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子供が他人を傷つけた場合、親に損害賠償の責任があるか [民事・消費者]

大人が他人を怪我させた場合、
通常は、損害賠償の責任が発生します。
治療費、入院雑費、通院の交通費、
入院や通院の期間に応じた慰謝料、
仕事を休んだら休業補償、
後遺症が残ったら、慰謝料と逸失利益
と大変な金額になることもあります。

このことは、子供が他人を怪我させた場合でも
その子供に責任が発生することになります。
但し、子供が幼さすぎる場合、
自分のやっていることが分からないということから、
責任能力が否定され、損害賠償責任を
負わないということもあります。

もっとも、概ね中学生以上になれば、
この責任能力が否定されることはありません。
(小学生でも認められる場合もあります)

ただ、中学生、高校生が、責任を負うと言っても、
支払うお金が無いことが多いため、
被害救済の観点からは、
子供の親に代わって支払ってもらいたい
ということは理解できるところです。

では、例えば、高校生の子供が
他人を怪我させた場合、
その親は損害賠償支払い義務を負うのでしょうか。

原則としては、負わないというべきでしょう。
親と子とはいえ、別人格だからです。

親であっても自分の行為に基づいて責任を負う
というのが近代市民法の大原則となります。

逆に、親が責任を負う場合としては、
子供が粗暴に育っていくことを放置したり、助長したりした場合、
子供が粗暴で、他人を害する行為をするのに、
なすべき予防措置を取らなかった場合
ということになりますが、
現実問題としては、あまり、想定できる場面は
少ないように思われます。

責任追及する立場になれば、
よっぽど、その家庭の事情を知っているとか、
変なポリシーを公言していたとか、
例外的事例でなければ、
立証ができないということになりますので、
親の責任を追及するということは、
できないということになると思います。

加害者が子供の場合、
確かにその親も憎く思いますが、
損害賠償請求をするということは、
あまりしないと思うのですが。


判決の予測可能性 弁護士は見通しをどこまで語れるか 和解の理由 [民事・消費者]

弁護士資格を有する人たちが、
テレビのショーで、何か事案を用意されて、
結論はこうなるということで、
激論をする番組があるようです。

イライラするから見ません。

特定の事例で、
判決だとこうなるということは、
弁護士の実務を何年かやって入れば、
簡単に言えなくなるのです。

これがショーではなくて、
本当の法律相談であれば、
結果を請け負うことは、
弁護士の場合、禁止されていますから、
そもそもやってはいけません。

どうやら、その番組は、
弁護士によって結論が変わるという趣向らしく、
それはそれで、真理を突いていて面白い
かもしれません。

しかし、弁護士どおしで議論をする場合、
激論にはなりません。
このケースのこの面を強調すればこうなるけど、
この点を重視した場合は、こういう結論もあり得るね
という感じです。

また、この点は立証が難しいから、
ここを押してゆくのはギャンブルなので、
こちらに力を入れて次善の主張をした方がいいな
とかということになります。

裁判は、不確定要素が多いのです。

見通しを的確に語れる弁護士は優秀ですが、
優秀そうに見通しを断言する弁護士は要注意です。
難しいところです。

最終的には、強気になれる要素と
弱気にならなければならない要素を説明し、
判決になった場合の危険性をきちんと説明できる弁護士に
私なら依頼をします。

例えば、
裁判官は3年くらいで転勤となるので、
事件の途中で裁判官が交代するということは
よくあるわけですが、
交代前の裁判官と交代後の裁判官が
言っていることがまるっきり違うということも
少ないとは言えません。

よくかわることもありますが、
一方当事者にとって、
丸っきり悪くなる場合もあるわけです。

こうなってくると、弁護士の力は関係ないような気になり
むなしさだけが募るわけです。

まあ、雲行きが怪しいなとわかればまだよいのでしょう。
対策を立てることができるわけです。
気がつかないで判決で逆転されると
取り返しがつかないわけです。

数年実務を行えば、
このような経験をするわけです。

だから、
確かに私はあなたの言うとおりだと思う
でも、判決になるとどうなるかわからないよ
損だと思っても、大損するよりいいから
和解した方が安全ですよということになるわけです。

もっというと
裁判になったって、
こちら側の言い分が通るとは限りませんよ
この辺で示談をした方が安全です。
裁判になれば弁護士費用もかかります。
経済的な話だけをすれば、
裁判にしないで示談にした方がいいです。
というのが、(場合にもよりますが)
経験豊富な良心的な弁護士ということになります。

もうからない弁護士ということにもなるのでしょうが。

裁判してもらいましょう。お金が無いなら支払う心配はできない。 [民事・消費者]

まあ、お金が無い方の代理人をやることが多いのですが、
お金を請求するという場合もあって、
そんなときに一番困るのは、
相手方が行方不明になることと(相手が誰だかわからない場合も含む)
相手にお金が無い場合です。

相手にお金が無いと、
勝訴判決をもらっても、
お金をもらうことができないからです。
それをわかっても裁判をやることはあるのですが。

しかし、中には、裁判や調停をやれば、
お金をもらえると錯覚している人がいて、
相手にお金が無いことをわかっていながら
裁判にするケースもあります。

逆にその裁判を受けるお金の無い人も、
裁判を出されたのであれば、
お金を出さなければならないと思っている節があります。

まあ、出さなければならないということは間違ってはいません。
でも、貯金も無いし、給料も低いというのであれば、
出す心配しても、結論は一緒です。
悩めば都合がつくなら悩めばいいのですが、
悩んでも出せないなら悩むだけ無駄ということになります。

請求する者の立場に立つと
真実はそういうところにあります。

まあ、実際は、誰か親族なりに出してもらうということが
現実的だし、裁判回避するためにある程度は出す
という親族もいたりするわけです。

しかし、請求する側も請求することに慣れていないので、
200万円請求できると聞けば、
数10万円親族が出すと言っても、
ウンとは言えないことが多いようです。

しかし、それはあくまでも裁判にしないためにならだすのであって、
裁判になったら1円も出さないことが多いのです。
経済的なことを考えたら、
理想金額にならなくても、形ができれば、
気持ちに折り合いをつける方が、正解ということが多いです。

気持ちの上でもその方がよいことが多いです。

自分は被害者である。相手は加害者である。
裁判をやって、お金をもらえなくても、
気持ちを晴らしたいということで
敢えて、相手を攻撃したいということで
裁判を出す場合があります。

男女関係なんかで、そういうことが多々ありますが、
ものの見方ということは、立場によって違うのです。
加害者と言われた人にも言い分があることが多く、
裁判前には気を使って何も言わないけれど、
裁判になれば堂々と主張する
ということも出てきます。

裁判やれば、被害者としての気持ちで終われるのに、
どうしても嫌な思いをすることになりがちです。

逆に加害者として訴えられそうな人は、
訴えられるとびくびくしているのですが、
どうせ、支払う心配もできないし、
言いたいこと言えるわけだから、
裁判してもらいましょうよと
あなたが心配しても、状況が悪くなることは
なにも無いのですよ。
と言ってあげたくなる場合もあるわけです。

加害者として損害賠償請求された人が、
お金が無くて支払えないというだけでなく、
逆に請求者の夫から
お金を支払ってもらうという和解となってしまった
ということも実際にあります。

また、本当は加害者ではないし、
こちらから請求できるのだけど、
敢えて請求しないでいたら、
相手から請求されてしまったというケースもあり、
裁判やるなら請求するということで、
逆に支払ったケースはたくさんあります。

裁判やらなければよかった
と思うことはたくさんあるわけで、
裁判になる前であれば、
ご協力できる場合でも、
裁判になれば、法律に従って行動する
ということになってしまうわけですから、
いざ裁判というときは、
冷静に裁判をやる目的を自覚して、
ことを決めなければなりません。

あおる弁護士より
抑える弁護士の方が
ベテラン弁護士に多いのは
こういう理由です。

自殺と保険金 死亡すると借金が免除される場合 [民事・消費者]

死亡すると生命保険が下りて、
受取人ないし遺族が保険金を受領できるわけですが、
契約から1年以内とか、2年以内に自殺で死亡した場合、
保険金が下りないという条件が付いている場合があります。

また、保険金はもらえないけれど、
住宅ローンや一部のサラ金もあるのですが、
団体信用保険といって、
借金時に、保険料を支払い、
死亡したら、借金の残りを保険金で払ってもらい
遺族が借金を引き継がないという保険に入っていることも
結構あるのです。

至れり尽くせりというか、
自分で保険料を払っているのですが、
よくわからないこともあります。

この場合も、普通の生命保険と同じように
自殺免除の特約があることが多いです。

ただ、期間以内の自殺の場合にも、
保険金が支払われる場合があります。
というか、
保険金が支払われてもいいはずの場合があります。

古い判例で、
自殺といっても、
重い精神病で、自分が何をやっているかわからないような
(心神喪失の)場合の自殺は、
自由意思による自殺とはならないので、
保険金の条件でいう自殺にはならないので、
保険金が支払われなければならない
というのがあるのです。

古いとは言っても、現在でも生きている判例です。
保険会社は、この判例に従って、
保険金を払わなければならない場合があるのです。

この判断は微妙なので、
わざとではないにしろ、
本来支払われるべき保険金が
支払われない場合もあるようなのです。

ずいぶん昔ですが、
やはり旦那さんが借金を残して自殺された事例で、
銀行に対して、奥さんの代理人になりましたからよろしく
という手紙を出しただけで、
銀行から
やっぱり団体信用保険の適用が無い当のは
誤りでした、借金の請求はやめます
という回答がきたときがあります。

本当に単純なミスだったかもしれませんが、
借金が無くなったからよいかといって、
あの時は深く詮索しませんでした。

そんなこともあるので、
一度、古い判例を知っている弁護士か
自殺の労災事件を担当している弁護士等に
相談した方がよいと思われます。

全国過労死弁護団に入っている弁護士は
大体知っているし
知らなくても同じ作業をするはずです。

あとは、日弁連のひまわりサーチで、
取り扱い分野で「保険」をチェックしている
弁護士でしょうね。


緊張こそ不可欠 リラックスではだめ 証人尋問 [民事・消費者]

証人尋問や裁判官面接で、依頼者と裁判所に行くとき、
かなり緊張している方が多いのですが、
緊張したらどうしようとして緊張している方も
むしろ多いようです。

どんな方にも、緊張してくださいといいます。
事件によっては、自分の一生を左右することになるので、
緊張して当たり前です。
そういうと、逆に緊張が少し解けるようです。

緊張して口数が少なくなる方がよいのです。
証人尋問など、裁判官の前で話す場合は、
事前にいうべきことを陳述書という書面にして出してあるので、
何かを言わないことで、不利益になることはあまりないです。

逆に緊張しないで、余計なことをどんどんしゃべることは、
裁判官に良い印象を与えないし、
真実と違うことをどんどん言ってしまい、
修復不可能になってしまう危険もあります。

本当は緊張しないなんてことは無いと思うので、
緊張を自覚しないだけなのかもしれません。

大事なことは緊張して、緊張を自覚すること
と整理できるかもしれません。

だから、事前の打ち合わせで、
緊張しそうですと相談されるときは、
緊張するのが当たり前だから、
緊張するのは問題ありません。
むしろ、緊張して私の質問だけ聞こえるくらいが
ちょうどいいのです。
裁判官の前で、自分が緊張しているなと
感じることができれば、
80%以上は成功です。
ということにしています。

緊張してくださいと言った方が、
過度の緊張をほぐして、
程よい緊張状態になるようです。

長嶋茂雄さんが、
プレッシャーが強いほど、プレッシャーを楽しめる
と言っていましたが、
それはよほどの天才で、普通の人はそうはいかないでしょう。

おそらく頭一つ抜き出る人の
共通の才能なのでしょう。

体をリラックスさせるというのはスポーツでは
大事なことかもしれませんが、
気持ちまでりラックさせては、
その一つ上まで行くことはできないのでしょう。

証人尋問はそこまで、高度な話ではないので、
弁護士に任せて、十分緊張していただければ
やるべきことはやれるはずです。


夫の浮気相手に請求する慰謝料額 [民事・消費者]

夫が浮気をした場合、妻は夫のう浮気相手に対して、
慰謝料を請求することができます。
問題は、その金額です。

これが、実際の和解例と教科書と食い違うため、
その弁護士によって、予想金額に開きが出るし、
裁判官によって、金額が変わるともいえるところです。

教科書というか判例紹介の本では、
せいぜい30万円くらいからというのが多いように紹介されていますが、
100万円、200万円からという請求も実際は少なくないです。

もちろん、夫婦の結婚してからの期間、
浮気の程度、浮気についての積極性
等によっても金額が変わります。

それよりも問題は、浮気相手の責任の
考え方ということになります。

要するに浮気をした夫と同額の責任か
共犯者としての責任かということです。

夫の浮気の代償が高額となることは
まあまあ承認されているところです。
100万円、200万円からということになります。
夫には妻に対する貞操義務があり、
この義務違反となるからです。

問題は浮気相手です。
浮気相手には妻に対する貞操義務はありません。
貞操義務違反者である夫の
共犯者ということになるか、
第3者として妻の権利を侵害した
ということになるわけです。

第3者として妻の権利を侵害したというのであれば、
債権侵害ということになり、
自由競争という考えが忍び込んできて、
あまり責任が無いようにも思えます。
なるほどちょっと変ですね。

共犯者ということになれば、
夫と(不真正)連帯責任ということとなり、
夫と全く同じように責任追及される反面、
夫が支払えば責任が軽くなったり、無くなったりすることになります。

最高裁は、後者の口ぶりの判決を出していますが、
実際の例は、共犯者といいながらも、
浮気相手と夫との金額は、
ずいぶん違うと紹介されています。

判決だとどうなるか、イマイチ自信が無いのは
この種の事件は、おおよそ和解で終了するためです。
裁判官は、どのように判断するか、
あまりそれがわかる機会が無いからです。

だから、相談例でも、このくらいからこのくらい
とはばを持って説明するようになります。

実際の和解金額は、
支払う側の経済力に左右されることが多い
ということは言えます。
数十万円から百万円の間というところでしょうか。

夫の妻の浮気相手に対する慰謝料は、
百万円から上ということになることが多いです。

サラ金交渉の実態を知らずして、視聴率稼ぎの取り上げ方はしないでほしい [民事・消費者]

実は私は、あまり債務整理の事件を積極的に受ける方ではなく、
頼まれれば断らない程度なので、
それほど、件数が多いわけではありません。
でもやってないわけではない。

私より先輩の弁護士になると、
そもそも債務整理はやらないという人もいて、
しかし、後輩の弁護士には、
債務関係がほとんどだなんて人もいるわけです。

それでも、テレビで、債務整理交渉の闇
なんて番組をすると、
自分の事件もそうかしらと
弁護士会に苦情が来たりするので、
役員として対応することが多くなるのです。

そのほとんどが、まじめに事件を処理しているのに、
テレビで紹介された理想例と違うということで、
疑心暗鬼になっている相談です。
メディアの取り上げ方では、
サラ金から借りれば必ずお金が返してもらえる
という印象を持ってしまうようで、
ちょっとちょっとと突っ込みたくなるような相談もけっこうあります。

ここ数年は、大手サラ金、クレジットの場合、
利息制限法内の貸し付けも多く、
数年以上取引をしても、
過払いにはならないという例も多いのです。

もともと、債務整理は割に合わない仕事で、
私はこの時のイメージがあるので、
やらないで済むならやりたくないです。

わかりやすくいえば、
平成16年3月31日まで弁護士報酬の基準があり、
示談交渉1件当たり、10万円以上となっていました。
サラ金1件につき10万円ですから、
10件あれば仕事を始めるだけで100万円となります。

それでは多重債務者の救済はできないので、
基準違反での懲戒覚悟で、
1件2,3万円で、決死隊としてはじめていったのでした。
また、弁護士法違反の分割着手金も受けていました。
だから、着手金を全額払う前に
行方不明になって、立場が無くなるなんてこともあったわけです。

それでも、過払いになることは少なく、
4年分割払いや6年分割払いの交渉をしていたものです。
途中で支払われなかったり、行方不明になるということも
けっこうありました。

確かに、一時、過払い計算をすれば、
すぐに和解して、過払い金が支払われた時期がありました。
それ以前は裁判で、サラ金や商工ローンも理論武装して
やりあっていたものでした。

現在は、それより厳しい状況にあるといってよいでしょう。
最高裁の判例は出そろっているのですが、
サラ金が存亡をかけて激しく抵抗しているのです。

まず、なかなか交渉が始まらない、
先に和解案をファクシミリしろ、手紙で出せと
それから担当者を決めるというのです。
ファクシミリはいつも話し中で、送信できません。

ようやく担当者が決まっても
いつも話し中、折り返し電話させるといってもなかなか来ない。
電話の相手は、交換業務だけだといってのれんに腕押し、

ようやく担当者と話ができても、
和解案の半分だ、分割払いだとごねてきます。
電話でやり合い、大手サラ金の担当者に、
それは単なる嫌がらせだと認めされました。

これでは、全件裁判しなければならないようです。

過払い金の交渉には時間がかかるのです。
また、交渉過程で当初の案から減額されることもあるわけです。
そうでなければ裁判が必要になります。

過払いの場合はまだしも、
この嫌がらせが、
債務者が支払う方にも影響を及ぼしており、
これまでいってこなかった、ある意味正当な主張を
するようになってきました。

これまで、弁護士が介入すると、
元金の均等払いが一般的で、
利息を免除してもらっていましたが、
法に従った利息の請求をするようになってきました。

分割払いでの和解はしにくくなった感があります。

センセーショナルな取り上げ方をしなければ、
視聴率は稼げないのでしょうが、
取り上げ方が、色々な弊害を作っている
という感想も持つ次第です。

依頼者の利益、金額と減額 裁判をする意味  [民事・消費者]

裁判は、弁護士を頼まなくてもすることは不可能ではありません。
しかし、裁判は、手続きを守らないだけで負けることもあるので、
裁判に踏み切る場合は、弁護士を選任することをお勧めしています。

そうすると、裁判をやれば、弁護士費用がかかることになります。
逆に言うと、
お金をかけてまで裁判をやる意味があるかを検討してもらうことになります。

裁判をやって、利益が出ない場合は、
裁判に勝てない場合と
相手にお金が無い場合、
相手が行方不明な場合もあります。

それでも、やる意味がある場合は、
裁判に踏み切ることになります。
要は気持ちの問題ということになりましょう。
(会社の貸し倒れを確定させるための裁判はあります。)

その場合、
経済的には費用倒れになるので
何のために裁判をやるのか、
依頼される方が、言葉で説明できるまでになってからでないと、
お引き受けすることはできません。

お金と時間と精神的負担はかかるので、
それで、何も取れなかったとなると、
弁護士だけお金をもらうわけにはいかないからです。

何を考えてもらうか。

裁判をやらなくても、気持ちが切り替えられて、
再出発ができそうな場合は、
裁判に踏み切らないことをお勧めします。

ここで、やるだけのことをやって、
それでもだめならば納得する。
将来に向かって、新しい一歩を踏み出すために、
どうしても裁判という手続きをしなければならない
という場合にだけ、

経済的利益は出ないけれど
精神的利益が出る場合は、
お引き受けすることがあります。

できれば、裁判なんてやらなくて、
弁護士のカウンセリングで、
気持ちを切り替えてもらった方がよいのです。

でも、相手から強く自分を否定された場合、
どうしても、判決という形がほしい
判決という形ができることで納得する
ということはあるようです。

一つには、相手から離婚を請求された場合、
気持ちが離れている以上離婚はしょうがないが、
自分に離婚を請求される落ち度はあったのか

一つには、解雇です。
自分は、まじめに仕事をしていたのに、
なぜ、解雇されなければいけないのか、

なぜ、仕事をしたのに代金を払ってもらえないか。

いろいろなことが、
自分や自分の行為を否定されたと受け止められる場合、
自分の気持ちを回復させるために、
裁判をしたという形がほしい場合があるようです。

この時、依頼者の真意を言葉にして、
裁判で主張すると、
これを言ってもらったということで、
満足していただけたこともあります。

だから本当は、
およそ裁判にかかわる場合は、
すべからく、裁判をする意味を言葉にしてもらうことが
望ましいようです。

金額にこだわりすぎると、
和解の機会を逃してしまう場合があります。
わずかな金額が折り合わずに、
判決、控訴等しているうちに、
相手方の経済状態が悪化したり、
依頼者の精神状態が悪化したりすることもあります。

その人の人生において、
裁判のストレスを感じる期間は
短ければ短い方がよいと思われます。

弁護士が、当初の請求額よりも、
相当減額したところで、和解を進めることは、
敗訴の危険を回避するだけでなく、
訴訟を早く終結させる利益を
考えていただきたい場合もあるわけです。

もっとも、そのためには、
何のために裁判をやるのかの打ち合わせを
きちんと行う必要がやはりあるわけです。

夫の借金を妻が支払う義務なし 親子も一緒 [民事・消費者]

未だに、夫が借金があるために、
妻が支払わなくてはならないのではないかとして、
それを回避しようと、離婚する人がいます。

しかし、夫がした借金は
妻には返済義務はありません。

親がした借金を子供が、
子供がした借金を親が、
支払うべき法的義務はありません。

ただ、これには、例外があります。
第1に、借金をしたまま死亡した場合です。
借金も相続するからです。
妻や子供に迷惑をかけないために
一番大切なことは死なないことです。

また、自己破産等すれば、
妻や子供に相続されることは無くなります。
(自己破産をすれば、妻や子供がカードを作れなくなると
心配する人がいますが、
借金も返さない、自己破産もしないのでは、
もっと迷惑をかけます。)

もっとも、妻や子供等遺族は、
相続放棄をすれば債務を免れますが、
死亡を知ってから3カ月以内に手続きをしなければなりません。
原則、この期間を過ぎると相続放棄ができなくなります。
やはり死なないこと、自分が弁護士に相談することが肝要です。

第2は、保証人になってしまえば払わなくてはならなくなります。
「あなた奥さんでしょ。夫が払わないのだから、責任あるよね。
今日払えないのなら、きちんと保証人になってね。
そしたら、今日はかえるわ。」
とか言われてはんこを押せば、あなたの借金ということになります。

保証人には絶対ならないこと。
なるなら、自分が払うという覚悟がなければなりません。
「迷惑かけないから」というのは、言ってるそばから嘘、矛盾です。
保証人のハンコを押させることが、それ自体迷惑だからです。
家族がいる人なら、必ず家族と相談してからと言ってください。
時間がないといわれたら、
自分で返すあては無いということと一緒です。

似たような話ですが、ちょっと困るのは、
借金をしたまま、夫などが行方不明になることです。
この場合は、いないということを言い続けることになります。
それでもしつこい業者いたり、電話がかかってくる場合は、
弁護士に通知をしてもらうということもあります。

みなさんが思っているよりも、お金の問題は解決する問題なので、
家族のもとを離れようとする前に、
一度は弁護士に相談してもらいたいと思います。

なお、家族が行方不明になったら、
必ず警察に、捜索願を出してください。
というのは、
実際に行方不明になって、
警察の職務質問にひっかかって、
見つかるということもよくあるのです。
捜索願を出していなければ、
職務質問をしてもスルーですから
出した者勝ちということです。

警察から連絡がありました。
これから行ってきます。
という連絡が何度かありました。

多重債務と弁護士 収入ありでも自己破産可 子供の借金を親は払わない [民事・消費者]

最近、法律事務所のテレビやラジオのコマーシャルが多いです。
それが、すべて、借金の相談ということで、
弁護士は、借金の処理をする仕事と
子供たちは思っているのではないでしょうか。

ちょっと前は、照れくさくて、弁護士だということを
あまり世間(子供の友達くらいだけど)にいませんでしたが、
今は恥ずかしくって言えない・・・

まあ、それでも、中には頑張っている事務所もあるみたいですが。
我々、クラシックタイプの弁護士は、
大手借金処理弁護士事務所は、
サラ金の資本で池袋当たりのフロアを借り切って、
サラ金と、なあなあの 解決をして、
無理な債務整理をさせ、深刻な2次被害を作る
それを尻拭いさせられたというトラウマがあるようで、
必要以上に懐疑的にみてしまうようです。
この手の事務所は、弁護士は名前だけ貸しているだけで、
どんなに電話しても出てくることはありません。

最近は、弁護士が年間2千人くらい増えているわけで、
就職口が無い新人弁護士も出てきたようです。
借金系大手事務所は、新人弁護士をどんどん入れて、
支店を作って業務を拡大されているようです。

昔は、といっても10年くらい前までは、
サラ金の事件なんて、誰もやりたくなくて、
押し付け合っていたのですが、
今は、取り合いになっているようです。
あんなに無理やり相談会の日程を入れいていた
カウンセリング団体からも、いまや
ほとんどお呼びも掛かりません。

ただ、心配なことは、いくつかあって、
やはり、尻拭いとまでは言いませんが、
疑問のある処理もあるようです。

例えば、収入があると自己破産ができないと
説明されて、受任を拒否されたということがありました。

この人は、公務員を退職された方で、
共済年金と国民年金が入る方でした。
かなりの月収になりました。
ところが事情を聞くと、
成人されたお子さんはいるけれど、
障害をお持ちで働くことができず、
その方の扶養となっているとのことでした。

結局、その方の収支を見て、
借金の状況を判断すると、
自己破産となると、判断し、申し立て、
案外すんなりと決定を受けました。

おそらく、最初に相談を受けた
弁護士だったか、司法書士は、
自己破産の法的意味を知らなかったのでしょう。
破産法を知らないで、自己破産処理をしている人が
増えているようです。

心配なのは、免責不許可事由と言って、
道徳に反する借り方をした場合、
破産は認めるけど、借金は払い続けなくてはならない
という事態の定めがあるのですが、
この限界事例の裁判例を知らないと、
正しい処理ができないのですが、
面倒くさいことは受けないという人もいるのではないでしょうか。

自己破産を一人に断られても、何人かに聞いてみることも
必要かもしれません。

それより、法律の知識より、
クラシックな弁護士のクラシックな多重債務処理といえば、
再発防止を依頼者と考えてゆくということです。
なぜ、お金が無いからと言って借金をしたのか、
借金をしないで済む方法は無かったのか、
ぎりぎり詰めていったものです。

今の人たちは、お金が無いと借金することが当たり前
ということになっているようで、
良くいえば寛容、悪くいえば放置の状態のようです。

昔は(こればっか・・)
親が、子供が借金して、自分が払っても払っても
また借金するのですがどうしてでしょう
なんて質問されると、
それはあなたが払うからです。
お子さんが借りようとしなくても、
サラ金は、この人に貸せば、この人は払えなくても
親御さんが返すからといって、
借りてくれと電話してくるんですよと
自分が作った借金は、自分で返す苦労をしないと、
また借りてしまいますよと
親御さんに対してもカウンセリングをしたものでした。

もっとも、今は、子供の尻拭いをしている場合ではない
という状況になっているようです。
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