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メールハラスメント [労災事件]

パワハラ、セクハラ、モラハラ、アカハラと
ハラスメントばやりです。
しかし、ハラスメントの意味については、
あまり正確に把握されていないようです。

ハラスメントは、正確には
小さな攻撃を執拗に繰り返し行うこと
を言います。

それが、暴力だったり、侮辱や名誉棄損だったり、
強制わいせつ、脅迫、強要になるのだったら
刑事事件ですから、
そもそもやっちゃあいけないことですし
損害賠償事件になりかねないわけです。

そういう、大きな攻撃に至らない小さな攻撃も
あるいは、一見正当行為に見える行為も
繰り返し行われることによって、
被害者の精神を蝕んでいくということを
マリー=フランス・イルゴイエンヌ医師は指摘したのでした。

メールがハラスメントになりやすいということを
指摘しておいた方が良いと思われます。

時間帯という問題がありました。
深夜1時過ぎころ、上司からメールが入り、
すぐに何かをしろというわけではないのですが、
行動提起がなされるわけです。

そういう職場では、
労働者は安心感を持っていませんので、
帰宅してもびくびくしている場合があります。
何らかの着信を知らせる音や光で
寝ていてもつい目が覚めてしまうようです。

読めば、結構難しいことをやらなければならないことを
メールで、ポーンと指示されている。
即レスは期待していないような表現ですが、
了解しました
等と返信しないわけにはいかない人間関係になっている。

また、指示された事項の困難さに悩み
眠れなくなってしまう。

それと、地方の営業職なんかでは、
外回りしているときに、
やはり10時、11時に上司からメールが来る。
上司が俺はまだ働いているけれど
お前は家に帰って一杯やっているのか
という意思表示に受け止めてしまうわけです。

携帯電話にGPS装置を付けられて、
どこにいるか把握されているというケースもありました。
それだけならまだしも、
今どこにいるだろうとメールが入り、
言われた方は、四六時中監視されているのかという
不安や窮屈な感じに、
圧迫されていくのです。

メールは、終業時間外は禁止にするべきです。
私なんて自主的にそうしていますが、
「別にいいけど、君返信しないんだね」
といわれて、メールを気にしない労働者は
少ないかもしれません。

封建時代の経済外的強制ですねこれは。
公私の時間の区別をしないと
心は休まりません。
企業から見てもデメリットしかない無駄な行為です。
嫌がらせにしかなりません。

それから、メールであれやこれや一方的に指示する場合も
ルールが必要だと思います。
既に決定事項になっていて、
指導のタイミングをメールで知らせるとか
そういう場合など、
指示メールの出し方は検討するべきです。

なんか、こちらの事情も聞かれずに
ただ命令されている気がするのは私だけでしょうか。
そして、即レスしないから怒るという
中高生のラインみたいなことは
業務では行うべきではありません。

迅速な反応を求めるならば、
電話で行えばよいのです。

もっとも、他に仕事を与えず、
ひたすらメールの来るのを待機している場合は別でしょうが。

メールハラスメントのもう一つの類型は
メールの内容です。
長々と議論を吹っかけてきて、
困惑させるというものがあります。

どちらかというと同僚や部下からの場合が多いです。
面と向かって話をできない人も
メールだと言いたいことを言うという場合があります。

直接真意を問い合わせに言ったところ
平身低頭謝罪されたということがあり、
本人の人格を超えた攻撃的な言葉になることがあるようです。

直接面談して話すときは、
相手の反応を見ながら話しますし、
反論されるという心配もあります。

しかし、メールは
書いている途中で反論されることはなく、
自分の気が済むまでかけますし、
相手の反応を見ることがありません。
勢い、自分の相手に対する常日頃の感情が
止めるきっかけがなくあふれてくるようです。

相手が窮地に陥る反応を想定してしまうと
怒りのモードになり、
こういうことを言ったらこういう風になってしまうかもしれない
という推認する力が停止ないし低下するので、
どんどん容赦がなくなっていき、
面と向かってはいえないことも
容赦なく書いていくわけです。

受け手の方は、
どうしてこんなことを言われなければならないのだろうと
面と向かって言われている気持ちになりますので、
とても心理的に圧迫されます。

普通、「私に向かって、よくも」
という気持ちになります。

また、送信者と受信者しかわからない
受信者が傷つくツボも
容赦なく書いてきますが、
第三者がそれによって受信者が傷つく
ということを理解するまでに時間がかかってしまう
という特徴があります。

面談では許されない、失礼にあたるということが
メールの場合許されるということはありえないと思います。

そのメールが失礼かどうかは、
それまでの人間関係で、
直接、面と向かって言うこと、
言われることを想像しながら
メールを評価することが必要です。

また、送信者の主観的なことをあまり詮索する必要はありません。
受信者が、それを受け取ったら、
どのように思うかということで、
ハラスメントかどうかを判断すれば足ります。

相手が傷ついたり、不愉快になることはやっちゃだめなのです。
どうしても必要だとするならば、
それは、面と向かって話をすることが
対人関係の礼儀だと思います。

メールハラスメントについて
ご一緒にお考えいただければ幸いです。

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