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【炎上に便乗】産後の女性をいたわることこそ日本文化の伝統 差別とは障壁を無いことにするところから始まることを学ぶ 女性の敵は「女性」 [事務所生活]


とある衆議院選挙に立候補をした経験のある方名義の
Twitterが炎上しているようです。
「産後うつは甘えだから、それを言い訳に家事育児を怠ったら怒鳴りつけてしつけろ」
という非常識なメッセージです。

これに対して反発が大きいもので炎上となったということですから
「産後うつ」という言葉がかなり普及してきたということで
我が国も健全化しつつあるなあと感じました。

こういう機会をとらえて産後うつという概念を
さらに広めるいいチャンスだと思いました。

産後うつは、大変怖い現象です。
広い意味での自死が起きたり
母子心中の原因にもなります。

また、離婚や別居の原因にもなると思われます。
そうならなくても不安や緊張が持続して色々な不具合が起きる可能性があります。
つまり、女性が不幸せになる原因となっているのです。

これまでもこのブログでしつこくお話してきました。

産後うつと母親による子どもの殺人と脳科学 床上げの意味、本当の効果
https://doihouritu.blog.ss-blog.jp/2014-12-11

もっとまじめに考えなければならない産後クライシス 産後に見られる逆上、人格の変貌について
https://doihouritu.blog.ss-blog.jp/2015-10-12


言いたいことは
産後うつ、産後クライシスは
気の持ちようではなく、脳の変化である。
気合を入れられたからと言って
無くなることはないということ

古来から日本では、産後うつという言葉はないにしろ
その現象を把握しており、
その手当て、母親に対する気遣いを
地方ごとに行っていた
これが日本の古来からの伝統であるということです。

健全な批判が多数起きることによって
産後うつの真実についての知識が広まることに
微力ながら貢献していこうと思います。



しかし、今回言いたいことはもっとあるのです。

先の立候補経験のある女性名義のツイッターで、その後
「『産後うつ』などと甘えたこといっているから男女平等は実現せず、性差別が横行することにまだ気付けないのでしょうか。」
というツイッターが更新されたことです。

これは日本がいつか来た道です。
1980年代に、雇用機会均等法を制定する露払いとして
それまで労働基準法上認められていた
女性の深夜勤の禁止と生理休暇の権利が廃止されました。

深夜勤の禁止や生理休暇が、女性の職場での地位向上の足かせになっている
という主張がされたのです。

この時も表だってそのような主張をさせられたのは女性たちでした。

女性保護を当該女性の保護に限局してとらえての主張だったのですが
本来は「母性」保護だったのです。
立派な国家政策でもありました。
母性を保護することによって、
これから生まれてくる子どもたちを保護する
という意味合いが強い規定だったのです。

生まれてくる子どもよりも
職場で対等に出世するということに価値をおいた主張だったわけです。

さて、法律ができてその後、女性たちが
男性と同様に正社員になり、出世していったか
男女の賃金格差が是正されたか
閣僚の半数近くが女性になっているかと言えば
そうではないことは現実を見てのとおりです。
今にして思うと、初めから男女賃金格差なんて
目指してはいなかったように感じます。

男女が同じ条件で競争しなければならない
というところにこそ不合理を感じるべきだったということに
今回のツイッターであらためて気が付くことができました。

実際は様々な男女の違いがあるにもかかわらず
それを無いことにして叱咤激励をするということは
(違いを乗り越えることができる個体はいるもので、
そういう人たちは良いとして)
圧倒的多数に対して
男性の作り上げた男性仕様のシステムの中で
現実に立ちはだかる壁に押しつぶされることを押し付けているだけです。

不合理を是正する、差別を解消するということは
この壁を取っ払って、対等な競争をするということです。
そうなると
対等な競争とは、助け合いということに意味が変わるはずなのです。

結局女性の真の解放は、
女性の心に安心感を与えて、女性の能力を発揮することであり、
そのためは、男女の違いを承認し、
女性にとって不合理な壁を取っ払うことが必要であり、
これなくしては女性は不合理な、不当な評価を受け続ける
ということにも気が付きました。

つまり、男女の違いを承認しなければ
女性は解放されないということです。

違いは違いであるだけです。
違いに優劣はない。
ここから始めませんか。

そしてもう一つ
男女の違いを認めずに
女性に対して男性仕様の評価に甘んずることを押し付けるのは
常に女性名義で主張が行われるということ
このことも心にとめておきたいと思います。

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