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認知行動療法の限界と対人関係学 ご講演3 [自死(自殺)・不明死、葛藤]

御大層なタイトルを付けましたが、
私は素人でして、認知行動療法とは何か
ということについて熟知しているわけではなく
聞きかじりで言っていますので、
おおめに見てくださいね。

これも松本俊彦先生のご講演の中でうかがった話なのですが、
認知行動療法を行った患者さんが、
治療を終結しても再発をしない場合を調査したところ
多くが、認知行動療法で獲得した
スキルを使わないで日常生活に適応している
という調査結果があるそうなのです。

認知行動療法とは、
うつ病やパニック障害やその他のいくつかの精神疾患に対して有効で、
それらの精神的症状が出る原因として、
ものの見方考え方がゆがんでいるので、
その歪みをなおし、
具体的な行動様式をスキルとして獲得し、
不適切な反応を起こさないようにする
という程度で、
私は認識しています。

アンガ―マネージメントなんていうのも
その一つだといえばわかりやすいと思います。

ただ、私の理解に自信がないので
タイトルからは松本先生のお名前は外しました。
ご迷惑をおかけしても申し訳ありませんし。

松本先生は、
対人行動療法そのものよりも
対人行動療法を施す際の、
医師と患者さんとの人間的関わりに注目されています。

アメリカの自死リスクの研究者である
トマス・ジョイナーも
自死予防の一つのポイントとして、
医師の関わりを重視しています。

さて、わが対人関係学ですが、
繰り返し述べているとおり、治療は行いません。

要するに、認知行動療法自体は行わないのです。

それ以外は一緒かもしれません。

というのは、
対人関係学は、
第1に
うつやパニック障害などの精神症状は、
不適切な反応とは見ないで、
人間という動物の合理的な反応であると把握しています。

反応が不適切なのではなく、
そのような反応をさせる環境(対人関係の状態)
が不適切であると考えます。

そして、本人を含めた対人関係の状態を
改善していくことに主眼が置かれます。

第2に、この点から派生した問題としては、
現代社会では、人間の反応様式が定まった過去と違い、
複数の群れに所属するという特徴があると把握します。

ある群れ(対人関係、たとえば職場、例えば学校)の不具合が
自分という存在すべての不具合だととらえてしまう
という現象に着目します。

問題のある群れ(対人関係)を修正するだけでなく、
問題のない群れ(家族)との結びつきを強化することによって、
その人の状態を改善していく
という発想もあるわけです。

第3に
第2とも関連するのですが、
医師や、ケースワーカー等の支援者(本当は共同作業者なのですが)との
結びつきを強化することは、目的ではありません。
その人の所属するべき群れに所属させる
ということが主たる目的ということになります。
支援者は、通りすがりの者ということで、
3段ロケットのように、切り離されるべき存在だ
ということになります。

第4に
但し、その人が所属するべき群れがないのであれば
新たな群れを作ってしまう
ということも選択肢に入っている
という特徴があります。

こういうことですから、
治療とは矛盾するものではありません。


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