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メモ うつと家族 「頭ではわかっていても」 と 「家族に対する支援」 [家事]

今から、15年以上前、まだ、うつという言葉が一般的でなく
精神科ということばが、恐ろしさを伴って耳に入っていた頃、
離婚事件の相談で、相手はうつという病気ではないだろうか
と思い始めたのが、業務とうつの最初でした。

夫が働かない、怠け病になっているので離婚したいという相談でした。
聞きかじりの知識で、それはうつではないかということで、
依頼者と一緒に勉強し、
病気なんだから治療ができるというところまでは、
頭ではわかったのです。私も依頼者(妻)も。

しかし、その妻は、夫の発作的行動があり、
そのことの恐怖体験が忘れられず、
どうしても、やっぱり離婚をするということになり、
調停に踏み切って離婚しました。

子供もいたので、
なんとか夫が適切に治療を行い、
離婚を回避できないかと、
何回も打ち合わせを重ねた結果でした。

打ち合わせには、2歳にならない子供がいつもきていて、
静かにしてくれていたのですが、
お母さんが、やっぱり離婚で進めるということを決意した瞬間、
突如大きな声で泣き出したのです。
その子供は、離婚のことなんて何も分からないはずです。
偶然かもしれません。
でも、あまりにタイミングがあっていたので、
私は、子供が何かを感じたのだろうと、
今もそう思っています。

その後も、夫が働かないので離婚という相談が続き、
うつを一緒に考えようとしても、
なかなかそんな病気ではないですよと
一蹴されることもありました。

最近は、当時に比べて、うつの知識は普及し、
先ず、治療をしてというパターンが多くなったように思われます。

ただ、家族がうつになった場合に、
どのように接してよいかわからず、
結局、家族もうつの家族も苦しんでいくということが
まだまだみられます。

その結果、離婚になったり、
家庭が分離、崩壊してゆき、
子供が非行に走ったり、
弁護士の出番になってしまうということが
まだまだみられます。

頭ではわかっていても、
それがうつの症状だとわかっていても、
見た眼が今までと変わらないので、
つい、感情では、うつの家族を責めてしまう
ということがあったり、

とにかく、腫れ物に触るように神経を使って、
家族の方が疲れ切ってしまい、
うつの連鎖が起きてしまったりするようです。

非科学的な言葉で申し訳ありませんが、
うつは感染するような感じがします。

また、理解のある家族であっても、
小さい子供一人のご家庭で、
働きながら、子供の世話をして、
うつの家族の世話をしなければならない
という過酷な状況の人もいて、
支援の方法を仲間内で
手分けして探したということもありました。

うつ対策ということで、
本人支援ということを考えるだけでなく、
家族の支援という視点での社会活動が
これからの課題のような気がします。



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