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黒川東京高検検事長がマージャン賭博の文春砲で辞意とは、出来すぎているのではないかと思う理由【斜め下から深読みしてみる】 [弁護士会 民主主義 人権]



黒川氏の問題は、以下のような問題だと認識している。

検察庁法によると、検事長は63歳定年となっており
黒川氏は令和2年2月7日をもって退職となるはずだった。
ところが、閣議決定という荒業で
黒川氏の定年は8月7日まで半年間延長された。

どうして荒業かというと
検察庁法では、定年の延長が認められていないからだ。
国家公務員法では定年延長が認められるけれど
政府の従来の見解も、素直な法解釈においても
検察官の定年延長は認められないということだった。

法律解釈の定説からすると
黒川氏は違法にその地位にとどまっていることになる。
これを合法化するためには
検察庁法を改正して
検察官も内閣の判断で定年延長ができる
という形にしなければならない。

そのため、検察庁法の改正が国会に提起され
多くの反対意見によって
今国会の成立を政府が見送り、
秋の臨時国会まで待たなくてはならなくなった。

そうすると、黒川氏は
8月7日で定年に達してしまう。
黒川氏を検事総長にすることができない。
これを回避するためには二つの方法があった。
一つは、7月に再び閣議決定をして
黒川氏の定年の再延長をするという方法である。
しかし、これだと、ますます黒川氏のための
検察庁法の改正になってしまい
世論の反発が強くなり
秋の臨時国会の運営も難航するというデメリットがある。

もう一つは、
現検事総長を7月中に辞任してもらい
黒川氏を検事総長にしてしまうという荒業である。
そうすると、黒川氏の定年は65歳まで延長される。

問題は現検事総長が辞職しないことだ。
また辞職を強要することになると
問題が大きくなるうえ、
検察庁人事に対する露骨な政治介入が行われ、
検察庁という組織自体が空中分解しかねない。

なかなか黒川検事総長は実現に困難が伴う見通しとなる。

一方
黒川氏も法律家であり、しかも法の執行者たる検察官である。
法律上正当な根拠がないのに
検察官として給料をもらい、ボーナスまでもらうということに
忸怩たる思いがあったはずだ。

普通に考えれば
本人の法律家としての立場から
また検察庁という組織の人間としても
定年で辞めたいと思っていた可能性がある。

逆に考えて
黒川氏がどんなに政権の弱みを握っていたとしても
自分の定年を延長しろとごり押しできるほど
強い立場にいたということは考えられない。

黒川氏は定年退職したかったのに
それを許さない事情が何かあったと私は考える。
つまり、辞めさせてもらえなかったのではないかということである。

そのなかで
今回の文春砲の賭けマージャン疑惑
政治家との信頼関係を職業的に守る
マスコミ関係者とのマージャンだ。

黒川氏が辞めざるを得ない状況を作ることができた。
しかも暴露したのが文春砲
これはみんなにとって都合の良いことであったと思われる。

本当に麻雀が行われたのかについても
誰も検証することはできない。おそらくしないだろう。
麻雀が行われて金をかけないということは
いい歳をした人間であれば考え難い。
しかし、そのレートは不明である。

おそらく一緒にマージャンをしたメンツの名前は
永久に出てこないだろう。
産経と朝日が、荷を分かち合った格好になっている。
それで終わりだと思う。

それでも賭けマージャンが公になれば
辞職することができる。
点2でもデカピンでも賭けは賭けということになる。

おそらく懲戒処分にまではならないだろう。
そもそも法に従えば民間人であったはずの行為だということも
何らかの役に立つだろう。

私はどこまで非難に値するかについては
レートによるだろうと思っている。
(これについては、いろいろな考えがあるだろう。)
セクハラやパワハラ疑惑に比べれば
本人の今後に与えるダメージは最小限だったのではないか。

そう考えると
あまりにも鮮やかすぎる幕切れなのではないかと
そう考えてしまう。

そういえば黒川さんの真骨頂は
人間関係の調整ということだったはずだ。


もちろんうがった見方だとは思うのだけれど。


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