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否認事件(私は無罪だ)といっても、いろいろありまして・・ [刑事事件]

弁護士は、弁護するから弁護士で、
代理人だけやっているなら弁護士を名乗るな
という極端な弁護士もいました。

要するに、弁護士が弁護人となるのは、
刑事事件(警察沙汰)の弁護をするときです。
民事事件(お金と家族)のサポートをするときは、
弁護人ではなく、代理人となります。

極端な人は、
弁護士の基本は、刑事事件ということをいいたいのでしょう。

私の本籍も刑事事件と言いたいのですが、
被疑者国選のせいで、職業としては成り立たなくなっています。
ほとんど、刑事事件はボランティア状態です。

そして刑事事件と言えば、無罪の人を
誤って有罪としないことということになります。
刑事事件に対する取り組みの90%以上がこのことです。

しかし世の中の刑事事件の90%以上が、
実際は真犯人なので、
この人たちのための弁護、情状弁護にも
もっと力を入れるべきだというのが
私の持論です。
この情状弁護論という本を出版したいと言いながら、
かれこれ10カ月となります。

しかし、まあ、どんな事件でも、
刑事事件の場合は、まず無罪の人を有罪としない
ということは、必ず意識しなければならないので、
どんな事件でも、現行犯逮捕の事件でも、
弁護士が捕まった人に初めて面会に行く時は、
あなた本当にやりましたかということは、
確認しなくてはなりません。

大体の方は、本当に犯人ならば、
事件自体はやりましたと認めます。

中には、現行犯逮捕されても、
自分は無罪だと主張する人がいます。

なるほど、外形上、犯罪を犯しても、
無罪となる場合もあります。

殴ってけがをさせたような場合も、
何かが飛んできて、払い落そうとしたら、
そこに人が通りかかってきて、
手がぶつかってしまったような場合とか、

正当防衛とか。

弁護士は、すべての偏見、先入観を捨てて
話を聞かなければなりません。

しかし、どうしても、それはちょっと無理じゃない?
と言いたくなる時もあるにはあるのです。

ずいぶん昔にやった事件で、
量販店の万引きの事件があり、
現行犯で店員に捕まった事件で、
自分はやっていないという人がいました。

それだけをいわれるならば、
まだ、どういうことなのだろうかと考えますが、
自分を陥れようとする者が、
自分と同じ服装をして商品を盗み、
自分の車に放り込んだんだといわれると、
ちょっと、ちょっと、ちょっとと
突っ込みを入れたくなります。

私は、情状弁護の中核は、
被告人の反省を引き出すことだと考えていますし、
裁判所が無罪を出す事案ではありません。
だからと言って、被疑者は頑張っているので、
反省する契機はありません。

では仕方が無い、
行きました量販店まで。
防犯カメラも見せてもらったし、
店員さんから話を聞きました。
もちろん、どなられました。

そうやって、話をしているうちに、
ようやく、イヤイヤだけれど、
ようやく、実は店員に見つかった時、
事務所で支払いの相談をすれば、
警察沙汰にしないようなことを言われたので、
店の事務所に行ったのに、
そこで話をしているときに、
警察が来て、逮捕されたので、
頭にきたという話をしてくれました。

裁判では、反省が認められ、執行猶予になりました。

否認事件の多くは、深刻な事件です。
刑務所に行かなくても、
有罪の烙印は、心に重くのしかかるでしょう。

ただ、こういう否認事件も、結構あります。
そういう場合に、往復3時間かけて面会に行き、
量販店に行き、怒鳴られて仕事をするわけです。

国選弁護人の報酬を考えてしまったら、
こうはできません。
経済アナリストからは、叱責されるところでしょう。

刑事事件は人ごとではないのです。
あなたが手を伸ばしたら、人が通りかかり、
手がぶつかって鼻血を出し、
早とちりの人が警察をよんだらどうなります?

喧嘩をしている人たちがいたので、
まあまあと止めに入って、
相手が興奮しているので、抑え込んだら、
その場面だけ見ていた目撃者が証人となり、
あなたが一方的に攻めていたといったどうしますか。

面会に来る弁護士が、
現行犯のあなたの言い分に耳を傾けてくれると
よいのですが。




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