自分を嫌いになることは愚かなこと、自分を好きになることは必要なことではないことについて

フェイスブックなどでいろいろなブログが紹介されていて、
刺激を受けています。
ずーっと引っかかっているものがあります。

自分を嫌いにならない方法とかいうものがありました。

お話を聞いたところ、自分を好きになりたいという方は
けっこういらっしゃるということでした。


なんとなく読み飛ばしてしまえばよかったのかもしれません。
ちょっと考えてみたら、だんだんわからなくなってきました。


落語の「粗忽長屋」ではないですが、
嫌いな自分がいることはよーくわかったが
じゃあ、自分を嫌っている自分っていったい誰なんだ？

意地悪ないい方でしょうか。
しかし、対人関係学的にはとても大切なところかもしれません。


まず、少しでも命を大切にして死なないようにしよう
ということを絶対的価値観、価値の出発にしています。
要するに、自分を大事にすることが
価値観の出発なのです。

その意味で言えば、
「じゃあ、自分が好きなのね」と言われそうですが、
なんか違うように思います。

対人関係学的に、「自分が好き」ということは
もしかすると、
友人、家族、同僚などの人と人との関係の中で、
尊重されて、安定してそこにいることができる
という意味なのかもしれないなと思うのです。

そういう状態になりたいなということなのではないでしょうか。
自分に自信が持てるということも
同じ意味だと思います。


だけど、それは、
階段の一番上のような、そこに行けば
あとは何にも苦労しないというわけではないと思うのです。

相手との関係の中で、いろいろ変化するし、
状況の中でも違うわけです。
普段、日常の中で能力を発揮できない人も
震災後にライフラインがなくなった時に大活躍した人もいましたし、
人間の価値なんて固定的なものではないと思うのです。

だから、自分が好きな人というひとは
この世の中にいるのでしょうか？

他人との関係で、
心配したり、傷ついたりして、
自分を大事にしながらも、
自分の行動を修正していくことが
常に求められていることだと思うんです。

だから、自分を好きになりたいというよりも
自分の行動を自分でコントロールしていくことが大切で、
そのためにも、
現状の自分で満足しないということは
有効かもしれません。

あくまでも、状態の問題ではなく
「行動」の在り方の問題なのだと思います。


自分を好きになることよりも、
自分が何をするかということを考えることが大切で、
自分を好きになる必要がないというか、
不満を持っていた方がちょうどよいということになると思います。


では、そんなにしょっちゅう自分の行動を修正し、
相手の行動を考えなければならないのでしょうか。

実際は、そんなにせわしなく考えなくてもよいし、
それを他人から無理強いされる必要もないと思います。
成長は、ゆっくりと、植物のように行われればよいのではないでしょうか。

ただ、「今修正できないけれど、
修正しようとしているよ」というメッセージがあると
とても良いかもしれません。
相手は、安心するでしょう。

しかし、そういうことも意に介さず、
こちらが望んでいるレベルに到達し、
行動をしないことを理由に、人格を否定するような相手なら、
その相手を疑うべきです。
これはなかなか難しいのですが、
人間は、仲間の繰り返される意見が正しいと思い
自分が間違っていると思いこまされる動物なのです。

こんな仲間を仲間とも思わない相手の言うことを真に受けて
自分を嫌いになるということは愚かなことです。
なにも、建設的な成長が望めません。
苦しいだけです。

空を飛べとか、
地球を持ちあげろとか、
そういうことと、どっこいどっこいのことを要求されても、
本当は笑うしかないのです。

そういう無茶なことでなければ
うまい方法が必ずあります。
そういう時、パーフェクトに考えすぎると失敗します。

「あの人は、こちらが失敗しても、
　優しそうに微笑んで、許してくれる。
　ああいう人になりたいな。
　ああいう人になれない自分は嫌いだな。」
とか思っている場合でも、

　心から優しくなる必要はありません。
　実際は、
「ああ、できないんだな。しょうがないな、
　よしわかった、頼むのやめよう。
　だけど、ここで怒らせるとこじれるし、
　食って掛かられるのも怖いなあ。
　こちらに敵意のないことを示そう、
　少し笑っていればいいかな、
　自分のキャラでは、
　あまり気の利いたことは言えないけれど、
　笑っているような顔をするのは得意だ。
　笑えば安心してくれるかな。」
って感じで、打算的でも、何の問題もないわけです。

　うまくできないひとは、やり方を覚えればいいのです。
　自分が責められているような感じで、
　言い訳をしないと落ち着かないという焦りんぼさんは、
　うまい言い訳を考えてから、
　言葉を出すようにすればよいのです。

　こまったら、とりあえずごめんなさいということも
　生活の知恵です。


　とりとめがなくなってしまいました。
　中間結論としては、
　
　１．自分を大事にすることは正しいことだ
　２．自分を大事にしようとしすぎることは、まず言い訳になってしまう。
　　　かえって、自分の立場を悪くする。
　３．一番良い方法は、「自分」を大事にしようというよりも
　　　「自分たち」を大事にしようという意識で
　　　行動するということ。
　４．やり方を思いつかない人は、
　　　うまくやっている人のやり方をまねる。
　５．心より前に行動！相手に伝えること。これが思いやり。