御反応すら奪い、
絶望にさらすという
極めて過酷な働きかけになる可能性があるのです。

本当の支援者は、この自責感情にも寄り添わなければいけません。
「心的外傷と回復」ジュディスハーマン 79頁

「支援」によって、絶望を押し付けられた女性が、
回復ではなく、恐怖の固定化に陥ることは
必然でしょう。

しかし、この恐怖や不安は、虚構のものです。
ここからの回復もできると私は思います。

第1に、自分が苦しんだ元夫の行動の
メカニズムを理解することです。
この時、「良い悪い」という観点を捨てることです。
物理学のように、事象、因果関係として
過去を観察するのです。

そうすると、妻側の無意識の言動を
夫が悪く感じて、防衛行動を起こしていることが
理解できるでしょう。

双方が、自分と相手の区別を十分つけておらず、
相手に対して無理な希望、期待を持っていることがわかるでしょう。
現実の相手の心ではなく、
自分の理想
自分の道徳
自分の価値観
を押し付けていたことがわかりだすと思います。

夫が、あなたを嫌っていたのではなく、
いつまでも一緒にいたいけれど
その自信がなかったことがわかってきます。

「あなたが悪いわけではないけれど
 あなたの苦しみには原因があった。
 だから、そのことを繰り返さなければ
 あなたは幸せになれる」
概ね、これが真理だと思います。

法則を理解することによって
人は自由になれるわけです(ヘーゲル)

第2が面会交流です。
安心して子どもを相手にあわせるまでは、
第三者の、同居親と別居親に対する
支持的なサポートが必要ですが、

少しずつ、馴れていくことが有効です。
最初はメールのやり取りでよいでしょう。
事務的なやり取りを双方心掛けるべきでしょう。

愚痴や非難めいたことは書かない
というルールを作るべきです。

それから、どういうことが非難めいたということか
具体的に指摘していくことが大切です。
相手にも学習してもらうのです。

メールから、電話、
子どもの引き渡しに現れる
だんだん接近をしていき、

自分が心配している悪いことは何も起こらない。
再婚するわけではないならば
特に心配することはない
ということを少しずつ認識していくのです。

いわゆる馴化(じゅんか)ということです。

「相手と接触しても悪いことが起こらない」
これを繰り返し刷り込むことによって、
少しずつ安心を取り戻していきます。

人間関係はそれほど難しいことではない
ということを双方が感じるようになれば、
もはや逃げる必要はなくなります。

現在の子ども連れ去り離婚型の
お母さんの恐怖は、
怖いから逃げるというより、
逃げるから怖い、不安だという
逃走中の逃亡者の意識だと思います。

そして、「あなたは悪くない。」
という絶望を押し付ける悪魔のささやき
があります。

幸せになるために離婚をするなら、
先ず修復を試みてみましょう。
それで修復ができなくても、
あなたが10年たっても恐怖を抱き続ける
ということが無くなることと思います。
無駄なことでは決してありません。