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モンスターペアレント考 管理できない管理者 [労災事件]

浜松の駅前は、歩いても歩いてもかば焼きの香りが
途切れることはありませんでした。
ようやく酒屋を見つけて「開運」を買って帰宅の途に就いたのですが、

過労死弁護団総会では、記念講演があり、
精神科のお医者さんが種として教員のうつ病についてお話しされました。
こういうテーマで精神科医のお話を聞ける機会はないので、
とても有意義でした。
いわゆる論文の行間の話が聞けました。

例えば、適応障害と反応性うつ病のリアルな実務的な関係とか、
こちらのしゃくし定規的な理解と実務のリアルな扱いとのギャップというか、
面白かったです。

特に精神的ストレス(主訴)は、
人間関係の中から生まれてくるという分析に興味を持ちました。

過労死弁護団総会では、いくつもの事例報告がなされるのですが、
若い学校教諭の自殺事件は何度聞いても衝撃的です。

多くがモンスターペアレントという子供の親からのクレームが
重要な出来事となっています。

その内容も若い女性教師の場合、
出産の経験も子育ての経験もないので心配だ
どうしてうちの子がそんな先生に担当されなければならないのだ
等というものもあるようです。

突然何人か連れだって、授業参観に来たりしたそうです。

被害者側から見れば、悪意を感じる許せない行為ですが、
モンスターペアレントの側から見ると、
全部が全部そうではないのですが、

第1に、エネルギー源は、不安なのかもしれません。
ベテランの先生に教わって、落ちこぼれないようにしてもらいたい。
先生のせいで、子供が習得するべきものを習得できないのではないか。。
それによって、将来、苦手科目が出てきたり、
学校嫌いにならないか等。

第2に、特徴としては後先考えない行動、
不合理な行動です。
第三者から見て、そんなことをして、
先生を交代してもらうことができないこともそうですし、
先生のやる気が無くなることは目に見えるはなしです。
授業も遅らせたりしているわけです。

意味の無い行動どころか有害な行動です。

第3に、特徴としては、従って、普通やらないだろうということを
やっているということです。
第三者の目を気にしたり、しばしとどまることが普通です。
レポートを聞いていると、
使命感というか、自分が悲劇のヒロインを演じているような、
そんな感じすらします。

他人の目を気にしないというところで、
埋没協調志向が、極端に弱いわけで、
不合理なクレーマーであるモンスターペアレントは、
それなりの障害が考えられるわけです。

最近この問題が注目されていますが、
大ベテランの教師の話では、
ずーっとある問題だそうです。
そりゃあ、クレームの内容は普遍的でしょう。
誰だって、新任教師は、子育ての経験が無い
(人がほとんど)だからです。

なぜ、これだけ、被害が重篤化しているか、
社会問題化しているかというと、
その大ベテランの教師によると、
管理職の問題だというのです。

昔はそのような保護者が出てくると、
担任が対応しきれなければ、
教頭なり校長なり、教務主任なり学年主任なりが
対応したそうです。対応というか叱るというか。

お母さん、あの先生は、熱心に研究され指導されていますよ、
これこれこういうとき、こういうことがありました。
我々ベテランでは、かえってできないことです。
こんなにがんばってなさっている先生に、
そういう態度をとるということは失礼ですよ。

私が自信を持って、お子さんの担任に選んだんですよ。

というように、母親を教育していたようです。

母親のエネルギー源が不安であれば、
不安を取り除くことが最大の対処ということになります。

すべてにおいてパーフェクトな教師はいないわけで、
みなさんよい所、悪い所があるわけです。
悪いというか、経験が無いことが悪いわけではないですけど。
ベテランの管理職は、新任教諭をプロデュースする立場なので、
自分と比較して、良い面を最大限プロデュースする。
また、基準を満たしていることを強調する。
採用試験に合格しているわけですからねえ。

不安は誰しもあるだろうけれど、その不安をその方法で表現することは
間違っているとはっきり告げて、やめてもらわなければなりません。

また、そういう不安の解消は、
本人が力説してもしょうがないので、
周りのベテランがいうしかないのです。

こういう当たり前のことを、
当たり前に管理職は、やっていて、
教育の歴史がつらなっていたわけです。

モンスターペアレントは、数は多くなったものと思われますが、
それ自体は昔っからある教育現場の日常だったのです。

なぜ、これだけ重大問題になったか
それは、学校現場を管理できない管理者が増えていることを
物語っているように思えてなりません。

管理者が教員採用試験を
「何らかの理由で」信頼していないのかもしれません。

管理者が、「何らかの理由で」
このような、学校現場の日常、
モンスターペアレントになりかかっている父兄の対処法を
知らないのかもしれません。
体験していないというか。

管理者が、そもそも、「何らかの理由で」
教師として、父兄と人格的切り結びをした経験が無いのかもしれません。

管理者が
教育というものが、学校が父兄に対する一方的サービスの提供と
誤解をしているのかもしれません。
PTAを日本語に訳せないのでしょう。

ただ、そのような管理者は、
ある意図をもって養成された結果ではないかと
心配している次第です。

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