SSブログ

予防法学 犯罪の原因を分析し、予防につなげる [刑事事件]


前科がたくさんある人が、今私が担当しているのですが、
警察署の接見室で、しみじみ話してきました。

世の中で、更生の仕方のノウハウが
あまり出回っていないのではないか、
犯罪を思いとどまらせる方法も、
あまりで待っていないのではないか、
何が罪を犯す前触れなのか、
どうしたら真っ当に暮らせるかが
そのノウハウを学校でも教えないのではないか
というものです。

裁判所で有罪となり、
刑務所で工場で働くけれど、
それで、社会復帰の仕方を教わるわけではない
ようなのです。

どうも、雰囲気として、
犯罪は、もともと犯すべき人が犯しているとでもいうような、
根本的偏見があるのではないかと疑いたくたります。
何やっても罪を犯す人は犯す。

私はそうは思えません。
普通の人が、犯罪環境に入ってゆき、
次第に規範意識(法律等ルールを守ろうという意識)が
薄くなってゆき、
ちょっとしたきっかけから犯罪を犯してしまう。

犯罪環境は、
過度のストレスと孤立ということから、
病的に規範意識が一時的に喪失することもあります。

また、堅実な就職をあきらめざるを得ない状況の中、
経済的事情から
暴力団に入ってゆくとか

もっと、些細なことから
集団から離脱して行くこともあるし、
凄惨な逃亡もあります。

ただ、望んで犯罪環境に入る人はいないようで、
知らず知らずに犯罪環境に陥っていることが多いようです。

酒にしたってそうです。
奇妙な脱抑制の中の相当程度多量の飲酒で、
健忘になるようなのですが、
その心理状態を研究した文献はなさそうです。
カフェインとアルコールの併用も
危険性があるのではないかと感じているのですが、
探し方がわかりません。

アルコール中毒は一過性のものであるので、
ショック状態等の改善が行われれば足り、
一時的な精神状態は治療の対象とはならないという
事情があるのだと思います。

弁護士は、少なくとも私は、
担当する被疑者、被告人が再び同じ犯罪をしないように、
犯罪に至った原因を分析します。

この分析の中で、ある程度普遍化できるものを、
わかりやすい形で、世の中に普及することも
大事なのではないかと考えています。

予防医学という概念があり、
インフルエンザの予防とか、
ノロウィルスの予防とか、
シーズンになると良く耳にするわけです。

予防法学という学問があっても良いと思うのです。
現場の法律家、医師、社会学者等で、
学会ができないのかなと
あるのかもしれないけれど、
そんなことを考えております。

刑事の問題では、
先ずは高齢化社会と万引きじゃないのかなと
考えているのです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0