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判決の予測可能性 弁護士は見通しをどこまで語れるか 和解の理由 [民事・消費者]

弁護士資格を有する人たちが、
テレビのショーで、何か事案を用意されて、
結論はこうなるということで、
激論をする番組があるようです。

イライラするから見ません。

特定の事例で、
判決だとこうなるということは、
弁護士の実務を何年かやって入れば、
簡単に言えなくなるのです。

これがショーではなくて、
本当の法律相談であれば、
結果を請け負うことは、
弁護士の場合、禁止されていますから、
そもそもやってはいけません。

どうやら、その番組は、
弁護士によって結論が変わるという趣向らしく、
それはそれで、真理を突いていて面白い
かもしれません。

しかし、弁護士どおしで議論をする場合、
激論にはなりません。
このケースのこの面を強調すればこうなるけど、
この点を重視した場合は、こういう結論もあり得るね
という感じです。

また、この点は立証が難しいから、
ここを押してゆくのはギャンブルなので、
こちらに力を入れて次善の主張をした方がいいな
とかということになります。

裁判は、不確定要素が多いのです。

見通しを的確に語れる弁護士は優秀ですが、
優秀そうに見通しを断言する弁護士は要注意です。
難しいところです。

最終的には、強気になれる要素と
弱気にならなければならない要素を説明し、
判決になった場合の危険性をきちんと説明できる弁護士に
私なら依頼をします。

例えば、
裁判官は3年くらいで転勤となるので、
事件の途中で裁判官が交代するということは
よくあるわけですが、
交代前の裁判官と交代後の裁判官が
言っていることがまるっきり違うということも
少ないとは言えません。

よくかわることもありますが、
一方当事者にとって、
丸っきり悪くなる場合もあるわけです。

こうなってくると、弁護士の力は関係ないような気になり
むなしさだけが募るわけです。

まあ、雲行きが怪しいなとわかればまだよいのでしょう。
対策を立てることができるわけです。
気がつかないで判決で逆転されると
取り返しがつかないわけです。

数年実務を行えば、
このような経験をするわけです。

だから、
確かに私はあなたの言うとおりだと思う
でも、判決になるとどうなるかわからないよ
損だと思っても、大損するよりいいから
和解した方が安全ですよということになるわけです。

もっというと
裁判になったって、
こちら側の言い分が通るとは限りませんよ
この辺で示談をした方が安全です。
裁判になれば弁護士費用もかかります。
経済的な話だけをすれば、
裁判にしないで示談にした方がいいです。
というのが、(場合にもよりますが)
経験豊富な良心的な弁護士ということになります。

もうからない弁護士ということにもなるのでしょうが。
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