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第4回 「男子厨房に入らず。」のもう一つの教え。頼んだことは最後までまかせるということ。コロナ禍を活かした家族メンテナンスのヒント4 [家事]



「男子厨房に入らず」とは、
調理は(動物や魚の死骸を処理するから)女性にだけさせるという
封建制度の権化だとされていると思うのですが、
もっと大切な意味があると私は受け止めています。

確かに女性が調理をすることが昔は一般的だったのかもしれません。
電気の無い時代は調理には時間がかかりましたし、
その時間誰かが収入を得るための労働をしなければなりません。
国民の大多数は農業を営んで力仕事をしていましたから、
力仕事は男性、調理は女性という分業は筋肉量の違いから合理的だったと思います。
女性が調理を任されていたわけです。

それにもかかわらず、
男性が厨房に入って調理をしているところを見て、
あるいは調理終了後の片付けの状態を見て、あれやこれや口出しをしていたら、
調理している方はたまったものではありません。
「ああうるさい!」と言えればまだよいですが、
それも言えないならばどんどんストレスが溜まっていくことでしょう。

他人に何か用事をお願いしたら、
やり方を含めてその人にすべてを任せるべきです。
それが自分たちのためにやってくれた人に対する敬意の表し方なのだ
ということを教えている言葉なのだと思うのです。

だから、「男子厨房に入らず」という言葉とセットなのは、
「男子たるもの出された料理に文句を言わない。」ということなのだと思います。
ただ、「ごちそうさまでした」と感謝の言葉だけを言えば円満になるわけです。

せめて、「塩味が足りない。」と文句を言うよりも、
「もう少ししょっぱい方がもっとおいしくなるかもしれないね。」
と表現を工夫するくらいの配慮は必要だということなのでしょう。

それを小さな子どもが親にするように文句を言っていては、
大人の資格なしと日本の知恵は教えているのだと思うのです。

もしかすると、この言葉はもう一つのことを教えてくれていると思います。
それは、どうしても他人のすることには、
不十分な点ばかりが目についてしまうものが人間だということです。
また、それが正しいとは限りません。

自分の言っていることがひとりよがりではないか
という発想にはなかなか立てません。
良い結果を生まないかもしれないのに、ほぼ確実に相手を不愉快にさせます。
やはり、他人に任せたことは、あえて見ないこと、
感謝を先ず表明するということが最善なのでしょう。

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