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初めての裁判員裁判事件の弁護人担当、現在進行中。途中経過リポート [刑事事件]

報告ったって、守秘義務やら、関係者、関係機関との関係もあるし、
裁判員の方々に対する影響も出てきてしまうので、
事件の内容というより、
裁判員裁判って、こういうふうに進行するのかというリポートですが・・・

昨年始まった裁判員裁判ですが、
昨年は弁護士会の役員をしていた関係で、
受任することができませんでした。

早く裁判員裁判の弁護をしたくって、
心待ちにしていたので、
担当できたことは、嬉しいくらいです。

しかも、事件は、殺人事件なのですが、
認知症、介護、住宅ローン、失業、自殺がキーワードとなる事件で、
よくぞ、私に回ってきたという事件です。
少しできすぎている。

7月の初めに起きた事件ですが、
当番弁護士の日の朝にテレビ報道されていて、
妻と、私が当たったりしてねと話題になった事件でした。

私は、被疑者国選の要請まで時間がかかるので、
今日の私がたんとすることはないだろう、おそらく、
明日の当番弁護士が担当するのかなと考えていました。

しかし、弁護士会が、重大事件と思われる事件については、
頼まれなくても弁護士を派遣する委員かい派遣という制度がありまして、
この事件も自然の成り行きで、この「委員会派遣」という扱いになりました。
そういえばそうでした。

そして、殺人事件のため、裁判員裁判になる事件なので、
裁判員裁判の弁護も担当する弁護士を派遣するということになり、
私がピンポイントで指名されて、派遣されたということになります。

この電話が、朝一で、
弁護士会から私の事務所にかかってきたのです。

報道された日に当番弁護士だったということは偶然ですが、
その中で私が指名されたことは、あまり偶然ではなかったわけです。

第1回目は当番弁護士として、
熱くなり始めた頃、東北本線でその警察署のある市まで
出かけてゆき、面会をしてきたのでした。

翌日、被疑者国選弁護人に選任されました。
それまでは、弁護人になろうとする者とという扱いで、
選任後正式に弁護人というわけです。

面倒だったのは、裁判員裁判の弁護は、
弁護士会で複数選任を励行しているので、
もう一人弁護士をお願いしなければなりません。
これを、私が探さないとだめなのだそうです。

今まで、やったことが無いことをするのは面倒です。

裁判所に複数選任を書面で要請し、
誰かに引き受けてもらうようお願いしなければなりません。
手間ばかりかかるし、時間はとられるし、
それに比べれば報酬はとほほだし。

私みたいに裁判員裁判をやりたかったという弁護士は、
弁護士の中でもまれで、どちらかという変わり者かもしれません。

これに付き合ってくれといって、わかりましたという弁護士がいるほど
私に人望があるとは思えないので、
この辺、気が重くなったわけです。

しかし、うまいことに、
宮城県で働いている弁護士、裁判官、検察官という3者の、
大学の同窓会があり、
そこで、以前より、人権委員会などで活躍されていた
若手の弁護士が、私の後輩であることを知り、
思い切って、お願いしてみたら、
場の雰囲気もあったのでしょうが、快く引き受けていただきました。

若手で、人権感覚も豊かで、国際人権委員会の問題にも精通している
頼もしい弁護士です。
個人通報制度の問題でも、仙台弁護士会で中心となっておられる先生で、
極めてラッキーでした。

分担してというよりも、この方が中心となって
警察署の面会にも熱心に行ってもらい助かりました。
几帳面に面会結果もまとめていただき、
頭が下がります。

逮捕後、約20日で、検察官が起訴の手続きを行います。
この起訴を境に、これまで被疑者と呼ばれていた犯人が
被告人と呼ばれるようになります。
弁護人は、被疑者の弁護人が、当然被告人の弁護人になります。

逮捕後1か月後には、証拠が開示され、
弁護人は、検察庁に証拠を見にゆきます。

かなり詳細な証拠であります。
実況見分調書や鑑定書、
被告人や関係者からの事情聴取の結果の書面が
証拠として見ることができるわけです。

それから10日間くらいあとに、
第1回の、裁判所、検察官、弁護人の打ち合わせが裁判所の一室であります。
裁判の大体のレイアウトが話し合われ、
大体の裁判の見通し、ながれが話し合われます。

争いのある事件かそうでないか、
裁判でどのような点が主眼となるのか。

これが何回かの打ち合わせを経て、
だんだん具体化されて行って、
裁判当日を迎えていくという流れのようです。

この打ち合わせまでに、検察官の事件のみかたが示されます。
なかなか短期間にここまでやらなければならないので、
とてもご苦労されていると思います。

私の事件は、今、このあたりということになります。

ここまででも、
実は、弁護人は、被告人と面会しているだけではなく、
被告人の家族とも何度か打ち合わせをしたり、
精神的にフォローをしたり、
被害者側の人たちとも接触をしたりしています。

もう一人の弁護士とも、打ち合わせを重ねて、
事件の全体像をはなしあったり、
証拠の収集などの活動も行うわけです。

わからないことは、一から勉強もしなければなりません。
キーワードの一つである認知症については
ほとんど一から勉強です。
以前このブログで書いた認知症の新書を読む計画は、ココに関係します。
それだけでなく、
例によって、私の事務所のアドバイザー医師から、
認知症についてレクチャーを受けてたりもしています。

毎日、事件の本質やら弁護方針やら、
あれやこれや、気がつくと考えているわけです。

大変ですが、充実もしています。

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