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専門家を称する人の投薬に対する批判が非科学的で、誤解を与える危険があること。他山の石。 [事務所生活]

最近、医師や薬剤師のブログを紹介され拝見するのですが、
専門家が専門分野の主張を
専門家以外の方に行う場合は、
くれぐれも誤解のないようにしないと危険なことになる
ということをつくづく感じました。

ある元薬剤師さんのブログですが、
大要
鼻水くらいでは病院に来る必要がなく
かえって病気を移される危険がある。

熱も39度くらいでは致命的にはならない。
熱は、菌やウイルスを殺すために出ている。
風邪を治す薬はなく体が治す。
普通の風邪は投薬がいらない

これが結構支持されているようなのです。
このご主張の射程範囲がどこまでかを
自分で適切に判断できるならいいのですが、
これを鵜呑みにして、
闇雲に真似をする人が出てきたならどうするのだろうと
心配になりました。

風邪そのものを治す薬はない
ということについては新規性がなく、
特に異論はないのでしょう。

体が治すということもその通りだと思います。

しかし、一体、小さいお子さんを持つ親御さんの中で、
普通の風邪と、マイコプラズマなどの肺炎と区別がつく
方はどの程度いらっしゃるでしょう。

熱が39度くらいに上がってきて、
もっと上がるか様子を見てみましょうなんて
言える方々はどの程度いらっしゃるのでしょう。

薬や医療は、むしろ自然治癒力を助けるのです。

わかりやすい現象は、捻挫や打撲です。
患部の筋肉などが壊れ、炎症を起こし
痛みを感じるわけです。

湿布を貼ったり、痛み止めを飲みますよね。
これ自体は、壊れた筋肉の復元をするわけではありません。

なぜ、炎症が起きたり、痛みを感じるかといえば、
筋肉が壊れた、自然治癒力を働かさなければならない
このために
痛みを感じやすくする物質が血液中に放出されるのです。
そうして、患部に修復物質を届けようとします。

ところが、修復物質が多くなりすぎると
逆に患部自体を攻撃し、
治りにくくなることがあるわけです。
そのため、痛みを感じやすくする物質を抑えて、
痛みを感じにくくします。
これが湿布であり、痛み止めです。

痛みを感じやすくするという
抵抗力を弱体化させることによって
自然治癒力が十分に発揮できるようにしているわけです。

咳止めもそうなんじゃないでしょうか。
菌が体内で増殖してしまい、
もはや咳をするだけでは排出できなくなってしまえば、
咳は、それ自体体力を奪うし
睡眠を妨げるなどの弊害が強くなります。
咳止めと抗生物質を服用することによって
自然治癒力が発揮する環境を作る必要があるわけです。

熱もそうですよ。
また、その人の平熱にもよります。
欧米人のように平熱が37度以上の場合と
35度くらいの平熱の人とでは、
39度の意味合いがまるっきり違うわけです。
日本人は平熱が低い
ということは意識しなければなりません。

熱に対する耐性も
人によってまるっきり違うわけです。

インフルエンザ脳症によって命を落としている
子どもたちもいるわけです。

お医者さんのブログは普通に読めばちゃんと書いてあります。
幼児、高齢者、別の病気との合併症の場合は、
薬を躊躇なく投与すると。

ただ、インフルエンザは感染症なので、
身近な人に感染させないためにも
検査を受ける必要もあります。

熱や咳は、あるいは痛みは
病気と戦う仕組みだから
抑制してはいけないという主張は、

「病気と戦う体の仕組みは過不足なく発揮されている」
という論理が前提となっています。
これが致命的に非科学的です。
人間の体なんて、そんなに精密ではありません。

大体は足りないか
過剰なわけです。
生きる仕組みが体を傷つけるということが多いのです。
大きく言えば、これが過労死です。

さらに、いろいろなコンディションがあります。
既往歴もそうですが、
一人で隔離されることができるかとか
安静にすることができるか
小さいお子さんならば、
親が一日中看病することができるか
様々違います。
投薬の役割が色々な意味を持ってくるわけです。

元とはいえ薬剤師や医師の肩書きは、
一般の方が鵜呑みにされる危険があります。
くれぐれも誤解の内容に作成される必要が強くあると思います。

大事なことは薬を使わないとかいう極端なことではなく、
薬を適切に使っていただける医療機関を
きちんと確保することです。

現在の症状、原因として考えられること
原因と対策(薬等)の結びつきを
きちんと説明していただけるというのも
ひとつの目安になると思われます。

私も、くれぐれも気をつけることにします。
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