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【講演告知】職場ストレスが家庭に与える深刻な影響とそのメカニズム 死ななければ良いってものじゃない 支援者が必ず持つべき視点 [故事、ことわざ、熟語対人関係学]

2019年2月21日木曜日 6時45分から
仙台駅前アエル28階研修室において

自死防止の多業種ネットワークみやぎの萩ネットワーク
主催の定例会において
「家庭の問題の真の原因は家族の職場にあるのかもしれない
〜職場ストレスが家庭に与える深刻な影響とそのメカニズム」
と題したお話をさせていただきます。

だいたいおかしいわけです。
人間の行動や感情が
その置かれている環境によって大きく影響を受ける
ということは争いのないことのはずです。

ところが、弁護士や心理士その他の支援者は、
いざ相談を受ける段になって
そのことをコロッと忘れてしまうようです。

夫が怒りっぽくてしつこい
子どもがふさぎがちでやる気がないようだ
という質問を受けると

「それは夫のDVだ、一生治りません」とか
「子どもはうつ病だから薬を処方してもらいましょう」とか
人間の行動や感情が
その人の既に完成された人格であるときめつけ
家族分離を勧めているのです。

非科学的なエレナ・ベーカーの結果論の輸入を
それとも知らないで信奉しているカウンセラーが多すぎます。
どうもカウンセラーという人たちは、
偉い人、有名な学者が言ったということをもって
エビデンスとしている傾向があり、
正直辟易することが多くあります。

しかし、その固定人格の烙印を押された事例の少なくない事例に
環境的要因があることを目撃しています。
環境的要因を共有することによって
家族のきずなが深まり、
続く困難に立ち向かうことができた
という事例も多くかかわっています。

その環境の中の無視しえないものが
過重労働等の職場のストレスです。

「その旦那さんの出勤時間と帰宅時間はどうなっていますか?」
という一言から問題が解決することも多くありました。

環境的要因に目を向けると
根本的解決手段にアプローチできる可能性が高まるだけではなく、
解決行動を協働することによって
問題発生以前よりも良い結果が生まれることもあります。

お互いを支え合う行動ができるからです。

これに対して、相手の人格の問題と決めつけてしまうと、
家族に対する恐怖の感情が生まれてきます。
あなたは悪くない、それは精神的虐待だというアドバイスを聞くごとに
「自分が理由なくしいたげられている。
 自分は、相手からどうでもいい存在だと思われている」
という意識が固定化してゆき、
恐怖感、疎外感、相手に対する嫌悪感が募っていくようです。

相手の行動のすべてが、
自分を否定する行動だと意識されるようになり、
楽しかった出来事の記憶も
自分が馬鹿にされても耐えていたという意味の再構成が起きてしまい、
記憶の改変が起きるようです。

この悲劇をお話して一緒に考えてもらおうと思っています。

どんなに職場で辛いことがあっても
家庭ではスタンダードを維持しなければならない
ということは理想であって
人間観として端的に間違っていると思います。
だから実務的ではない、
つまり問題を解決しないのです。

弱い人間であることを前提として
家族が意識していない問題を顕在化させ
苦しみを共有するだけでも
人間は強くなれます。

職場のストレスは
対人関係的危険の意識を高めます。
いわば傷口が開いている状態です。

対人関係的危険を解消したくても
職場のストレスの場合はなかなか解消できないことが
多くあります。

職場という対人関係で開いた傷口ですが、
対人関係的危険意識ということで
家庭という対人関係の中でも
傷口が開いている状態なので、
些細なことで敏感に反応してしまうのです。

危険を防衛する仕組みは、
記憶の仕組みとかなり重なるのですが、
危険に対処しようとする神経活動が起きています。
防衛意識が過敏になっている状態です。

この神経活動は、それほど緻密なものではないから
対人関係の中で尊重されていないという傷口が
家庭でも閉じにくくなっています。

それで、過敏な神経にさわってしまい、
怒りという防衛行動が誘発されてしまう
ということが多くみられるわけです。

家庭を家族の安全基地にする作業こそが必要です。

また、労働者である当事者はなかなか職場に文句を言えませんが、
家族ならば職場に文句を言うことができることがあります。
憲法で保障されているのは労働者の労働組合ですが、
家族組合を作って、職場と交渉をするということも
アリなのかもしれません。

今の地域労組は、
家族も組合員となって団体交渉に参加する労組もあります。

もしかしたら、
働き改革を推進する力は家族にあるのかもしれません。
働き方改革の目的も、労働者家族の幸せにおくべきでしょう。

当日のお話は、
悲劇的なお話をいくつか行い、
環境の人間に与える影響を紹介し、
どのような支援をするべきだったのか
一緒に考えていきたいと思います。




 
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