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続・自死するくらいなら仕事をやめればよかったのにということが、間違いである理由 [労災事件]


前に同じテーマで書いたのですが、
https://doihouritu.blog.ss-blog.jp/2020-09-14
基本的にはここに書かれている通りです。さらにその先についてわかってきたので報告します。

前回のお話し
パワハラなどがあっても、うつ病等にならなければ、仕事をやめることができます。こんな会社辞めてやると言って、実際にやめる人も多いわけです。ところがうつ病にり患してしまうと、会社を辞めるという選択肢自体が無くなってしまい、このまま苦しみ続けるか死ぬかという、極端な二者択一の思考に陥ってしまうようです。目の前の苦しみに耐えられないため、実際は自分の尊厳を踏みにじられ続けることに人間は慣れることができないため、自死をせざるを得なくなるということでした。

積み残した理論は、「うつ病になると、仕事をやめるという選択肢が無くなるのはどうしてか」ということでした。

この点についてわかってきました。

パワハラでうつ状態になると、不合理なことをされ続けているにもかかわらず、「自分が悪いから叱責されたり、否定評価されるのだ。」と自然に考えるようになってしまうようです。そして、周囲の中で上司から罵倒され続けると、「何とか今日だけでも叱られないようになりたい」と思わされてしまうようです。

パワハラなどは合理的理由がないため、叱られない対処方法は見つかりません。何をしてもしなくても叱責されるわけです。そうすると、叱られるか、叱られないかは、労働者はその時の運しだいのような感覚となるようです。「自分が悪いのだけれど叱られたくない。」という感覚なのでしょうか。

そうして、叱られるのが怖い、上司が怖い、会社が怖いということで、朝出勤すること自体が生理的に困難になり、吐き気がしたり、実際に吐いたり、下痢をしたり、或いは呼吸困難になったり、身体が動かなくなったりするようです。そして、まっすぐに会社に行きたくなくて、用もないのにコンビによって時間をつぶしたり、時間ギリギリになるまで会社の近くをぶらついて時間をつぶすような行動をとるようになります。

そうなってしまうと、
・ 会社を辞めることで、会社の人に迷惑をかけるのが怖い
・ 会社を辞めることで、また叱られるのではないか、それは怖い
という気持ちが起きてしまうようです。もしかすると、
・ 会社を辞めることなんて、できるわけがない
という気持ちもあるのかもしれません。

親や友達などから、会社を辞めることをアドバイスされても、そういう気持ちであるために、やめるという選択肢を持てなくなるようです。辞めることでも悪いことが起きると信じ込んでしまっているようです。また、退職さえすれば悪いことはなくなるというプラスのイメージを持つことができないということなのでしょう。

これらはすべてうつ状態からくる症状です。周囲は、本人がそのような思考に陥っていることがわかりませんので、やめることは簡単にできると思ってしまいます。辞めることは簡単だと思うからあとは自分で辞めるだろうと思ってしまい、確実に辞めさせるという詰めができません。それは知らなければ行動できないことなので、周囲には責任はありません。

ただ、退職するという選択肢が与えられてしまうと、逆に自死の危険も高まるようです。これまでのいくつもの自死事例で、解決したと周囲が思った時に自死が起きてしまうことが多くありました。解決の糸口によって気持ちが少し明るくなるため、行動力も高まってしまうという説明の仕方をする人もいます。できるだけ、同居家族を含めた多人数で退職するという決定を行い、確実に退職を遂行することが本当に肝心なことなのかもしれません。


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