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熱中症労災死33人 さらなる分析と具体的な防止策を求む。正当な補償を。 [労災事件]

あまり大々的に報道されていないのがどうしても解せませんが、
労働災害の死亡者が例年に比べて増えているので、
厚生労働省が緊急対策を実施したと、9月6日付で発表しています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000qako.html

おそらく大きく取り上げたのは読売新聞くらいではないでしょうか。
しかも、熱中症労災死33人という見出しはヒットだと思います。
厚生労働省がそれほど強調しなかったところをうまく強調し、
転落事故等も暑さの影響があるのではないかという部分も
きちんと救い上げています。
読売新聞に大きな拍手です。

厚生労働省もかなり突っ込んだ熱中症対策をたてているようです。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000qako-img/2r9852000000qari.pdf
(前掲の厚生労働省の頁の下部分から見れます)

ただ、中小企業で、このようないきなり難しい乱数表から入られると
具体的にはどうすればいいのということになってしまうのではないかという
危惧もあります。

できれば、今年の熱中症の事例を、
一つ一つ具体的に分析して、統計にしてほしいのです。
労働者の年齢、性別、基礎疾患、健康状態(下痢等の脱水症状の有無)
服装、労働時間、水分補給の様子。休憩室の様子。
作業場所、照り返しの様子、最高気温、湿度
熱中症の型等等、人が死んでいるのですから、
企業にデータを出させるべきです。

熱中症は、労働者が気をつけてもなかなか防げません。
ノルマとか、納期が気になれば、
ついつい、今やっているこの作業が終わるまで頑張るということになり、
一人でやっていれば、いつしか夢中になることがあるそうです。

脱水も、のどが渇いた状態は、既に危険な状態であり、
のどが渇く前に水分を取らなければならないそうです。

そういう意味で、なかなか自分が熱中症に
かかりそうだということはわかりにくいというところに特徴があります。

時間で、区切って行くしかありません。
例えば最高気温が30度以上の屋外作業では、
1時間ごとに水を400cc飲むとか、
2時間働いたら20分は冷房の利いた屋外や日陰で休むとか
数字でガイドラインを作ってもらいたいのです。

時間が来たらタイマーが作動するとか、
携帯電話で知らせるとか、
はっきり外部から労働を止めなければならないと思います。

その意味で、今回の事故を統計化して欲しいのです。

今年は確かに暑かったのですが、
多くは、これまでの熱中症の経験から救える命だったのではないでしょうか。

生活保護家庭の熱中症がクローズアップされていましたが、
労働現場でもやはり多くの犠牲者が出ました。

熱で人が死んだり病気になるということを意識してもらうためにも、
労働者を死亡させたり病気にしたりすれば、
企業は莫大な出費になるということを意識してもらうためにも、
きちんと補償をさせるべきなのです。
防止のためには、残念ながら、痛みが必要なようです。

労働者が夢中になってしまって意識が無くなるように、
例え社長が良心的な人であっても、
会社は夢中になって数字を追いかけてしまうものです。
休み時間を確保して作業能率を落とすことは、
会社の本能からは出てこないことです。
意識的に行なわければなりません。

作業能率を落としてでも労働者の安全を確保するという発想は、
残念ながら、そうしないと莫大な損をするということを
わからないと出てきにくいという実態があるようです。

仕事中の事故、仕事が影響していると思われる事故については、
先ずは弁護士に相談してください。
熱中症については、
全国過労死弁護団が、以前熱中症110番を実施していますので、
知識と熱意がありますので、相談に乗ってくれるはずです。
(私のところのアドバイザー医師も、珍しく参加していただいたっけ)

http://karoshi.jp/
http://homepage2.nifty.com/karousirenrakukai/(大阪)

私の事務所もそうですが、
初回相談無料のところも多いので、
思い切って電話してください。

熱中症は死亡もそうですが、重篤な傷害が残る場合があります。
同じ仕事は残るので、
遺族や労働者は、同僚の為にも、
堂々と補償を請求して欲しいのです。

あと心配なのは、学校の熱中症ですねえ・・・


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