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法科大学院の講師としての最後の授業を終えて。研究職を夢想して [事務所生活]

先日、7年前からやっていた
法科大学院の講師の最終講義をしてきました。
本当は試験監督と採点講評があるのですが、
授業は最後でした。

今年度で学校そのものがなくなるので
私も失職する運びとなったわけです。

司法試験の受験を控えての
労働法(前期;労働契約法、労働基準法、後期;労働組合法)
の講義です。
実務家として、受験の先輩として
教科書と判例百選を中心とした授業でした。

終わり良ければ総て良しというような感じで
最後の生徒さんはとても良く勉強し、
授業中も質問が多く出て
講師としては、やりがいがある時間でした。


それだけに、ちょっと寂しく感じています。

時々、弁護士という実務を離れて
研究、教育職に就いて
朝から晩まで、研究をしたいという
夢想を抱くことがあります。

研究講座の話がこないかなと
ぼんやり考えることもあるわけです。

労働法は受験指導くらいで
研究という領域ではないと思いますが、
例えばこういう講座はどうでしょうか。

<紛争学の実務>
紛争学といえば、心の師匠レビン小林先生が有名ですが、
私は、むしろ実務的な研究となりそうです。

簡単に言えば、調停やADR、和解の理論です。
テーマを上げてみます。
  家族、職場、地域、学校などの人間関係のどのような不具合が紛争となるのか。
  紛争を解決するとは何か。
  何が紛争の解決を妨げているのか。
  調停委員、代理人の果たす役割とは何か。
  紛争学の歴史と射程範囲
  紛争解決の実務
    家族、職場、地域、学校などの
   調停、ADR、訴訟上の和解の実例

刑事弁護(情状弁護論)
  対人関係学の出発点の一つが
  実は刑事弁護にあります。
 なかなか、出版社を探すことができず日の目を見ないでいますが、
 情状弁護論という形で体系立てています。
  犯罪とは何か
  なぜ、規範に直面しても犯罪を実行してしまうのか
  人間の本質と犯罪
  犯罪環境
  更生とは何か
  犯罪に向かう対人関係の状態
  情状弁護とは何か
  犯罪ごとの各論
    万引き
    性犯罪
    放火、業務妨害
    暴行傷害
    飲酒の上での犯罪のメカニズム
    覚せい剤など薬物犯罪
    人格形成責任、なぜ形成がとわれるのか。
  刑事事件における「反省」とは

実務的に、今一番考えていること
あるいはライフワークにしているテーマは夫婦ないし家族です。

家族学(夫婦学)
  夫婦の危機とは何か
  夫婦の危機の原因
  夫婦の危機の対処方法
  夫婦の危機と家庭裁判所という制度
  夫婦の危機と第三者の支援の功罪
  夫婦の帰属意識と安心感
  現実の離婚事例と円満調停事例

もちろん過労死のメカニズムと防止方法は
研究課題ですね。

それから対人関係学そのものの研究ができれば良いですね。
  身体生命の危険を感じたときの動物の反応
  対人関係の危険を感じたときの人間の反応との比較
  対人関係の危険を感じる出来事の類型と疎外
  裁量と自己防衛の余地
  対人関係の危険の特徴
  対人関係の危険を感じたときの反応のバリエーション
  慢性的な危険の認識の脳の機能に与える影響
  人間が尊重されていると感じる仕組み

それから、啓発としての人権の概念と啓発の手法
啓発とは何をすることなのか
等というちょっとマニアックな研究講座も
本当は面白いのですが、
オファーはなかなか考えにくいですね。

なんてことを仕事に疲れると
ぼんやり夢見ているわけです。



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