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夜明け前が一番暗い。裁判をきっかけに好転する人たち。 [事務所生活]


大体弁護士なんかのところにいらっしゃる方々は、
大変な悩みを持たれていて、
弁護士費用というお金を払ってでも解決したいことが
おありなわけです。

自己破産をするとか、
警察に逮捕されて刑務所に行きそうだとか
解雇されて収入が無くなったとか、
離婚もそうですね。

かならずしも本人が原因ではないことも少なくなく、
理不尽な思いをされている方も
何人も目の当たりにしています。

いつもお話をすることは、
この裁判が、人生の中で一番大変な時かもしれません。
これから、同じような大変なことって想像できませんよね。

実際は本気でそう思っていっているのです。
そんなことをいうと、笑っていただけることもあります。
そりゃそうだと、こんな思い二度としたくないと。

裁判や調停自体が、精神的負担となるのです。
これが終わること自体が肩の荷を下ろすことにもなるのでしょう。

先日、だまされるように、破綻した会社の社長にさせられ、
会社の連帯保証人になり、自己破産をされた方が、
お知り合いの方の件で、久しぶりに事務所にいらっしゃいました。

なんと、同じ仕事をしているのだそうです。
取引先も、真相がわかったことで、
その人個人を信用してコツコツと取引をしているうちに、
この不況で同業者の経営が破たんし、
コツコツやっていたことで生き残り、
大きなメーカーからもオファーが来るようになったそうです。
大企業には無い小回りが利く仕事ぶりが
セールスポイントになっているようです。
お人柄もあるようです。
この方も、色々なことに感謝の気持ちを持たれる方です。

偶然町であった、会社を興して成功されている方は
以前勤め先の解雇の件でお仕事をしたのですが、
極めて優秀な営業マンだった方で、
この方に、営業とは何かをみっちり教えていただきました。
事件を担当すると色々な勉強ができます。
聞き出してまとめるのは苦労ですが、
こういうノウハウは、マニュアルがあるわけではなく、
言葉にまとめることは、価値の高いことだと思います。

この方は成功を収めていますが、
この方を解雇した会社は既にありません。
首都圏の経営コンサルタントと自称する人たちに、
目先の経費節減の無茶を指導され、
会社自体が無くなってしまったのです。
会社は、実質的な代がわりの時が危険な時です。

他にも解雇事件に関わった方で事業を起こされている方がいらっしゃいます。
理不尽なことをそのままにしないということも
成功の秘訣かもしれません。

面白いと言うと不謹慎なのですが、
私が関わる刑事被疑者、被告人の方々は、
ご自分から逮捕されて良かったとおっしゃる方が多いです。

ご自分がなぜ犯罪を実行したかを考えてもらうと、
この時点で捕まらなかったら、もっと悪い状態になっていた
ということを理解されるということもあるようです。

それまで疎遠にしていたご家族と
逮捕をきっかけに、
犯罪に至った原因と今後のことを一緒に考えていただき、
サポートをしていただく中で、
色々なわだかまりも消えたということもありました。
この方も感謝の気持ちを取り戻したことがきっかけだったように思います。
自分は家族に大事にされていたという記憶を
取り戻されたのですね。
家族にだけは会いたくないと言っていた方が、
釈放されて並んで事務所にいらっしゃった姿は、
光にあふれているように眩しく思い出されるシーンです。

とかく、裁判なんて言うのは非日常の典型でしょうから、
当事者の方は争いごとに埋没してしまう危険があります。
第三者たる弁護士は、
大きな視点を提供することで、
事態を正確に把握してもらい、
依頼者の方々の負担を少しでも軽減することも役割かもしれません。

弁護士が依頼者の方と一緒になって
感情的に事件に埋没することは
ゆめゆめ慎まなければならないのでしょう。

それはともかく、
裁判に関わった方々が、
成功を収められていたり、
元気にコツコツ働いていらっしゃる様子を目の当たりにすると、
私自身が励まされます。

なぜか、そういう方々の事件は、
難しい案件だったり、大いに悩むことがあったり、
関わる弁護士としても大変な思いをしていたことも多いので、
元気な声を聞けただけで、
こちらも、ありがとうございますという気持ちに
なってしまいます。
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