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中堅弁護士になって見えてきた、弁護団における若手弁護士が求められる役割 [事務所生活]


弁護士は、やっぱりずうずうしい人が向いているみたいで、
とある大ベテラン弁護士が、
指摘を受けるまで、自分が若手弁護士だと思っていた
という話が話題になったことがあります。

大きな事務所の所長さんで、
大体は相手方になることの多い先生ですが、
人間的には、大好きな先輩弁護士です。

しかし、何ぼ何でも若手というのは・・・

私はもう少し謙虚なので、
自分はそろそろ中堅に差し掛かっていると
自覚しております。

面白いもので、
そういう中途半端な時期だと、
若手弁護士も自分とは違う類型として
はっきり見えてくるし、
ベテラン弁護士の気持ちも
少し実感できるようになるのです。

私は、一人で仕事をすることがほとんどですが、
弁護団を組むこともあります。

それこそ若手弁護士の時は、
大きな弁護団に積極的に入ってゆき、
色々な先輩と一緒に仕事を行い、
おおいに吸収しようとしたものです。

その時見えなかった自分の求められていた役割が、
今になって見えてくるのです。

若手弁護士といえども、
自分は弁護士だという気構えというか、
そういうプライドみたいなものですかね、
そういうものが、
むしろ若手だからあるわけです。

それはそれで大事なものだと思うし、
それがなければ弁護士なんてやってられないし、
と思うのです。

また、新しい分野では、
同じスタートラインに立っていると思うし、
知識的にも引けを取らない。
文章能力だって等々
役割に、違いがあるとは思わないわけです。

それもそうかもしれないけれど、
どうも違うような気もしてくるのが、
今の私のポジションのようです。

ベテラン弁護士になると、
仮に新分野だとしても、
自分の得意にパターンに組み替えたり、
再構築して、
事件の全体像を把握し、
見通しを立てるということは、
やはり経験年数がモノをいってくるように思います。

部分部分の言い回しなどにひらめきがあったとしても、
全体の中でどのように位置づけるかという点は、
一日の長があるようです。

そうすると、ベテラン弁護士が、
若手弁護士に期待することは、
どうやら、弁護団の
マネージメントといえば聞こえがいいのですが、
要は事務的な仕事、
例えば日程調整とか、
書類の調整とか、
依頼者との事務連絡とか、
そういうことを期待し、

さらに、現場の仕事、
事情聴取の段取りとか、
若手が率先して事情聴取に行くとか、

要は体を使った仕事を求めているようなのです。

そして、それを若手が率先して行うことが当然だと
思っている節があります。

中堅になってくると、
そういうことを、弁護士の誰かがしなければならない
ということがわかりますので、
率先してやることができますが、

若手の場合、なかなか全体像を把握できず、
自分で率先してというところが、
なかなかできないというところがあるのです。

求められる役割の重要性を
把握できないというところもあるかもしれません。

ベテランから見て、指示を待っているだけかと思うのですが、
何をしていいかわからないので、
なぜベテランは動かないのだろうという
とんちんかんなことを考えている若手もいるわけです。

もちろんベテランは、
なぜ動こうとしない、
わからないならなぜ尋ねないと
心の中では思っているはずです。

若手弁護士は、
何をやりましょうかと積極的に
声を出していくことが求められているし、
下支えを買って出ると大変喜ばれます。

それをベテラン弁護士は、
若手弁護士が為しうる
弁護団に対する貢献だと考えているようです。

それはそれで、
間違ってもいないかなと思えてくるのですが、
なかなかそんな優秀な若手弁護士も
めったにいないのになあと
思ったりもしているわけです。

特に若手は、自分の仕事が精いっぱいなので、
自分はこんなに忙しいのだから、
体を動かす仕事はご免こうむりたいと
思ってしまいがちです。

ベテラン弁護士は、それは許さないわけです。
お前ごと気がなんだと。

若手も悪気があるわけでなく、
誰かがやらなければならないということが
見えないわけですね。

若いから動けないというか。

証人尋問で、
異議ありと、相手方の尋問を止めるのは、
大抵、ベテランのほうです。

運動神経的な瞬発力は
大分劣っているはずなのですが、
若手が迷っているときに、
既に立ち上がっています。

なんで若いくせに黙っているんだと
ベテラン弁護士は言いますが、

要は経験から来る力の入れ具合というか
要領、
あとはずうずうしさでしょうか。

ベテランになると、
若手の頃を忘れてしまうようです。

ベテランになる前に、
メモしておいた次第です。

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