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夫婦の危機の悪循環の原因とそれを断ち切るためのヒント [家事]


現在、別居なり、家庭内別居なり、
激しくののしりあっているような場合、
一方当事者が、
そのように家庭が壊れた原因について
すべて相手方に責任があるように
話すことがあります。
自分には落ち度がない。
おそらく本当にそのように考えているのでしょう。

安直な支援者ならば
「そうだそうだ」と相談者を持ちあげて
怒りに油を注ぐようなことをするでしょう。

しかし、冷静に考えると
夫婦の状態に問題がある場合、
一方だけが主として責任を負うということは
実態としては、「滅多にない」
ということが実感です。

もともと夫婦というチームなのですから
相手が悪いということで結論、終了
ということになるわけにはゆかないのです。

例えば、サッカーで、
相手チームにゴールを決められた場合、
ボールの近くにいたゴールキーパーが悪いのでしょうか。

もしかしたら、ポジショニングに問題があったとしても
それは、ディフェンスの立ち位置にミスがあって
その場所にいなければならなかったのかもしれません。

ボールをインターセプトされたとしても、
パスを出そうとした相手がぼんやりしていて
パスを出せなかった結果かもしれません。

夫婦もチームなのです。
もし、一方に問題があるならば
他方がそれをカバーしなくてはならないはずです。

意見の違いがあるならば
話し合って妥協点を探らなければならないし
「成長は、緩やかに」しか成り立たないのが大人の世界です。

思い通りに行かなくてイライラすれば、
相手にそれが伝わります。
それによって相手もまた不安を抱えて
へこむ人がいたり
逆に「その」不安を怒りによって解消しようとする
相手に対する怒りを抱くようになるわけです。

「夫婦」というチームの状態は
このように相互作用によって作られることが
一般的なようです。

だから、現在の夫婦の状態
別居だったり、家庭内別居だったり
そういうことは、
通常は双方に責任のあることです。

相手に問題があるのではなく、
端的に「夫婦」というチームの在り方に問題がある。
こう考えると、
問題の解決に向かっていけるわけです。

特に幼い子どもがいる場合は
子どもの健全な成長というチームの目標に照らして
自分がどのような動きをしているか、
相手とどのように協力するか
という視点で見る必要があります。

そして、協力して子育てをするときは
「自分だけの理想で子育てをすることは、
 まず、無理だ」
というところから出発しなくてはなりません。
この分野においても妥協が必要だし、
その方が子どもにとっても
トータルで良い効果が発揮されるでしょう。

子育てにあたって、
相手のすることにケチを付けたり
しないことを責めていたのでは
チームの状態が悪くなるのだから、
結局子どもにとって
よくない効果ばかりが発生してしまいます。

これは、夫婦を
「チーム」として把握しないと
理解できないことだと思います。

では、どうして、
自由意思で結婚した相手に対して
脇から見れば些細なことなのにもかかわらず
憎しみを抱いてしまうのでしょう。

憎しみや怒りの本質から
その悪感情に歯止めが利かなくなっています。

対人関係学的には
怒りとは、自分の不安を解消するための反応
だと理解しています。

この場合の「不安」とは何でしょう。
相手方の行動で身体生命の不安は滅多に発生しません。
対人関係的な不安だということが理解されます。

対人関係的な不安とは
群れから追放されるかもしれないという不安です。

要するに、
自分の思い通りいかないことが
相手が自分を尊重していない
自分が、夫婦というチームの中で
尊重されず、否定される
即ち、ゆくゆく群れから外されるという危機感を
無意識に抱いていると考えてみます。

この場合のチーム(群れ)から排除されるという意識は
言葉にならない無意識下の感情ですから
なかなか自分で気が付くことは難しいです。

相手が自分の元から去るとき
離婚を突き付けられるときは
まさに自分が夫婦という群の構成員に値しない
ということを突き付けられているわけですから、
対人関係上の危機感を抱かせる極限状態になるわけです。

もうこうなると
相互作用ですから、
ますます怒りが燃え上がっていくわけです。

(ただ、男性が相手に対して憎悪の感情を抱くことが一般ですが、
 女性は嫌悪の感情を抱くことが多いようです)

DVが起きやすい、また凄惨になりやすいのが
離婚や別居直後だということは
このような理由のあることなのです。

だから、対策をたてることもできるのです。

相手を尊重していないわけではないという
メッセージを相手に発信することが大切で、
離婚の時こそ、
相手を理解しようとする努力が必要になるわけです。

それは、一度夫婦だった大人の
相手に対する責任だと思います。

さて、
このような見捨てられ感が怒りに増幅する場合は、
相手に対して優越感を抱いている場合が
激しくなるように思われます。

相手方に過去の過ちがあるとか
学歴とか、経済的問題とか
一段低く見ているくせに
中途半端なナイトの気持ちをもって
相手を救う気持ちで結婚するような場合など、

結婚してやったのだから
自分がもっと尊重されるべきだという時に
怒りが大きくなるように感じられます。

結婚して一つになったはずなのに
やはりチームになり切れていない
そういうことになります。

受け取る側の問題が多いときもあります。
なんとなく、全般的に
劣等感を感じたり
相手にかなわないという気持ちが圧迫感になり、
些細な言動が
自分を軽蔑している言動だと受け止めるような
傾向のある人も多いです。

親子であれば、これはあまりありません。
夫婦の間では
少し意識して相手を気遣うべき分野もあるようです。

この相互作用、憎しみと不振の連鎖は
らせん状に高まっていくことがあります。
うまく、日常に戻れない場合は、それがひどくなります。

第三者からそそのかされて
「あなた正しいのに、どうしてちゃんと扱ってもらえないのだろうね」
なんて、
夫婦の間ではどうでもよいことを
無責任にたきつける人が最近は多く見受けられます。
チームの外の人の話を
真に受けてはいけません。

あなたは、自分が悪くないと思っているのだから、
自分が相手に与えた相互作用の一部を
その第三者に話していないのです。
従って、
「第三者の意見が、
 常にあなた側の意見になる」のは理由があることです。

どうすれば、この悪循環を止められるのでしょうか。

一つは、これまで言っているように
チームの問題だという上から見下ろす視線に立って、
まず、コマとしての自分を動かすわけです。
妥協できるところを徹底的に妥協して、
相手を尊重しているところを明確に示すこと。

そのためには、何が正しいとか、原因がどうとかいわず、
自分の言動が相手を苦しめているということを
リアルに認識することがモチベーションになるでしょう。

まず自分から武装解除して
相手の軍門に下るということです。

二つ目は、
自分を尊重してもらうということです。
言葉で、具体的に
こういう風に言われたら、自分は嫌だ
こういう風に不安になってしまうということを
第三者的に、あたかも監督がプレーヤーに指導する視点で
しかし態度は、お願いする。
怒りを排除して、
チーム状態の改善を提案するのです。

相手から
「だったら私も言わせてもらう」
という発言がきたら幸いです。
相手を尊重している姿を見せる
ビッグチャンス到来だからです。
一生懸命理解しようとする姿勢を見せましょう。

これらのことをするために
二つの心構えがあるようです。

一つは
相手を尊重するということは
相手の弱さを承認するということです。
多少気に食わなくても、
まずは、自由にしてもらう。
どうしても改善してもらいたかったら
少しずつ、改善してもらう。
お願いして改善してもらう。
時々失敗して戻っても
きつく言わない。
そうすると、相手が一緒にいることが楽になります。

二つ目は、
正しさを夫婦の行動原理にしないということです。
こちらが正しいのに従わない
というのは、既に夫婦という特別なチームにふさわしくありません。

相手がどう思うかということを行動原理にするべきなのです。
脇から見れば
そもそもあなたの正しさは盤石なものではないことが
多いようです。
視点を変えれば、必ずしも正しくない
ということが結構あります。

また、正しさというのは道徳にしても法律にしても
他人同士を規律するためのものです。
他人同士を規律して、秩序を作り
それぞれが安住するためのものです。

家庭の中に、他人を規律する秩序は
本来不要なのです。
お互いが良ければそれでよいのです。

三つめは
夫婦といっても、特別なチームといっても
別人格を持った人間です。
それぞれが、自分の行動を自分で決めることの
自由を認めなければなりません。

その自由を認めたくないときに、
もしかしたら、
自分は、相手を自分の考えで動かしたい
と思っていないか
それは、自分は相手を支配したいと思っていないかについて
振り返って考えることが効果的でしょう。

支配される方は、不自由感、圧迫感を感じます。
それは、チームに不具合を招く
大きな要因として積み重なっていくことになります。

なかなかできることではないし、
四六時中こんな夫婦の生活を送っていたら
頭がおかしくなると思います。

たまに、なんか不具合があるなと感じたとき
ちょっと試してみることをお勧めする次第です。




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