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破産にまつわる誤解、選挙権は無くならない [民事・消費者]

破産というとイメージは悪いのです。それは健全な感覚でしょう。
しかし、中には、妙な誤解をする人もいます。
自己破産は、立ち直りのための制度なので、
ハンディキャップをつけないことが原則です。

先ず、破産をすると選挙権がなくなるということは嘘です。
破産をしても当選した国会議員もいるくらいです。
おそらく、戦前、選挙権がすべての国民になく、
一定の税金を納めていた人だけが持っていた時、
破産をして税金をおさめなくなったため、
選挙権を失ったということだと思います。

次に多いのは、
海外旅行に行けなくなる。
なぜ、そんなこと心配するのか
久しく海外旅行に行っていない私は思うのですが。
居住場所が制限されるということはあることがあります。
これは破産手続きが終わるまでです。
どこ行ったかわからなくなると破産手続きが終わらなくなります。
管財人として、本当に苦労したことがあります。
しかし、通常は、引越しをすることもありますし、
心配することではないと思います。

会社に知られるということも気にされます。
全くないかどうか断言はできませんが、
支払いをしないで、給料債権を差し押さえされるよりは、
会社に借金のあることを知られない確率が高いでしょう
むしろ破産した方が。
これまで、20年近くやっていますが、
破産を開始しため会社に知られたということは聞いていません。
裁判所などから知らせる手続きは行いません。

ローンを組めなくなる。
そりゃあそうですが、これは破産のせいではありません。
例えばお金を借りて返さないことにはなるのですから、
貸す人がいなくなるだけの話です。

銀行口座を使えなくなる。
これも、誤解があるようです。
その銀行に借金がある場合、
銀行との取引約款で、破産申請をしたら(されたら)
期限の利益を失い即時返還のさだめがあるのです。
そのため、預金と相殺されるため、口座が凍結され
出し入れができなくなるということはあるようです。
無関係な銀行であれば、預金口座の利用は可能です。
ただ、この無関係がくせもので、それは長くなるのでいずれ

持ってる財産をすべて処分される。
そんなことはありません。
但し、転売価値のあるもの、不動産、自動車、
解約金が大きい生命保険の解約
ということはありうる話です。
でも、必ずではないところが難しいところで、
この点こそ、弁護士にご相談ください。

職業によっては、資格を失う場合があります。
会社の取締役、宅建主任者、税理士、弁護士。
職業によっては、関係ないです。関係のない人が多いでしょう。
運転免許もなくならないし。

最高裁判所の表現を使えば、
自己破産’免責)は、それがなければ債権者から無限の追及を受け
奈落の底に陥ることを防止し、再建を図るための制度というのです。

憲法の生存権にも関連する制度なので、
ハンディキャップをことさらに設定することはしないのです。

但し、官報に掲載されるということと、
市役所などが発行する身分証明書(破産者ではないことの証明)
が出ないということは、一応不利益です。
ただ、それで、実質的に困ることもないようです。
これで困ったと、聞いたことはありません
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