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お医者さんは凄い。忙しいのに、患者さんのためならということで。 [労災事件]

弁護士が、相談会に行っても、
相談件数は、一日せいぜい8件くらいです。
お医者さんは、一日100人くらい診ることも、
そう珍しいことではないようです。

まあ、弁護士は、一回30分でも
相談時間が短すぎるということもあるので、
単純に比較できないのですが。

例えば、労災事件、過労自殺の件で、
仕事が原因だと言えるのかどうか、
直接、主治医の先生にお話をうかがいに
行くことが結構あるのです。

精神科のお医者さんの中には、
本当にやさしいご対応をされる先生も多く、
こちらに症状が無くても、
お話しているだけで治った気になるような(??)、
癒される先生が多くいらっしゃいます。

こちらの訪問に対しても、快くお引き受けいただき、
診療の合間に、丁寧に対応していただきます。

こちらも、お時間をお取りさせて申し訳ないので、
事前に質問事項を練って、
手紙やファクシミリで提出をしておきます。
お医者さんは、こちらの意図をくみ取っていただき、
できるだけ丁寧に、具体的に説明いただきます。

弁護士は、どちらかというと、
依頼者の依頼ということがありますので、
特定の結論、例えば、ストレスは主として仕事だけを
訴えていたのではないかということを尋ねたいのです。

ところがお医者さんは、特定の結論を誘導されることを
お嫌いになり、スクエアな説明をされたがります。
質問の仕方にも気を使います。
しかし、そうすると、期待以上の御答えがある時もあります。
別角度からの構成が見えてきたりします。
お医者さんとお話しするときは、
事件を再構成するつもりで、のぞんだ方がよいようです。

これまで実例が、医学会でも報告されていない労災事件があり、
知っている限りの、権威のある先生方に、意見書の作成を求めて、
症例もないので、意見書は無理ではないかと言われた事件がありました。
遺族と何度も打ち合わせをして、
労災申請を断念するかというところまできたことがありました。

亡くなられたのが遠隔地ということもあり、
それまで、あまり話題に上らなかったのですが、
最後に主治医となられた先生が、
何かあったら協力するとおっしゃっていたことを遺族が思いだし、
半ばやけになって、
それじゃあ、言ってこられたらよいのではないですか
というはなしから、その主治医の先生に意見書を書いてもらうことになりました。

私の方で、労災と認められる疾病名と、本件の違いがここにあるが、
労災と認められる疾病と同じに考えてよいか等といった
問題の所在と質問内容を作成し、遺族に持っていってもらいました。
ものすごく忙しい病院の先生でしたが、
快く意見書作成をお引き受けいただき、
問題の所在に見事にこたえられ、
また、この時も、われわれが想定していた回答と
別角度の論理からの意見書を作成していただき、
労災が認められたのでした。

何の事件か忘れたのですが、
仙台の忙しい先生のご意見をいただかなければいけない
ことがありました。
患者さんが多くて、お昼休みが2時ころになる先生です。
それでも、患者さんのためになるなら、医者は協力したいものなのです
と、さらっとお話しされ、ご協力いただきました。
忙しいから、要件をファクシミリしておいてねと
簡にして要を得た指示をなさるので、
こちらも、お時間をとらないよう、できるだけご協力しなければ
ということになります。

何百人、何千人と患者さんを抱えていながら、
カルテを見れば、ああ、あの人ねと瞬時に思い出す
そのことは、驚異的に感じます。
そして、その患者さんに、自分の患者さんという意識をもたれて
いらっしゃることが、ますます驚嘆の思いです。

大変頭の下がる思いです。
お医者さんはえらい。
第三者の角度からお医者さんの仕事を見ていると、
もっともっと優遇されてもよいのではないかと
感じているのです。
普通できませんよここまで。

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