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損害保険会社は交通事故の被害者にもう少し配慮した言動を [交通事故]

交通事故の示談を担当していると、
「損害保険会社から示談の提示を受けたのだけれど、
金額が妥当なのか疑わしい。
相場はわからないけれど、保険会社の担当は、
私が加害者のような言い方をする。」
という相談が多いです。

交通事故の被害者の方は、
十分な賠償を求めていることはもちろんですが、
早期に解決したいという希望もあるわけです。
ところが、
自分が被害者のはずなのに、
被害者として扱われないと感じると、
損害保険会社に不信感をいだいてゆき、
弁護士や交通事故紛争処理センターに相談に行くわけです。

特にむちうち症は、
現代の医学では、本人の訴え以外に
レントゲンやMRI等で客観的に証明することができないことが多いから、
被害を受けた方は、自分の痛みを理解されていない
という気持になるようです。
これは、保険会社だけでなく、家族に対しても抱いているようです。
お気の毒なはなしです。
そこに、過失割合は、本によるとあなたも10%あるとか、
むちうち症なので、治療は3カ月で打ち切るとか、
症状固定なので治療費は出ないとか、
保険会社から言われると、自分は苦しいのだという
その事実がわかられていないと強く感じられるわけです。

保険会社の主張の中には、
ああなるほど、言いたいことはこういうことね、
と、専門家が聞けば、賛成はできないけれど
一応理解できることがあります。
でも、それは、専門家同士の話であって、
一般の方が聞けば、理解しようとさえできないだろう
と思われる発言のことが多いです。

ここ数年損害保険会社でもリストラが進んでいるようです。
担当者の担当するエリアが広がり、
以前よりも一人当たりの担当件数が増えているようです。
時間的、精神的余裕があれば、
もう少し、相手に理解してもらおうという姿勢に
なることができるはずです。
余裕がないものだから、いきなり結論を
押し付けてしまうという印象があります。

もし、「ご迷惑をおかけしていますね。」とか
「痛みのご様子はどうですか。痛い時は病院に行ってくださいね。」
そんな当たり前のことを言っていたら、被害者の方も
痛みの感じ方も変わってくるのになあと思いたくなることもあります。
「お大事に」という言葉さえかけられない関係者が多いようです。

実際に相談やあっせんを受け付けていて、
そんな当たり前の接し方ができていれば、
このケースは、保険会社の提案で示談していたんだろうなと
思われるケースはとても多いと感じます。

被害者の方は、接し方で不愉快な思いをし、解決が長引き、
保険会社も、紛争処理センターや裁判に持ち込まれることで、
示談金額や経費を多く支出することとなるわけです。

多くの事例は適切に解決が進められているのでしょうが、
弁護士のもとに来る事例については、
そのような感想をもつことが多いのです。


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