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社会に協調する本能、埋没志向とファシズム、切腹、神風メモ [閑話休題]


パーソナリティ障害の本に、パーソナリティ障害を見ると社会が見える
という記述があり、その時はさっぱり見えなかったのですが、
今は考えがとまりません。
もはや、弁護士とは関係が無いようなので、閑話休題ということで。

人間には、社会に調和しよう、群れの中に埋没しようとする本能があり、
これは、群れを作る動物の本能ともいうべきものではないか、
群れから飛び出して個性を発揮しようという欲求もあって、
通常はバランスが取れているのではないか。
パーソナリティ障害や、精神疾患の中には、
この協調本能に基づいた行動ができない状態と
説明できないかというものです。

大多数の人間に協調本能があると考えると、
社会というものは、協調する的(まと)、埋没する的として認知されれば、
あとは、本能的にそこに向かって協調する行動をとる。
群衆を支配しようとすれば、
そのような的であることをアッピールして認知してもらうこととが早道
ということになるのではないか。

封建時代では、
この的が、封建体制と儒教だったと考えられることになります。
必ずしも、国民の大部分が、
幕府の将軍に埋没していたというわけではなく、
藩さえでもなく、先ずは「家」という秩序、
少し理屈付けが必要な人は、藩であったり国家であったり、
しかし、目に見える「家」と
形而上学的な儒教を具現化した道徳に埋没する的を見出していた
と説明することが、わかりやすいのではないのでしょうか。

協調本能が弱い人も、
文字通り体罰で、行動規範を叩き込まれ、
封建的な職業に就かされ、
あるいは親の決めた結婚相手と結婚していた。

個性はその中の範囲で発揮するという社会だったのではないでしょうか。
その中で、枠におさまらないで個性を発揮したのが本当の天才で、
平賀源内や江戸時代末期の哲学者の群があるわけです。

明治維新後も、封建制度は、イデオロギーとして残存しますが、
割と自由が広まったので、
偉大な日本文学者群が形成されていくわけです。

個性を否定しても否定しきれない個性として、
とてつもない光を現代にも放ち続けているということになりますが、
否定されてしまった個性も無数にあったわけです。

ただ、どちらが、幸せか、
否定されても燦然と光を放ったとはいえ社会適応ができず疎外されることと、
個性を否定され疎外を受けても、家庭と職業をあてがわれて
それなりに社会適応をして一生を全うした場合と、
比較は難しいような気がします。

協調本能の極限状態が、
例えば、切腹ではないでしょうか。
赤穂浪士のように、自分の命を捨てても、
封建体制、儒教を体現しようとした(と世間では見ているわけですが)
要するに、何もしないことは、よって立つ精神的基盤が崩壊するので、
群れの中で協調して生きるために、死を選ばざるを得なかった。
という矛盾ととらえることはヒントにならないでしょうか。

戦国時代の名残というか。

戦争も、結局は、この協調本能を利用して初めて成り立つわけです。

協調する的として、軍部が国家という概念を悪用したというか。
「家」を基盤としつつも、文化的背景を持つ藩を否定し、
ダイレクトに国家への帰属意識を高め、
親政を復活させて、ダイレクトに赤子ということにされ、
協調本能の的を、国家に向けさせられていったのではないでしょうか。

家を守るということと、国家を守るということを
人為的にイコールで結びつけられてしまったわけです。
戦争に敗れることは、家が崩壊するというイメージが定着して行ったわけです。

若くして亡くなって行った方々が、
お母さんと言って死んでいったことは、その証左であり、
天皇陛下万歳と言って死んだ人だって、その大部分の真意は、
結局自分の周りの人たち一人一人へのメッセージと
イコールだったと理解できるのではないでしょうか。

戦前の考え方、道徳が否定されることは、
このような、軍部のイデオロギー操作が
未だに影を落としている結果だと思うのです。
やはり、国家総動員イデオロギーは
この面からも禁じ手だったと言わざるを得ません。

社会に調和する行動がとれないといっても、
訓練によって、可能となる人がたくさんいると思います。

話のたとえですが、
乱視の人も、視力がいい場合は、乱視が気にならないといいます。
視力が弱ってくると乱視と合わさってますます見えにくくなります。

社会に協調する行動がとれなくても、
親の言うことを聞くことはできるとか、
ルールを理解して、その通り行動することはできるとか、
疎外を受けにくくする方法があると思います。

このような訓練は、教育の中で行われるべきだと思うのです。
人を見て、ああ、そういうものかと
如才なくたちまわれるようになる人も本当は多いのだと思うのです。

ちょっと、頭の中に渦巻いていたとりとめもない着想を
とりとめもなく書いてみました。

いつも、お付き合いをいただいている皆様、
本当にご迷惑をおかけしております。
ここまで読んでいただいて、本当に恐縮です。

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