堤美果さんの新書を読んでいます。勉強になります。 [事務所生活]
よくわからないのですが、
私は、相談者や相手方から
「これを読んでみてください」と
本を渡されることが多くあります。
これまでも
パーソナリティ障害の本とか
ギャンブル依存症の本とか
読むと大変勉強になり、
実務に役に立っていることも多くあります。
今回渡されたのは
堤美果さんの集英社新書
「沈みゆく大国アメリカ」
「同 逃げ切れ!日本の医療」
でした。
これまでも、書店で平積みになっていたので
気にはなっていたのですが、
なかなか手が伸びなかったということもあり、
大変ありがたく読ませていただきました。
衝撃でした。背筋が寒くなりました。
アメリカの国民が、
栄養状態も含めて貧困に陥っていく過程が
えぐりだされるように報告されています。
しかも、それが、日本の明日だというのです。
もう、既に始まっている部分もあるというのです。
ファイナンシャルプランナーが以下のように発言しています。
28P 次のターゲットは日本です。
公的医療については、1980年代から日米間で段階的に切り崩されてきているし、ガン保険なんかはアメリカ系保険会社がしっかり押さえましたよね?混合診療や、医療と介護を合わせた施設の大型チェーン化は、近いうちに特区で大きく解禁されるし、そこに2014年に上場したヘルスケアリート(大型医療施設の投資信託)が入っていく。
29P 韓国と同じパターンになるんじゃないかな、あそこも皆保険があったけど、特区のおかげでどんどん崩れたところに、アメリカ系の民間保険会社がしっかりはいれましたからね、
貧困対策は、巨大企業の商品を国の金で買わせるものだし、
そのハンバーガーなどによって、
肥満が増えていく。
医療は高額で、お金がないから病院に行けない。
一部の者だけに富が集中していく。
アメリカが一番の植民地だったということがわかりました。
そして、その触手が日本に伸びてきているというのです。
その手段がTPPだというのです。
この本を読んでいて、
日本人同士、あるいはアジア人同士
争っている場合ではないだろうという気持ちになっていきました。
そらされそうになる目を
きちんと見なければいけないものに照準を合わせなければなりません。
むしろ、アメリカ国民と、もっと情報を共有しなければならないはずです。
この点、私の認識が大きく変わりました。
戦争についても言及されています。
徴兵制云々が今盛んに議論されています。
しかし、言葉の正確な意味の徴兵制は
必要ないのかもしれません。
107P
イラク戦争の時に米軍リクルーターが使ったのと同じ手法だ。学費が出る、医療保険に入れる、などと、甘い言葉を並べて高校生を勧誘する軍のリクルーターたち、だがふたを開けてみると、彼ら自身も数年前に同じように騙されて入隊し、前線に行かされることを回避するため、毎月17人の新兵勧誘というノルマ達成に必死になっている。
餌をぶら下げた競争原理を導入し、社会的弱者に、本来同じ立場にいるはずの別な弱者を襲わせる、あのシステムだ。
集団的自衛権の論戦も、アメリカから教わったのだなとさえ
思えてきます。
111P
ただでさえ難解な法律用語の羅列なのに、採決直前に3000ページときたら、誰も読み切れないですよ。シンプルですが、実に効果的なやり方です。
121
連続ドラマやコメディは、視聴者を非日常の世界に連れてゆく力を持っている。テレビを見ながらその中の登場人物や状況に感情移入する時、人間の脳は<批判的思考能力>を失い、極めて無防備な状態になるという。
政策の中身を理解できなくとも、若者たちはオバマケアの存在が脚本に盛り込まれた番組を見ているだけで、無意識にこの制度に親近感を持つようになるのだ。
159P
企業と政治が手を結び、この国を株式会社国家に変えてゆく中で、踏みつけられる大衆から怒りが吹き出すたびに、彼らは巧妙に国を二つの勢力に分断し、対立をあおってきました。
保守とリベラル。共和党と民主党。右翼左翼といった具合ですね。そして文化的・感情的対立、イデオロギー的な対立の下になるような材料を投げ込む。問題の本質から目をそらせるわけです。だがオバマケア一つ見てもわかるように、問題は二極間ではない、両方を支配している政・民・学の三者癒着、これを崩さなければならない。
堤さんの本は、たくさん売れているそうです。
岩波新書の (株)貧困大国アメリカも
購入して読んでいます。
こちらは、イラク戦争は、
起こしたい人が目的を持って起こし、
きちんとその目的を達成している
ということが説得力をもって描かれています。
集団的自衛権、TPPは、つながっていることがわかります。
「戦争法案」なんて表現で思考停止している場合ではないのです。
もっと、愚かで非人間的な大きな流れの中の一つに過ぎない
ということもはっきりすることができました。
勉強になります。
私は、相談者や相手方から
「これを読んでみてください」と
本を渡されることが多くあります。
これまでも
パーソナリティ障害の本とか
ギャンブル依存症の本とか
読むと大変勉強になり、
実務に役に立っていることも多くあります。
今回渡されたのは
堤美果さんの集英社新書
「沈みゆく大国アメリカ」
「同 逃げ切れ!日本の医療」
でした。
これまでも、書店で平積みになっていたので
気にはなっていたのですが、
なかなか手が伸びなかったということもあり、
大変ありがたく読ませていただきました。
衝撃でした。背筋が寒くなりました。
アメリカの国民が、
栄養状態も含めて貧困に陥っていく過程が
えぐりだされるように報告されています。
しかも、それが、日本の明日だというのです。
もう、既に始まっている部分もあるというのです。
ファイナンシャルプランナーが以下のように発言しています。
28P 次のターゲットは日本です。
公的医療については、1980年代から日米間で段階的に切り崩されてきているし、ガン保険なんかはアメリカ系保険会社がしっかり押さえましたよね?混合診療や、医療と介護を合わせた施設の大型チェーン化は、近いうちに特区で大きく解禁されるし、そこに2014年に上場したヘルスケアリート(大型医療施設の投資信託)が入っていく。
29P 韓国と同じパターンになるんじゃないかな、あそこも皆保険があったけど、特区のおかげでどんどん崩れたところに、アメリカ系の民間保険会社がしっかりはいれましたからね、
貧困対策は、巨大企業の商品を国の金で買わせるものだし、
そのハンバーガーなどによって、
肥満が増えていく。
医療は高額で、お金がないから病院に行けない。
一部の者だけに富が集中していく。
アメリカが一番の植民地だったということがわかりました。
そして、その触手が日本に伸びてきているというのです。
その手段がTPPだというのです。
この本を読んでいて、
日本人同士、あるいはアジア人同士
争っている場合ではないだろうという気持ちになっていきました。
そらされそうになる目を
きちんと見なければいけないものに照準を合わせなければなりません。
むしろ、アメリカ国民と、もっと情報を共有しなければならないはずです。
この点、私の認識が大きく変わりました。
戦争についても言及されています。
徴兵制云々が今盛んに議論されています。
しかし、言葉の正確な意味の徴兵制は
必要ないのかもしれません。
107P
イラク戦争の時に米軍リクルーターが使ったのと同じ手法だ。学費が出る、医療保険に入れる、などと、甘い言葉を並べて高校生を勧誘する軍のリクルーターたち、だがふたを開けてみると、彼ら自身も数年前に同じように騙されて入隊し、前線に行かされることを回避するため、毎月17人の新兵勧誘というノルマ達成に必死になっている。
餌をぶら下げた競争原理を導入し、社会的弱者に、本来同じ立場にいるはずの別な弱者を襲わせる、あのシステムだ。
集団的自衛権の論戦も、アメリカから教わったのだなとさえ
思えてきます。
111P
ただでさえ難解な法律用語の羅列なのに、採決直前に3000ページときたら、誰も読み切れないですよ。シンプルですが、実に効果的なやり方です。
121
連続ドラマやコメディは、視聴者を非日常の世界に連れてゆく力を持っている。テレビを見ながらその中の登場人物や状況に感情移入する時、人間の脳は<批判的思考能力>を失い、極めて無防備な状態になるという。
政策の中身を理解できなくとも、若者たちはオバマケアの存在が脚本に盛り込まれた番組を見ているだけで、無意識にこの制度に親近感を持つようになるのだ。
159P
企業と政治が手を結び、この国を株式会社国家に変えてゆく中で、踏みつけられる大衆から怒りが吹き出すたびに、彼らは巧妙に国を二つの勢力に分断し、対立をあおってきました。
保守とリベラル。共和党と民主党。右翼左翼といった具合ですね。そして文化的・感情的対立、イデオロギー的な対立の下になるような材料を投げ込む。問題の本質から目をそらせるわけです。だがオバマケア一つ見てもわかるように、問題は二極間ではない、両方を支配している政・民・学の三者癒着、これを崩さなければならない。
堤さんの本は、たくさん売れているそうです。
岩波新書の (株)貧困大国アメリカも
購入して読んでいます。
こちらは、イラク戦争は、
起こしたい人が目的を持って起こし、
きちんとその目的を達成している
ということが説得力をもって描かれています。
集団的自衛権、TPPは、つながっていることがわかります。
「戦争法案」なんて表現で思考停止している場合ではないのです。
もっと、愚かで非人間的な大きな流れの中の一つに過ぎない
ということもはっきりすることができました。
勉強になります。
2015-08-11 11:59
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