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ある秋晴れの面会交流の記録 代理人どうしの阿吽の呼吸をスタンダードに! [家事]



とある秋晴れの日に、
面会交流が実施されました。
本当は、親子水入らずでやってもらいたいのですが、
事情があって、父親の弁護士、母親の弁護士が立会いました。

事情というのは、
子どもたちは、別居している親に対して
やはり後ろめたさがあって、
会うのが億劫だというところがあったようです。

別居親の方は、やむを得ない側面もないわけではないのですが、
子どもたちに同居を迫ったということがあり、
子どもたちはますますおっくうになり、
両親の代理人が一肌脱いで、
間に入って関係をリセットしようというわけです。

代理人同士の打ち合わせはなし。
ただ、双方とも離婚事件はガチの対決でしたが、
親子の問題は別だということで意見は一致していました。

最初同居親の弁護士と子どもたちが面会場所に到着しました。
同居親の弁護士が、別居親の尊敬できるところを話しながら、
会いにくい心情を言い当てて、共感を伝えはしました。
子どもたちの部活動や趣味を確認したりもしていました。

次に別居親代理人と別居親が登場しました。
先に言った事情があったのか、代理人がいるからか
なかなか会話が始まりません。
元々口数が少ない親子ということもあったようです。

弁護士の一人が、子どもたちの部活動について
例えば野球の話ならば、ある野球選手の逸話を話しだし、
ガンガン話を続けました。
オチを付けながら、楽しい話になったと思います。
別居親の笑顔も久しぶりにみました。

もう一人の弁護士が、話の穂を接ぎながらも
同居を迫ったいきさつをお話しして
あの時は仕方がなかったというフォローをすると
もう一人の弁護士は、今はもう大丈夫だから
同居親の方にい続けることは問題ないけれど
もう少しフランクに別居親の方にも顔を出してほしい
ということを言いだします。

ただ、決して焦らずという意識は双方にありました。

そうして、別居親の家に行く場合として
具体的にどういう場合かを相談を始めました。

その中で、子どもたちも塾や部活動で忙しく
なかなか顔を出す時間がないという事実を
双方が共有していきました。

子ども達、別居親の双方の懸念材料を
一つ一つ外していって
安心して会うことができる工夫を探っていきました。

それ程長い時間の面会ではなかったのですが、
別居親もある程度満足してくれたようでした。
結局、ずうっとニコニコしていました。

先に別居親と弁護士が場所を去りました。
子どもと同居親の弁護士が残りました。
別居親のある発言が
子どもを圧迫したのではないかと思い聞いてみたら、
子どもの方が別居親をフォローしていました。

やはり親子なんです。

同居親からすると少し強引な形で交流が始まり
別居親からするとまだまだ物足りないと思います。
そのくらいが、もしかしたらちょうどよいのかもしれません。

小学校は卒業しているということで
子どもたちの年齢が比較的高いということもあり、
あとは、決め事などせずに
双方の都合で普通に同じ時間を過ごしていただく方が
うまくゆくのではないかと思っています。


途中から、どちらの弁護士が、どちらの代理人かを
あえて書かないで報告しました。

面会交流が終わってみると
どちらでも良いからです。
おそらく、少しトーンは違うかもしれませんが、
口火を切った弁護士が逆の弁護士であっても
同じように事は進んだでしょう。

大事なことは、どちらの代理人かではなくて
離婚は親同士の問題であり、
子どもに迷惑をかけない
ということで一致していたということではないでしょうか。

自分の方を少しでも有利にしようとしてしまうと
駆け引きになってしまい、
こうはいかなかったと思います。

弁護士同士の信頼関係が
相手の考えを尊重しようという態度につながり、
一歩も二歩も引きながら
ただ、子どもたちにとって一番良い方法
無理のない方法を探して言ったのだと思います。

弁護士同士の打ち解けた雰囲気も
とても効果的だったと思います。

親子問題についてはこれがスタンダードになるべきだと思います。

面会交流に立ち会うことは
立ち会う必要がある場合は
弁護士も積極的になるべきです。

全く話が早く、
スムーズに面会を行うことができ
面会の後もスムーズになると思います。

ああ、人間としての仕事をしたなと
魂が現れたようなすがすがしさを感じます。
秋晴れの空を見上げた時のような気持になれる
弁護士の特権だと思います。

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