協調志向、埋没志向と恥ずかしいという気持ち 仮説メモ

人は群れを作る動物ということから、
群れと協調しようとする本能的志向があるのではないかと、
お話ししました。
本能ということがわかりやすいと思うのですが、
そのような遺伝子を持っているというべきかもしれません。

ところが、そのような協調志向については、
もちろん個体差もあるのですが、
極端に志向が弱い人もいる。

協調志向が強ければ、
個体の能力を抑制する場面も多くなるわけですが、
協調志向が弱く、能力が高い人は、
個性と能力を発揮し、
文学など芸術で名を残したり、
世界を変える発明をしたり、
革命をおこしたりするわけです。

ふと、もしかしてと思っているのが、
恥ずかしいという気持ちです。

みんなの前で褒められて嬉しい場合でも、
失敗して決まりが悪い場合でも、
恥ずかしくなるわけです。

恥ずかしいという気持ちを生理的に表現すると
顔が赤くなり、発汗したり、
要するに、血圧が上昇したり、体温が上昇したり、
心拍数が上昇したり、
交感神経が活発になっている状態です。
もしかしたら血液の粘化も生じているかもしれません。

ストレス反応と同一です。

人間には、何万年前からの、種としての遺伝子があり、
遺伝子の中の緊張の記憶というのは、
外敵に襲われたなどの、
外傷と直結する記憶なのだそうです。
このため、傷を負わない場合でも、
ストレスを感じると、
戦闘を開始しようという体内メカニズムが作動するし、
傷をふさごうというメカニズムが作動してしまうらしいのです。

失敗してこのようなメカニズムが作動してしまうのは、
なんとなくわかるのですが、
褒められてもこのようなメカニズムが生じるわけです。

直観的に、自説に都合いいように言えば、
褒められることによって、
群れの集団から突出してしまうことにより、
群れの中に安住することができなくなる
群れの一人から、個性が際立ったひとりになることによって、
無防備を感じ、
遺伝子の戦闘準備メカニズムが作動してしまう

群れから離れることによる危険を
遺伝子レベルでは感じてしまうのではないでしょうか。

恥ずかしいという気持ち、生理的反応は、
協調志向遺伝子が機能しているあかしということになるのだと思います。

協調志向遺伝子が弱い人たちがいます。
つつがない協調生活が正常だと言い張る場合は、
なんらかの障害がある人たちという評価になる人たちです。
もしかしたら、芸術家や発明家、政治的リーダーに
なるかもしれない人たちでもあります。

協調的志向が弱いので、
恥ずかしいという気持ちが弱いように思えます。
人前に出てしまうことにあまり躊躇が無いので、
目立とうとしていると非難されることもあるわけです。

このような人たちも（個体差はありますが）、
協調的志向がまるでないわけではないし、
しつけ、教育、学習によって、
協調志向的行動を身につけていくわけです。

しかし、協調遺伝子の活発な人とは違いが生じ、
協調志向型の人が恥ずかしさの生理的反応が生じる場合でも、
生理的反応が出ないし、恥ずかしくないわけです。

協調志向の強い人にとっては、
群れを大切にしない人は、群れを壊そうとする人と映るので、
集団生活で、実際に有害な行為をしていなくても、
嫌悪、敵対的感情の対象となるわけで、
排除の対象となっていく場合があるわけです。

逆にその個体が、社会的な意味で、強ければ、
その個体が、協調の的になる場合もあるのではないでしょうか。

自分の子供を、突出した芸術家や発明家等にしたい場合は、
協調行動をしつけるよりも、
孤立した場合の対処方法を教えればよいのでしょうけれど、

ある程度成功するにしても、
普通に大学行って、普通に家庭生活を送らせたい場合は、
それが幸せだろうと思う場合は、
やはり協調志向的行動をしつけるべきです。

こういうことをすると恥ずかしいんだよということを
教えるべきなのでしょう。
恥ずかしいという気持ちが無くても、
ああ、恥ずかしいことなのだということを、
周囲の恥ずかしい時の反応を見て
学習して行くことになります。

それでは、芸術家や発明家は出てこなくなる
とお考えの方もいらっしゃるでしょうが、
歴史に名を残す人たちは、
教えても教えても、そのとおりすることができず、
それをもって、非凡な才能の持ち主ということになるので、
あまり心配ないようです。

偉人伝、伝記は、
そのような人たちのオンパレードなので、
我々も、偉人の奇行の知識は、
教養としてもっているのです。